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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
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リーダーのあるべき姿(2020年 4月号)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、リーダーのあるべき姿がクローズアップされている。好感を持たれているのは北海道の鈴木直道知事(39)だ。

 北海道で感染者数・死者数が増加すると、鈴木知事は「結果責任は私が負う」と国に先駆けて緊急事態宣言を出した。道内の小中学校への休校要請も国より早く、子どもたちのストレスや生活リズムの乱れが指摘されると、学年や地区ごとに登校日を分ける分散登校を開始した。週末の外出自粛要請を行ったのも鈴木知事が最初だ。こうした取り組みが奏功し、緊急事態宣言は3月19日で終了。それでも鈴木知事は、引き続き外出自粛の継続を要請するなど対応を緩める気配はない。

 国が法的根拠に基づいて発令する緊急事態宣言に対し、鈴木知事が行ったそれは法的根拠がないので名称を変えるべき、などと言う専門家もいたが、そんな枝葉末節の指摘はどうでもいい。肝心なのは、これ以上の感染拡大を防ぐため住民に強い危機感を持ってもらうことであり、それを達成できたという点では鈴木知事の宣言は何ら間違っていない。

 一方、安倍晋三首相(65)はどうだったか。最も効果的とされる水際対策は4月に予定されていた習近平・国家主席の来日を念頭に、新型コロナウイルスの発端となった中国からの入国を厳しく制限しなかった。武漢で感染者が急増するのを見て、慌てて入国制限を強化しても後の祭りだ。危機対応は最初が肝心であることを認識させられた。イベントの自粛要請も当初は主催者に開催・中止の判断を丸投げしていたし、学校の休校要請も唐突だった感は否めなかった。決断が少し遅れただけで国民は混乱することを思い知らされた。極めつけは東京五輪・パラリンピック。セレモニーやイベントが次々と中止され、もはや開催は無理という状況でも予定通り実施を強調し続けた。安倍首相をはじめIOC・JOC会長らトップの言動に振り回された選手・関係者は数え切れない。惑う人たちに一定の方向性を早く示すことの大切さも痛感させられた。

 今回の問題で安倍首相の「リーダー失格」は明白だ。しかし、安倍首相に代わるリーダーは誰かというと、自民党内には見当たらない。相変わらず一枚岩になれない野党にも、光る存在がいない。だったら前述の鈴木知事……などと短絡的なことを言うつもりは毛頭ないが、少なくとも「若くて」「自ら責任を負う」姿勢を持った政治家が必要なのは間違いあるまい。「老害」丸出しで「自らの責任回避」に躍起の政治家は、もうたくさんだ。

(佐藤仁)

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