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コロナ感染は「悪」の風潮を憂える(2020年 11月号)

 読売新聞(オンライン版、6月29日配信)に、大阪大学の三浦麻子教授ら心理学者の研究グループがまとめた新型コロナウイルスに関する意識調査(日本、アメリカ、イギリス、イタリア、中国の各約400〜500人が対象)の結果が掲載された。それによると「感染する人は自業自得だと思うか」との質問に、「どちらかといえばそう思う」「ややそう思う」「非常にそう思う」と答えた人の合計は、アメリカ1%、イギリス1・49%、イタリア2・51%、中国4・83%だったのに対し、日本は11・5%で最も高かったという。逆に「全く思わない」と答えた人は、ほかの4カ国は60〜70%台だったが、日本は29・25%だった。

 緊急事態宣言が発令されていた時期、営業している店舗に嫌がらせをしたり、当該都道府県外ナンバーのクルマに危害を加えたり、といったことが問題となったほか、感染者が周囲から白い目で見られ、その地域に居づらくなった、というような話も耳にしたことがある。

 そうした話や、前述の調査などからも分かるように、日本ではコロナ感染は「悪」という風潮が他国に比べて強い。

 だが、コロナ感染は本当に「悪」か。

 そうではない。これだけ感染が拡大している現状にあっては、誰しも罹患する可能性があることを認識しておかなければならない。現在の累計感染者の割合は、国内全体で1200人に1人、県内では4700人に1人くらいになる。この数字の捉え方は個人差があるだろうが、いまのヒト・モノが大量に行き交う社会においては、決して"遠い話"ではない。

 10月に県内の温泉旅館の関係者が感染したが、関連報道を見ると、マスクや手指の消毒などの対策をしていたにもかかわらず感染したという。そうした対策をしていても感染する可能性があるということだ。もちろん、感染しないよう最大限注意することが大切なのは言うまでもないが、前述したようにこれだけ感染が拡大している現状では、誰しもその可能性がある。

 重要なのは、罹患したとしても感染を広げないこと。特に、高齢者など重篤化する危険性が高い人に対する注意は最大限払わなければならない。

 ただ、厄介なのは「無症状感染者」という事例が少なくないこと。症状がなければ「自分が感染している」と疑うはずもない。そういったことからも、いま求められているのは、以前のこの稿でも指摘したように、大規模なPCR検査を実施するなどして無症状感染者からの感染拡大を防ぐことだろう。

(末永)

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