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政経東北速報解説版 毎月2回(1・15日)発行
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国がやらないなら県がやれ(2020年 5月号)

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、政府の対応はチグハグで、このままでは感染拡大を防げず、経済活動停滞に伴う経営難、生活苦などによる自殺などの間接的被害も出てくることが懸念される。

 コロナ対策の基本は外出自粛などの徹底と、国民の生活保障、自粛に伴う事業者への減収補償のセットでなければならない。その詳細については次頁からの特集記事で取り上げているが、ここではそのための「県(内堀知事)の対応」に絞り、いま何が求められているのかを述べたい。

 国は各種自粛要請を出しておきながら休業補償は実施しないという無責任な対応に終始している。ならば県がやるしかない。県では特定分野に休業要請を行い、それに応じたところには協力金として最大30万円を支給する方針だが、それだけでは十分とは言えない。もっと実態に即した減収補償を行うべきだ。もっとも、本来は全国規模で外出自粛徹底、生活保障、減収補償をしなければ効果は薄いが、幸い福島県(県民、県内企業など)は「補償」に関する知識があるから先行事例になれる。県内企業は、原発事故に伴う賠償金を東京電力から受けており、その知識を活かして、福島県が率先して事業者への減収補償を行えばいい。福島県がそれをやれば他地域に広がり、前述したコロナ対策が実のあるものとなる。

 問題は財源だが、財政調整基金(各種積立)の取り崩しと、公務員給与・賞与の大幅カットなどで対応すれば良い。震災・原発事故を超えるくらいの非常時なのだから、あらゆる手段を模索するのは当然のこと。いまこそ知恵の出しどころで、先例にとらわれるべきでない。

 一方で、内堀知事は「国に従順」との評価が定着している。その代表例として、いまだに話題になるのが原発事故直後、国から県に寄せられたスピーディの情報を、当時副知事だった内堀氏の判断で公表しなかったとされる問題だ。「国がスピーディの情報を公表していないのに、県が先駆けて公表するわけにはいかない」といった官僚気質がそうした事態を招いたと言われている。

 国が「休業補償はしない」という中で、県(内堀知事)がそれをやったとなると、スピーディの問題に跳ね返ってくる。だったら、あの時も国の意向にとらわれない対応をしてほしかった、と。

 そうした事情から、正直期待は薄いが、前述したように福島県は先行事例になれる知識があり、未曾有の危機なのだから、それに見合った対応をしてもらいたい。

(末永)

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