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  • 写真【フクロウ】神社で会える森のアイドル

    【フクロウ】神社で会える森のアイドル

     伊達市梁川町の梁川八幡神社(關根誠宮司)に、今年もフクロウの幼鳥が姿を現した。毎年境内のケヤキの〝うろ〟に巣を作り、大型連休近くになると、そこから巣立った幼鳥が親鳥と飛ぶ練習を繰り返す。 5月8日、同神社境内に足を運ぶと、近隣の住民や写真愛好家が、我が子を見守るような目で、巣の近くに立つスギの木を見上げていた。わずかな期間で高いところまで飛べるようになったようだ。 夫婦で訪れていた女性は「毎年見に来ている。昨年はカラスに追われたヒナが田んぼに落ちて、氏子の方に救出されていた。心配でつい見に来てしまう」と笑いながら話した。 伊達市在住の写真愛好家・Nさんは「2021年から訪れている。簡単には撮影できないが、フワフワでかわいらしいのが被写体として魅力」と語った。 禰宜の關根亘さんによると、昔からフクロウの鳴き声は聞こえていたが、2019年、修復工事中の本殿の建設養生ネット内に幼鳥が迷い込み、救出したのを機に、毎年姿が見られるようになった。遠くから足を運ぶ人がいるのを受け、拝殿にフクロウの石像を設置したり、ホームページやSNSでフクロウについて情報発信している。 福島市小鳥の森のレンジャー・増渕翔太さんによると、「個体差があるので一概には言えないが、秋ぐらいまでは巣の近くで親鳥とともに行動するのではないか」とのこと。ただ、近隣住民によると目視できるのは巣立ってから2、3週間程度だとか。わずかな時期しか見ることができない〝森のアイドル〟が今年も多くの人を魅了した。 今年最初に巣立ったフクロウの幼鳥。下を覗き込む表情がかわいらしい(5月3日、伊達市の写真愛好家・Nさん撮影) 巣立ち後の2、3週間は連日、地元住民や写真愛好家が梁川八幡神社境内に足を運ぶ(5月8日、編集部撮影) 今年2番目に巣立った幼鳥(5月4日、伊達市の写真愛好家・Nさん撮影) フクロウの巣があるケヤキの木(5月8日、編集部撮影) フクロウ人気に負けじと大きな声で鳴くキジバト(5月4日、福島市在住・Sさん撮影) 杉の木に寄りかかるフクロウの幼鳥(5月4日、福島市在住・Sさん撮影) 伊達氏の氏神として崇拝され、今年、国史跡に追加指定された梁川八幡神社の本殿(5月8日、編集部撮影) 拝殿にはフクロウをかたどった石象があった(5月8日、編集部撮影)

  • 春のふくしまを巡る

    春のふくしまを巡る

    いよいよ本格的な春の観光シーズンを迎える。新型コロナウイルスの影響は続いている一方で、3月13日からはマスク着用ルールが緩和されるなど、かつての日常に近付きつつある。今春はいままで控えていた花見や観光に出かける人も多いのではないか。春の観光シーズンにおすすめの県内スポットを紹介する。(このページの写真撮影=地域カメラマン・渡部良寛さん) 観音寺川の桜並木(猪苗代町) 花見山から望む吾妻小富士(福島市) JR水郡線と「戸津辺の桜」(矢祭町) 小川諏訪神社のシダレザクラ(いわき市) 観音沼森林公園の春紅葉(南会津町) 田人町のクマガイソウ群生地(いわき市) あわせて読みたい ふくしま書棚百景 【福島県】2023年撮りに行きたい感動絶景

  • ふくしま書棚百景

    本が好きな人間にとって、書棚に多くの本が並べられている光景は憧れであり、読書欲を刺激されるもの。〝読書の秋〟に合わせて、県内の読書家の自宅、書店、古書店を訪問し、さまざまな書棚を見せてもらった。 深瀬幸一さん(福島市在住) 元高校教諭(国語)で、定年退職後も教壇に立つ。好きな本はドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』。「人間の深さを描いた作品。5回は読みました」(深瀬さん)。上の写真は深瀬さんの実家の書棚で、隣接する自宅にも書棚がある。著書『るつぼの中の国語教師』。 石川屋(田村市常葉町) 海外の作家の希少な絵本も取り扱っている 東北でも数少ない絵本専門の書店。壁面に設けられた書棚に国内外の約2000冊の絵本が並ぶ。石井修一代表はすべての絵本の中身を把握しており、来店客から相談を受けることも多いとか。2014年に全面改装後は県外からも絵本ファンが足を運ぶ。 石川屋のホームページ 田村市常葉町常葉字中町36番地☎︎0247(77)2001営業時間9時〜18時30分 八木沼笙子さん(福島市在住) 長年編集業に携わっており、文学・美術など幅広い分野の書籍を所蔵する。「引っ越しや火災で好きだった本を一部消失してしまいました。さらに福島県沖地震で本棚が壊れたので、自宅内に分散して置いています」(八木沼さん)。日本文学の初版本の復刻版(写真右)は大量に譲り受けたもの。聖書や昭和史に関する大判の図説(写真下)は執筆の下調べに使う。 八木沼笙子 油絵・デッサン教室のホームページ スモールタウントーク(郡山市) サブカルチャー関連の書籍や雑誌、写真集などをそろえる古書店。郡山市出身・在住で、映画、写真、雑誌文化など幅広い分野に関心を持つ黒田真市さんが2009年に開店。住宅地の中にあり、まるで学生時代、友人の部屋に遊びに来たような雰囲気を味わえる。 郡山市安積町荒井字荒井12☎︎090(5848)1490営業時間12時〜19時30分

  • 【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

    【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

     震災・原発事故から丸12年。原発被災地の避難指示が解除された区域はどう変化しているのか。特定復興再生拠点区域を中心にめぐった。 今年春の避難指示解除に向けて除染・インフラ復旧が行われている富岡町夜の森地区では、立ち入り規制が緩和され、ゲートが撤去されていた。大熊町のJR大野駅前の商店街は建物がすべて解体され、更地になっていた。双葉町の双葉駅西側には公営住宅が整備されていた。 ハード面の整備が加速する一方で、住民の帰還状況は頭打ちとなりつつあり、県はさまざまな補助制度を設けて移住促進に力を入れている。福島国際研究教育機構が整備される浪江町では、駅前の再開発が行われ、〝研究者のまち〟が整備される見通し。福島第一原発や中間貯蔵施設の行く末が見えない中、住民不在で進められる復興まちづくり。その在り方を考える必要がある。(志賀) JR双葉駅西側に整備された双葉町駅西住宅。同町に住んでいた人が対象の「災害公営住宅」、転入を希望している人も対象となる「再生賃貸住宅」で構成される。 公営住宅の近くに開所した双葉町診療所 JR双葉駅東側のバス・タクシー乗り場。奥に見えるのは双葉町役場の新庁舎 更地になったJR大野駅前の商店街(大熊町)。空間線量は1マイクロシーベルト毎時。 大川原地区に整備されている認定こども園・義務教育学校「学び舎(や)ゆめの森」の校舎(大熊町)。事業費約45億円。入園・入学予定者26人(2月17日現在) 特定復興再生拠点区域に整備されている防災拠点(浪江町室原地区) 整備中の福島県復興祈念公園(双葉町・浪江町、見晴らし台からスマートフォンのパノラマ機能で撮影) 除染・復旧工事が進められる夜の森地区・夜の森公園(富岡町)。同地区は特定復興再生拠点区域に指定されており、今春解除される見通し 福島国際研究教育機構の立地予定地(浪江町川添地区) 125億円かけて再開発が行われるJR浪江駅前(浪江町) あわせて読みたい 【原発事故から12年】終わらない原発災害

  • 福島第一原発のいま【2023年】【写真】

     1月10日、報道関係者を対象にした東京電力福島第一原発合同取材に参加した。 敷地内をマイクロバスで移動しながら、解体作業が進む1、2号機周辺、今年春に予定されているALPS処理水海洋放出に向けて工事が進む放水立坑など7カ所を回った。 「1、2号機周りは毎年来ても変わりがないなあ」とは、事故後からほぼ毎年参加しているフリージャーナリスト。実際、燃料デブリの全容はつかめていない。一方で汚染水は生まれ続けている。海洋放出の時期が迫る中、漁業者を中心に反対の声が根強いが、東電の担当者は「理解を得られるよう取り組んでいく」と述べるにとどめた。 ※写真はすべて代表撮影 構内入り口近くの大型休憩所7階から見た3号機(左奥)と4号機(右奥)。手前に多核種除去設備などを通しトリチウム以外の62物質を低減させたALPS処理水などを収めたタンクが並ぶ。 ALPS処理水をためて海水と混ぜて流すための放水立坑。上流水槽の幅は、約18㍍、奥行き約37㍍、深さ約7㍍。1月中旬時点は建設中。仕切りの壁を越えて深さ約16㍍の下流水槽に流し、海底トンネルを通って放流する。 水素爆発を起こして建屋が壊れた1号機。2023年度中に大型カバーを設置し、がれき撤去作業を進める予定。建屋の横壁の左下に見える板は、工事に必要な足場を作るための基礎。 かまぼこ型の屋根に覆われた3号機。使用済み燃料プールからの燃料取り出しは完了したが、1~3号機ともに燃料デブリの全容はつかめていない。 1号機と2号機の西側にある通称「高台」で東電社員のレクチャーを受ける。空間放射線量は手元の線量計で約80マイクロシーベルト毎時。 1号機の水素爆発の爆風を受けた排気塔。高さ約120㍍あったが、倒壊の危険性を考慮して解体し、現在は約60㍍になっている。 構内南西側にある処理水タンクエリア。 汚染水にALPS処理を施す前に海水由来のカルシウムやマグネシウムなどの物質を取り除くK4タンクエリア。35基あるうちの30基を使っている。 構内は貸与されたベストを着用し線量計を首から下げバスで回る。 ALPS処理水に残るトリチウムが安全な値であることを示すため、ヒラメやアワビへの影響を調べる海洋生物飼育試験施設。 飼育当初は大量死したヒラメだが、専門家や漁業者の指導を受け、飼育員の技術を向上させたという。 あわせて読みたい 【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

  • 鶴ヶ城で打ち上げられたスカイランタン(会津若松市、2021年撮影)

    【福島県】2023年撮りに行きたい感動絶景

     福島市在住のアマチュアカメラマン・渡部良寛さん(63)は鉄道写真を中心に、県内の絶景を撮影し続けている。 桜に紅葉、雪景色。その美しさから、福島県宅地建物取引業協会(宅建協会)の広報誌の表紙に採用されていたほか、JR福島駅の駅ビル「S-PAL(エスパル福島)」1階でも常設展示されている。 渡部さんの作品群の中から、思わず心を奪われる県内の〝感動絶景〟を紹介してもらった。 観音寺川の桜並木(猪苗代町、2021年撮影) 水郡線の脇で咲き誇る「戸津辺の桜」(矢祭町、2014年撮影) 二本松の提灯祭り(二本松市、2014年撮影) 鶴ヶ城で打ち上げられたスカイランタン(会津若松市、2021年撮影) 二井屋公園に咲くポピー(伊達市、2016年撮影) ハート形に見えるため、「ハートレイク」とも呼ばれている半田沼(桑折町、2017年撮影) 只見川沿いの大志集落(金山町、2020年撮影) 国の重要無形民族文化財「サイノカミ」が再現され、花火も打ち上げられた「雪と火のまつり」(三島町、2020年撮影) 波立海岸沿いのJR常磐線を走るE657系「特急ひたち」(いわき市、2022年撮影) あわせて読みたい 春のふくしまを巡る ふくしま書棚百景

  • 追悼・渡部恒三元衆議院副議長11月6日にお別れの会開催

    追悼・渡部恒三元衆議院副議長 2022年11月6日にお別れの会開催

     元衆議院副議長で通商産業大臣、厚生大臣、自治大臣などを務め、2020年8月23日に死去した渡部恒三(わたなべ・こうぞう)氏の「お別れの会」が2022年11月6日、会津若松市の会津若松ワシントンホテルで開かれた。コロナ禍のため延期になっていたもので、関係者をはじめ、政界・経済界から約350人が参列した。 同日には会津若松市城東町の自宅に「渡部恒三記念館」が開館した。館内には大臣就任時に受け取った任命書や叙勲などゆかりの品が展示されている。入場無料。開館は水、土、日曜日の10時から16時。 当日の様子と併せて、約30年前の誌面に載せた恒三氏の写真を再掲する。 在りし日の恒三氏(1992年10月撮影) 会津若松市で行われた「お別れの会」の様子 議員宿舎で晩酌する恒三氏(1992年10月撮影) 記念館前に建てられたブロンズ像 恒三氏を支えていた秘書たち。中央は佐藤雄平元知事。 会津若松市の自宅で家族と食事をとる(1992年10月撮影) 記念館に展示されている恒三氏ゆかりの品 恒三氏の長男・恒雄氏 「お別れの会」であいさつする佐藤雄平元知事 あわせて読みたい 【会津】「恒三イズム」の継承者は誰だ

  • 【フクロウ】神社で会える森のアイドル

     伊達市梁川町の梁川八幡神社(關根誠宮司)に、今年もフクロウの幼鳥が姿を現した。毎年境内のケヤキの〝うろ〟に巣を作り、大型連休近くになると、そこから巣立った幼鳥が親鳥と飛ぶ練習を繰り返す。 5月8日、同神社境内に足を運ぶと、近隣の住民や写真愛好家が、我が子を見守るような目で、巣の近くに立つスギの木を見上げていた。わずかな期間で高いところまで飛べるようになったようだ。 夫婦で訪れていた女性は「毎年見に来ている。昨年はカラスに追われたヒナが田んぼに落ちて、氏子の方に救出されていた。心配でつい見に来てしまう」と笑いながら話した。 伊達市在住の写真愛好家・Nさんは「2021年から訪れている。簡単には撮影できないが、フワフワでかわいらしいのが被写体として魅力」と語った。 禰宜の關根亘さんによると、昔からフクロウの鳴き声は聞こえていたが、2019年、修復工事中の本殿の建設養生ネット内に幼鳥が迷い込み、救出したのを機に、毎年姿が見られるようになった。遠くから足を運ぶ人がいるのを受け、拝殿にフクロウの石像を設置したり、ホームページやSNSでフクロウについて情報発信している。 福島市小鳥の森のレンジャー・増渕翔太さんによると、「個体差があるので一概には言えないが、秋ぐらいまでは巣の近くで親鳥とともに行動するのではないか」とのこと。ただ、近隣住民によると目視できるのは巣立ってから2、3週間程度だとか。わずかな時期しか見ることができない〝森のアイドル〟が今年も多くの人を魅了した。 今年最初に巣立ったフクロウの幼鳥。下を覗き込む表情がかわいらしい(5月3日、伊達市の写真愛好家・Nさん撮影) 巣立ち後の2、3週間は連日、地元住民や写真愛好家が梁川八幡神社境内に足を運ぶ(5月8日、編集部撮影) 今年2番目に巣立った幼鳥(5月4日、伊達市の写真愛好家・Nさん撮影) フクロウの巣があるケヤキの木(5月8日、編集部撮影) フクロウ人気に負けじと大きな声で鳴くキジバト(5月4日、福島市在住・Sさん撮影) 杉の木に寄りかかるフクロウの幼鳥(5月4日、福島市在住・Sさん撮影) 伊達氏の氏神として崇拝され、今年、国史跡に追加指定された梁川八幡神社の本殿(5月8日、編集部撮影) 拝殿にはフクロウをかたどった石象があった(5月8日、編集部撮影)

  • 春のふくしまを巡る

    いよいよ本格的な春の観光シーズンを迎える。新型コロナウイルスの影響は続いている一方で、3月13日からはマスク着用ルールが緩和されるなど、かつての日常に近付きつつある。今春はいままで控えていた花見や観光に出かける人も多いのではないか。春の観光シーズンにおすすめの県内スポットを紹介する。(このページの写真撮影=地域カメラマン・渡部良寛さん) 観音寺川の桜並木(猪苗代町) 花見山から望む吾妻小富士(福島市) JR水郡線と「戸津辺の桜」(矢祭町) 小川諏訪神社のシダレザクラ(いわき市) 観音沼森林公園の春紅葉(南会津町) 田人町のクマガイソウ群生地(いわき市) あわせて読みたい ふくしま書棚百景 【福島県】2023年撮りに行きたい感動絶景

  • ふくしま書棚百景

    本が好きな人間にとって、書棚に多くの本が並べられている光景は憧れであり、読書欲を刺激されるもの。〝読書の秋〟に合わせて、県内の読書家の自宅、書店、古書店を訪問し、さまざまな書棚を見せてもらった。 深瀬幸一さん(福島市在住) 元高校教諭(国語)で、定年退職後も教壇に立つ。好きな本はドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』。「人間の深さを描いた作品。5回は読みました」(深瀬さん)。上の写真は深瀬さんの実家の書棚で、隣接する自宅にも書棚がある。著書『るつぼの中の国語教師』。 石川屋(田村市常葉町) 海外の作家の希少な絵本も取り扱っている 東北でも数少ない絵本専門の書店。壁面に設けられた書棚に国内外の約2000冊の絵本が並ぶ。石井修一代表はすべての絵本の中身を把握しており、来店客から相談を受けることも多いとか。2014年に全面改装後は県外からも絵本ファンが足を運ぶ。 石川屋のホームページ 田村市常葉町常葉字中町36番地☎︎0247(77)2001営業時間9時〜18時30分 八木沼笙子さん(福島市在住) 長年編集業に携わっており、文学・美術など幅広い分野の書籍を所蔵する。「引っ越しや火災で好きだった本を一部消失してしまいました。さらに福島県沖地震で本棚が壊れたので、自宅内に分散して置いています」(八木沼さん)。日本文学の初版本の復刻版(写真右)は大量に譲り受けたもの。聖書や昭和史に関する大判の図説(写真下)は執筆の下調べに使う。 八木沼笙子 油絵・デッサン教室のホームページ スモールタウントーク(郡山市) サブカルチャー関連の書籍や雑誌、写真集などをそろえる古書店。郡山市出身・在住で、映画、写真、雑誌文化など幅広い分野に関心を持つ黒田真市さんが2009年に開店。住宅地の中にあり、まるで学生時代、友人の部屋に遊びに来たような雰囲気を味わえる。 郡山市安積町荒井字荒井12☎︎090(5848)1490営業時間12時〜19時30分

  • 【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

     震災・原発事故から丸12年。原発被災地の避難指示が解除された区域はどう変化しているのか。特定復興再生拠点区域を中心にめぐった。 今年春の避難指示解除に向けて除染・インフラ復旧が行われている富岡町夜の森地区では、立ち入り規制が緩和され、ゲートが撤去されていた。大熊町のJR大野駅前の商店街は建物がすべて解体され、更地になっていた。双葉町の双葉駅西側には公営住宅が整備されていた。 ハード面の整備が加速する一方で、住民の帰還状況は頭打ちとなりつつあり、県はさまざまな補助制度を設けて移住促進に力を入れている。福島国際研究教育機構が整備される浪江町では、駅前の再開発が行われ、〝研究者のまち〟が整備される見通し。福島第一原発や中間貯蔵施設の行く末が見えない中、住民不在で進められる復興まちづくり。その在り方を考える必要がある。(志賀) JR双葉駅西側に整備された双葉町駅西住宅。同町に住んでいた人が対象の「災害公営住宅」、転入を希望している人も対象となる「再生賃貸住宅」で構成される。 公営住宅の近くに開所した双葉町診療所 JR双葉駅東側のバス・タクシー乗り場。奥に見えるのは双葉町役場の新庁舎 更地になったJR大野駅前の商店街(大熊町)。空間線量は1マイクロシーベルト毎時。 大川原地区に整備されている認定こども園・義務教育学校「学び舎(や)ゆめの森」の校舎(大熊町)。事業費約45億円。入園・入学予定者26人(2月17日現在) 特定復興再生拠点区域に整備されている防災拠点(浪江町室原地区) 整備中の福島県復興祈念公園(双葉町・浪江町、見晴らし台からスマートフォンのパノラマ機能で撮影) 除染・復旧工事が進められる夜の森地区・夜の森公園(富岡町)。同地区は特定復興再生拠点区域に指定されており、今春解除される見通し 福島国際研究教育機構の立地予定地(浪江町川添地区) 125億円かけて再開発が行われるJR浪江駅前(浪江町) あわせて読みたい 【原発事故から12年】終わらない原発災害

  • 福島第一原発のいま【2023年】【写真】

     1月10日、報道関係者を対象にした東京電力福島第一原発合同取材に参加した。 敷地内をマイクロバスで移動しながら、解体作業が進む1、2号機周辺、今年春に予定されているALPS処理水海洋放出に向けて工事が進む放水立坑など7カ所を回った。 「1、2号機周りは毎年来ても変わりがないなあ」とは、事故後からほぼ毎年参加しているフリージャーナリスト。実際、燃料デブリの全容はつかめていない。一方で汚染水は生まれ続けている。海洋放出の時期が迫る中、漁業者を中心に反対の声が根強いが、東電の担当者は「理解を得られるよう取り組んでいく」と述べるにとどめた。 ※写真はすべて代表撮影 構内入り口近くの大型休憩所7階から見た3号機(左奥)と4号機(右奥)。手前に多核種除去設備などを通しトリチウム以外の62物質を低減させたALPS処理水などを収めたタンクが並ぶ。 ALPS処理水をためて海水と混ぜて流すための放水立坑。上流水槽の幅は、約18㍍、奥行き約37㍍、深さ約7㍍。1月中旬時点は建設中。仕切りの壁を越えて深さ約16㍍の下流水槽に流し、海底トンネルを通って放流する。 水素爆発を起こして建屋が壊れた1号機。2023年度中に大型カバーを設置し、がれき撤去作業を進める予定。建屋の横壁の左下に見える板は、工事に必要な足場を作るための基礎。 かまぼこ型の屋根に覆われた3号機。使用済み燃料プールからの燃料取り出しは完了したが、1~3号機ともに燃料デブリの全容はつかめていない。 1号機と2号機の西側にある通称「高台」で東電社員のレクチャーを受ける。空間放射線量は手元の線量計で約80マイクロシーベルト毎時。 1号機の水素爆発の爆風を受けた排気塔。高さ約120㍍あったが、倒壊の危険性を考慮して解体し、現在は約60㍍になっている。 構内南西側にある処理水タンクエリア。 汚染水にALPS処理を施す前に海水由来のカルシウムやマグネシウムなどの物質を取り除くK4タンクエリア。35基あるうちの30基を使っている。 構内は貸与されたベストを着用し線量計を首から下げバスで回る。 ALPS処理水に残るトリチウムが安全な値であることを示すため、ヒラメやアワビへの影響を調べる海洋生物飼育試験施設。 飼育当初は大量死したヒラメだが、専門家や漁業者の指導を受け、飼育員の技術を向上させたという。 あわせて読みたい 【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

  • 【福島県】2023年撮りに行きたい感動絶景

     福島市在住のアマチュアカメラマン・渡部良寛さん(63)は鉄道写真を中心に、県内の絶景を撮影し続けている。 桜に紅葉、雪景色。その美しさから、福島県宅地建物取引業協会(宅建協会)の広報誌の表紙に採用されていたほか、JR福島駅の駅ビル「S-PAL(エスパル福島)」1階でも常設展示されている。 渡部さんの作品群の中から、思わず心を奪われる県内の〝感動絶景〟を紹介してもらった。 観音寺川の桜並木(猪苗代町、2021年撮影) 水郡線の脇で咲き誇る「戸津辺の桜」(矢祭町、2014年撮影) 二本松の提灯祭り(二本松市、2014年撮影) 鶴ヶ城で打ち上げられたスカイランタン(会津若松市、2021年撮影) 二井屋公園に咲くポピー(伊達市、2016年撮影) ハート形に見えるため、「ハートレイク」とも呼ばれている半田沼(桑折町、2017年撮影) 只見川沿いの大志集落(金山町、2020年撮影) 国の重要無形民族文化財「サイノカミ」が再現され、花火も打ち上げられた「雪と火のまつり」(三島町、2020年撮影) 波立海岸沿いのJR常磐線を走るE657系「特急ひたち」(いわき市、2022年撮影) あわせて読みたい 春のふくしまを巡る ふくしま書棚百景

  • 追悼・渡部恒三元衆議院副議長 2022年11月6日にお別れの会開催

     元衆議院副議長で通商産業大臣、厚生大臣、自治大臣などを務め、2020年8月23日に死去した渡部恒三(わたなべ・こうぞう)氏の「お別れの会」が2022年11月6日、会津若松市の会津若松ワシントンホテルで開かれた。コロナ禍のため延期になっていたもので、関係者をはじめ、政界・経済界から約350人が参列した。 同日には会津若松市城東町の自宅に「渡部恒三記念館」が開館した。館内には大臣就任時に受け取った任命書や叙勲などゆかりの品が展示されている。入場無料。開館は水、土、日曜日の10時から16時。 当日の様子と併せて、約30年前の誌面に載せた恒三氏の写真を再掲する。 在りし日の恒三氏(1992年10月撮影) 会津若松市で行われた「お別れの会」の様子 議員宿舎で晩酌する恒三氏(1992年10月撮影) 記念館前に建てられたブロンズ像 恒三氏を支えていた秘書たち。中央は佐藤雄平元知事。 会津若松市の自宅で家族と食事をとる(1992年10月撮影) 記念館に展示されている恒三氏ゆかりの品 恒三氏の長男・恒雄氏 「お別れの会」であいさつする佐藤雄平元知事 あわせて読みたい 【会津】「恒三イズム」の継承者は誰だ