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  • 【中島村】加藤幸一町長インタビュー【2023.11】

    【中島村】加藤幸一町長インタビュー【2023.11】

    かとう・こういち 1952年生まれ。岩瀬農業高卒。JAしらかわ理事などを歴任し、2004年から村議2期。2010年9月の村長選で初当選。昨年9月の村長選で4選を果たす。 ひと・くらし・しごとを基本理念に施策を実施。  ――新型コロナウイルスの5類移行の影響について。  「5類移行後は各地区の行事が再開されるなど、コロナ禍前の日常に戻りつつあります。また、中断していた中学3年生のマレーシアへの修学旅行も4年ぶりに再開され、生徒各自が感染対策を徹底したおかげで無事に帰ってくることができ、それぞれにとって素晴らしい経験になったのではないかと思います」  ――役場庁舎改築の進捗状況について。  「新築工事・改築工事共に順調に進んでおり、新南棟庁舎が完成し、5月29日から供用開始となりました。以前の庁舎よりも利便性が向上し、村民の方々からの評判も上々です。現在は旧庁舎の改築を進めており、来年1月中旬の竣工を予定しています」  ――移住・定住促進の取り組みについて。  「今年度は移住・定住パンフレットを作成し、村の分譲地販売と併せてPRを行っているほか、関東圏でのイベントにも参加しています。ほかにも、若い世代に向け、移住・定住支援事業や結婚新生活支援事業について周知していきたいと考えており、条件によっては村から補助金が交付されるので、そうした部分でも魅力ある住環境をアピールしていきます。本村は全国に先駆けて保育所・幼稚園の保育料完全無料化、小・中学校の給食費全額無料化を実施しているので、充実した子育て支援の面でもアピールしていく考えです」  ――4月に第6次総合振興計画を策定しました。  「『みんなが輝らめく 豊かな なかじまむら』を将来像に掲げ、ひと(社会)・くらし(環境)・しごと(経済)3つの基本理念に基づく施策を実施していきます。赤ちゃんから高齢者まで、誰一人取り残さない、全ての人がいきいきと生活を送ることができ、輝く笑顔あふれる村『ひと(社会)』、豊かな自然を大事にするとともに、ライフラインの整備に努め、安心して暮らすことができる環境を整える『くらし(環境)』、村内企業との連携、企業誘致、基幹産業である農業を守り、村民が豊かさを実感できる村づくり『しごと(経済)』を目指して取り組んでいきます」  ――今後の重点事業について。  「公共事業長寿命化計画等に基づき、中学校や公営住宅、農道などの長寿命化を図っていくほか、災害対策として、ため池浚渫や雨水を阿武隈川に排水する排水ポンプ設置工事を進めています。ほかにも、中島村健康づくり交流センター輝らフィットを活用した健康づくり、介護予防の充実、地域おこし協力隊の活用などを含めた新規就農者支援の体制づくりを進めていく考えです」

  • 【中島村】加藤幸一村長インタビュー

    【中島村】加藤幸一村長インタビュー

     かとう・こういち 1952年生まれ。岩瀬農業高卒。JAしらかわ理事、中島村農業委員などを歴任し、2004年から村議を2期務める。2010年9月の村長選で初当選。今年9月の村長選で4選を果たした。  ――2022年9月の村長選で1953票を獲得し4選を果たしました。現在の率直な感想は。 「前回、無投票でしたが、今回は8年ぶりの選挙戦となりました。この間支持者の年齢構成は変化しており、苦労した選挙戦だったというのが正直なところです。 選挙期間は新型コロナウイルス感染の〝第7波〟のピークに当たってしまい、公開討論会や総決起大会などは開けませんでした。村民に直接公約などを訴える機会が少なくなったのは残念でしたが、少しでも村民との対話の機会を設けたいと考え、感染対策に気を使いながら、各地域を歩きました。 おかげ様で再選させていただきましたが、投票率は8年前を10ポイント以上も下回る結果となりました。コロナ禍真っ只中の選挙だったことに加え、選挙権年齢が18歳以上となった影響も大きいです。住民票の住所は村内にあっても、進学などで県外に在住している若者が投票できず、投票率が低下したとの指摘もあります。そういう意味で、選挙をめぐる課題は多いと感じました」 ――選挙戦ではどのようなことを訴えたのでしょうか。 「最も強く訴えたのは少子化対策と子育て支援の充実です。保護者の経済負担を軽減する観点から、国に先駆けて保育所・幼稚園の給食費を含む保育料の無償化を実現しました。今年度からは、小学校から中学校までの学校給食費無料化も実施しています。 2017(平成29)年に開設した『児童館輝らキッズ』は、日中保護者がいない家庭の児童・生徒が安全で快適に過ごせる場所として高い評価を得ています。保護者にとっても安心して働けると思います。今後も運営を継続していきたいと考えています。 併せて児童・生徒の学力向上を目指し、教育費を増額してきました。具体的には、『ほめて伸ばす』を基本理念に掲げ、教育委員会を中心に幼稚園、小学校、中学校が緊密に連携し、それぞれの教育課程で連携会議を定期的に実施しています。その成果もあってか、学力は以前に比べて着実に向上しており、小中学生を対象とした全国学力テストの点数では全国平均を上回っている教科も見られます。 ICT教育も推進したいと考え、村内の全小中学生にタブレットを配布し、村独自の取り組みとしてICT支援員を各校に配置するなど、教師と一体となって指導体制の充実を図っています。 このほか、グローバル化を見据えて中学生のマレーシアへの修学旅行も実施してきましたが、現在はコロナ禍で中断しています。感染状況を注視しながら、来年度の再開に向けて準備を進めていく予定です。 人口減少対策にも取り組みます。住宅地13区画を造成し、すでに6区画が分譲済みとなっています。村外からの移住者も多く、できるだけ早い完売を目指しながら、さらなる総合的な施策を実施し、移住定住者の増加を図っていきます。 村民の健康づくり、高齢者の介護予防事業の充実も図っていきます。健康診査受診率向上はもちろん、専門のトレーナーを配置した『健康づくり交流センター輝らフィット』を整備するなど、介護予防にも積極的に取り組んできました。介護保険料が県内で2番目に低い金額となるなど、その効果の大きさを実感しています。 新型コロナウイルス感染対策は最重要課題です。4回目のワクチン接種が始まりましたが、国・県と緊密に連絡を取りながら、感染対策に取り組んでいきます」 ――ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響で物価高となっています。村としての対策は。 「コロナ禍に加えて、物価高が発生したことで経済はすっかり冷え込んでおり、村内の商店の売り上げは落ち込んでいます。村では商工会に対し、継続して補助金を交付しているほか、『輝らめき商品券』事業第3弾として、臨時交付金を利用して村民に一人当たり1万円分の商品券を配布しました。ガソリン価格高騰を受け、事業者には30万円を限度に助成する事業も行っています。今後もプレミアム商品券の販売といった形で支援を継続したいと考えています」 ――役場庁舎改築の進捗状況は。 「8月から工事が始まり、来年5月に1期工事が完了します。2024(令和6)年完成予定です。現庁舎は手狭で災害発生時に防災拠点として使用するのは困難でした。バリアフリーにも対応しておらず、期日前投票などの際には非常に心苦しく感じていました。そこで新たにエレベーターを設置するほか、来庁者が気軽に使用できるトイレ、職員用の休憩室・更衣室といった設備も設けます。 物価高の影響により、原材料費が高騰していますが、村長就任時から基金を10億円以上積み増して準備してきました。市町村役場機能保全緊急対策事業という国の起債事業を利用して建設しており、通常の庁舎建設に比べて村負担は少なく済むと思います」インフラ整備に注力する ――今後取り組んでいきたい重点事業について。 「村長に就任してから令和元年東日本台風などの水害により、代畑・松崎地区が2度にわたって大きな被害を受けました。そこで内水を阿武隈川に放出する排水ポンプの設置に向けて準備を進めています。来年度設置を目指し、準備が整い次第、早急に着工したいと思います。 また、継続事業ではありますが、農道・村道の長寿命化といったインフラ整備をさらに進めていきます。選挙期間中にも住民から多く要望があがった事業です。 私自身の選挙公約にも『社会資本インフラ整備等の地域格差解消に向けて光が一隅を照らすことができる村政』と掲げ、きめ細かい政策を訴えてきました。公約実現のためにも、未整備個所の整備や長寿命化に向けて取り組んでいきます。 村内の農業所得は県内でもトップクラスです。認定農業者への農地の流動化も加速しており、新規農業者支援制度もスタートしています。こうした流れをうまく活用し、遊休農地解消につなげていきたいと考えています」 ――今後の抱負。 「村政に対する村民の皆さんの要望は複雑・多岐にわたります。4期目を終えたとき、村民の皆さんに『村長職を託してよかった』と言われるような村政を執行していきたいと思います。もう一度原点に戻り、足元を見つめ直して、村に何が必要なのか職員と一緒になって考えていきます。来年度からは第6次中島村総合振興計画が始まります。その実現を目指しつつ、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた村づくりを進めていきたいですね」 中島村ホームページ 政経東北【2022年11月号】

  • 【中島村】加藤幸一町長インタビュー【2023.11】

    かとう・こういち 1952年生まれ。岩瀬農業高卒。JAしらかわ理事などを歴任し、2004年から村議2期。2010年9月の村長選で初当選。昨年9月の村長選で4選を果たす。 ひと・くらし・しごとを基本理念に施策を実施。  ――新型コロナウイルスの5類移行の影響について。  「5類移行後は各地区の行事が再開されるなど、コロナ禍前の日常に戻りつつあります。また、中断していた中学3年生のマレーシアへの修学旅行も4年ぶりに再開され、生徒各自が感染対策を徹底したおかげで無事に帰ってくることができ、それぞれにとって素晴らしい経験になったのではないかと思います」  ――役場庁舎改築の進捗状況について。  「新築工事・改築工事共に順調に進んでおり、新南棟庁舎が完成し、5月29日から供用開始となりました。以前の庁舎よりも利便性が向上し、村民の方々からの評判も上々です。現在は旧庁舎の改築を進めており、来年1月中旬の竣工を予定しています」  ――移住・定住促進の取り組みについて。  「今年度は移住・定住パンフレットを作成し、村の分譲地販売と併せてPRを行っているほか、関東圏でのイベントにも参加しています。ほかにも、若い世代に向け、移住・定住支援事業や結婚新生活支援事業について周知していきたいと考えており、条件によっては村から補助金が交付されるので、そうした部分でも魅力ある住環境をアピールしていきます。本村は全国に先駆けて保育所・幼稚園の保育料完全無料化、小・中学校の給食費全額無料化を実施しているので、充実した子育て支援の面でもアピールしていく考えです」  ――4月に第6次総合振興計画を策定しました。  「『みんなが輝らめく 豊かな なかじまむら』を将来像に掲げ、ひと(社会)・くらし(環境)・しごと(経済)3つの基本理念に基づく施策を実施していきます。赤ちゃんから高齢者まで、誰一人取り残さない、全ての人がいきいきと生活を送ることができ、輝く笑顔あふれる村『ひと(社会)』、豊かな自然を大事にするとともに、ライフラインの整備に努め、安心して暮らすことができる環境を整える『くらし(環境)』、村内企業との連携、企業誘致、基幹産業である農業を守り、村民が豊かさを実感できる村づくり『しごと(経済)』を目指して取り組んでいきます」  ――今後の重点事業について。  「公共事業長寿命化計画等に基づき、中学校や公営住宅、農道などの長寿命化を図っていくほか、災害対策として、ため池浚渫や雨水を阿武隈川に排水する排水ポンプ設置工事を進めています。ほかにも、中島村健康づくり交流センター輝らフィットを活用した健康づくり、介護予防の充実、地域おこし協力隊の活用などを含めた新規就農者支援の体制づくりを進めていく考えです」

  • 【中島村】加藤幸一村長インタビュー

     かとう・こういち 1952年生まれ。岩瀬農業高卒。JAしらかわ理事、中島村農業委員などを歴任し、2004年から村議を2期務める。2010年9月の村長選で初当選。今年9月の村長選で4選を果たした。  ――2022年9月の村長選で1953票を獲得し4選を果たしました。現在の率直な感想は。 「前回、無投票でしたが、今回は8年ぶりの選挙戦となりました。この間支持者の年齢構成は変化しており、苦労した選挙戦だったというのが正直なところです。 選挙期間は新型コロナウイルス感染の〝第7波〟のピークに当たってしまい、公開討論会や総決起大会などは開けませんでした。村民に直接公約などを訴える機会が少なくなったのは残念でしたが、少しでも村民との対話の機会を設けたいと考え、感染対策に気を使いながら、各地域を歩きました。 おかげ様で再選させていただきましたが、投票率は8年前を10ポイント以上も下回る結果となりました。コロナ禍真っ只中の選挙だったことに加え、選挙権年齢が18歳以上となった影響も大きいです。住民票の住所は村内にあっても、進学などで県外に在住している若者が投票できず、投票率が低下したとの指摘もあります。そういう意味で、選挙をめぐる課題は多いと感じました」 ――選挙戦ではどのようなことを訴えたのでしょうか。 「最も強く訴えたのは少子化対策と子育て支援の充実です。保護者の経済負担を軽減する観点から、国に先駆けて保育所・幼稚園の給食費を含む保育料の無償化を実現しました。今年度からは、小学校から中学校までの学校給食費無料化も実施しています。 2017(平成29)年に開設した『児童館輝らキッズ』は、日中保護者がいない家庭の児童・生徒が安全で快適に過ごせる場所として高い評価を得ています。保護者にとっても安心して働けると思います。今後も運営を継続していきたいと考えています。 併せて児童・生徒の学力向上を目指し、教育費を増額してきました。具体的には、『ほめて伸ばす』を基本理念に掲げ、教育委員会を中心に幼稚園、小学校、中学校が緊密に連携し、それぞれの教育課程で連携会議を定期的に実施しています。その成果もあってか、学力は以前に比べて着実に向上しており、小中学生を対象とした全国学力テストの点数では全国平均を上回っている教科も見られます。 ICT教育も推進したいと考え、村内の全小中学生にタブレットを配布し、村独自の取り組みとしてICT支援員を各校に配置するなど、教師と一体となって指導体制の充実を図っています。 このほか、グローバル化を見据えて中学生のマレーシアへの修学旅行も実施してきましたが、現在はコロナ禍で中断しています。感染状況を注視しながら、来年度の再開に向けて準備を進めていく予定です。 人口減少対策にも取り組みます。住宅地13区画を造成し、すでに6区画が分譲済みとなっています。村外からの移住者も多く、できるだけ早い完売を目指しながら、さらなる総合的な施策を実施し、移住定住者の増加を図っていきます。 村民の健康づくり、高齢者の介護予防事業の充実も図っていきます。健康診査受診率向上はもちろん、専門のトレーナーを配置した『健康づくり交流センター輝らフィット』を整備するなど、介護予防にも積極的に取り組んできました。介護保険料が県内で2番目に低い金額となるなど、その効果の大きさを実感しています。 新型コロナウイルス感染対策は最重要課題です。4回目のワクチン接種が始まりましたが、国・県と緊密に連絡を取りながら、感染対策に取り組んでいきます」 ――ロシアによるウクライナ侵攻や円安などの影響で物価高となっています。村としての対策は。 「コロナ禍に加えて、物価高が発生したことで経済はすっかり冷え込んでおり、村内の商店の売り上げは落ち込んでいます。村では商工会に対し、継続して補助金を交付しているほか、『輝らめき商品券』事業第3弾として、臨時交付金を利用して村民に一人当たり1万円分の商品券を配布しました。ガソリン価格高騰を受け、事業者には30万円を限度に助成する事業も行っています。今後もプレミアム商品券の販売といった形で支援を継続したいと考えています」 ――役場庁舎改築の進捗状況は。 「8月から工事が始まり、来年5月に1期工事が完了します。2024(令和6)年完成予定です。現庁舎は手狭で災害発生時に防災拠点として使用するのは困難でした。バリアフリーにも対応しておらず、期日前投票などの際には非常に心苦しく感じていました。そこで新たにエレベーターを設置するほか、来庁者が気軽に使用できるトイレ、職員用の休憩室・更衣室といった設備も設けます。 物価高の影響により、原材料費が高騰していますが、村長就任時から基金を10億円以上積み増して準備してきました。市町村役場機能保全緊急対策事業という国の起債事業を利用して建設しており、通常の庁舎建設に比べて村負担は少なく済むと思います」インフラ整備に注力する ――今後取り組んでいきたい重点事業について。 「村長に就任してから令和元年東日本台風などの水害により、代畑・松崎地区が2度にわたって大きな被害を受けました。そこで内水を阿武隈川に放出する排水ポンプの設置に向けて準備を進めています。来年度設置を目指し、準備が整い次第、早急に着工したいと思います。 また、継続事業ではありますが、農道・村道の長寿命化といったインフラ整備をさらに進めていきます。選挙期間中にも住民から多く要望があがった事業です。 私自身の選挙公約にも『社会資本インフラ整備等の地域格差解消に向けて光が一隅を照らすことができる村政』と掲げ、きめ細かい政策を訴えてきました。公約実現のためにも、未整備個所の整備や長寿命化に向けて取り組んでいきます。 村内の農業所得は県内でもトップクラスです。認定農業者への農地の流動化も加速しており、新規農業者支援制度もスタートしています。こうした流れをうまく活用し、遊休農地解消につなげていきたいと考えています」 ――今後の抱負。 「村政に対する村民の皆さんの要望は複雑・多岐にわたります。4期目を終えたとき、村民の皆さんに『村長職を託してよかった』と言われるような村政を執行していきたいと思います。もう一度原点に戻り、足元を見つめ直して、村に何が必要なのか職員と一緒になって考えていきます。来年度からは第6次中島村総合振興計画が始まります。その実現を目指しつつ、ウィズコロナ、アフターコロナを見据えた村づくりを進めていきたいですね」 中島村ホームページ 政経東北【2022年11月号】