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伊達市議会

  • 【伊達市議会】物議を醸す【佐藤栄治】議員の言動

     伊達市議会の佐藤栄治市議(60、2期)が昨年12月の定例会議(同市議会は2021年5月から通年議会制を導入)で一般質問した際、執行部が不適切発言であることを指摘するシーンがあった。佐藤市議は以前から一般質問で非常識な言動を繰り返しており、「この機会に徹底的に責任追及すべき」との声も聞かれる。 執行部の〝不適切発言〟指摘に本人反論 建設中のバイオマス発電所  昨年12月の市議会定例会議の一般質問。動画が同市議会のホームページで公開されているが、12月5日に行われた佐藤栄治市議の分だけ「調整中」となっている。市議会事務局によると「固有名詞を出している個所があり、確認を進めている。まだ公表できる段階ではない」という。 事前に提出していた通告によると、佐藤市議は①厚労省勧告に基づく伊達市救急指定病院の再編について、②梁川バイオマス発電事業者の原材料運搬方法等について――の2点について質問した。佐藤市議や傍聴者によると、物議を醸したのは②の質問だった。 同市梁川町の工業団地・梁川テクノパークでは、バイオマス発電所の建設が計画されている。事業者はログ(群馬県、金田彰社長)。資本金2000万円。民間信用調査機関によると、2022年7月期の売上高20億0800万円、当期純利益3億2514万円。 同発電所をめぐっては、▽木材だけでなく建築廃材や廃プラスチックも焼却される、▽バイオマス事業のガイドラインを無視し、住民への十分な説明がない、▽ダイオキシンの発生などが懸念される――等々の理由から、梁川町を中心に反対の声があがっている。住民などによる「梁川地域市民のくらしと命を守る会」が組織されており、本誌では2021年6月号「バイオマス計画で揺れる伊達市梁川町」をはじめ、たびたび報じてきた経緯がある。 予定地にはすでに発電所の大きな建物が建てられており、今年秋には試運転が始まる予定だ。 佐藤市議が着目したのは、そんなバイオマス発電所の建設に伴い、重さ20㌧超のトレーラーが1日何台も市道を通る点だった。 道路法では道路を通行する車両の重さの最高限度(一般的制限値)を20㌧と定めており、それ以上の重さの「特殊車両」は道路管理者の道路使用許可を取る必要がある。 一般質問ではそのことを説明した上で、「ログ社の車は20㌧以上が多いようだ。国見町では補修中の徳江大橋の通行を20㌧以下に制限し、ふくしま市町村支援機構もそのように指導する流れとなっている。伊達市側の市道も許可なしで通行させるべきではないのではないか」と指摘した。 「国見町は国見町。伊達市は伊達市の方針で進める」といった趣旨の答弁に終始する執行部に対し、「間もなく市町村支援機構が正式に方針を示し、国見町も従うだろう」と佐藤市議が返した。そうしたところ、執行部が反問権を行使し、「公式かつ確定した話でもないのに、議会で紹介するのか。不適切発言ではないか」と答弁したという。 後日、執行部から市議会に、正確な情報に基づく議会運営を求める申し入れがあったという。当の佐藤氏はワクチン接種に伴う体調不良を理由に12月定例会議の最終日を欠席し、採決に加わらなかった。 市議会では以前から佐藤氏の行き過ぎた発言が問題視されており、一部市議の間では「今回の件はさすがに看過できない。議会として明確に意思表示し、何らかの形で責任を問う必要があるのではないか」という声が強まっているようだ。 伊達市議会では議員政治倫理条例が2016年9月に施行されている。同条例では《市民を代表する機関の一員として、高い倫理観と良識を持ち、議会の権威と品位を重んじるとともに、その秩序を保持し、議員に対する市民の揺るぎない信頼を得なければならない》としており、《市民全体の代表者として、名誉と品位を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれる恐れのある行為をしないこと》と定めている。 2019年9月には、同年6月定例会の全員協議会で半沢隆市議が同僚議員に侮辱的発言をしたとして、政治倫理審査会が開催され、当該発言の謝罪と撤回を行っている。 市議会事務局に問い合わせたところ、事務局長は政倫審の手続きが進められているかどうかも含めて、コメントを控え、「現在議会内で対応を検討しているが、公表する段階ではない」と話した。複数の市議に問い合わせても口をつぐんだが、議会での過去の発言を検証しているのは間違いないようなので、近いうちに何らかの発表がありそうだ。 過去にも危うい言動 佐藤栄治伊達市議  「市民にはあまり知られていないが、佐藤市議の危うい言動は今に始まったことではない」と語るのは市内の事情通。 「伊達市議の名刺を示し、まるで市の代表者のような雰囲気で、国や県の出先機関、近隣市町村の役場、企業、団体などに顔を出す。複数の知り合いから『先日、佐藤市議が突然うちの事務所に来た。何なんですかあの人は』と戸惑う声を聞いている。建設業者を引き連れて市役所に行ったり、自分の見立てを国や県の考えのように話すなど、かなり危うい言動もみられる。実際に一般質問で思い込みの発言をしてしまい、議事録から関連発言が削除されることもありました」(同) 例えば2020年3月定例会の一般質問。入札参加資格建設業者の実態調査の問題点を指摘した際、佐藤市議はこのように話している。 《結論から申し上げますと、県からはまだ言わないようにと言われているのですけれども、間もなく伊達市の、具体的に言うと財務部の契約検査室、ここに県の立入調査が入ります。容疑と言ったらおかしいけれども、容疑は建設業法違反の入札を認めていたということで、立入調査に何人かで来るというふうに県からは聞いております》 市財政課契約検察係(※当時から部署名が変更した)に確認したところ、その後、県の立ち入り調査が行われた事実はなかったという。 議会のホームページで公開されている2021年度の政務活動費収支では、年間36万円が支給され、29万6653円を支出したことが記されている。2021年11月には「伊達市の企業誘致についての懇談」という目的で経済産業省に行っている(旅費2万1117円)。 報告書には活動の内容及び成果として「経産省の企業立地補助及び産業政策のアドバイス及び個別企業等へのコンタクトのアドバイス」と書かれていたが、「一人で経産省に行って懇談して、どう企業誘致につながるのか」といぶかしむ声も聞かれる。何ともうさん臭さが拭えないのだ。 佐藤氏は1962(昭和37)年生まれ。保原高、福島大経済学部卒。実家は建設関連業の三共商事。本人の話によると、第一勧業銀行に入行後、顧客のつながりで政治家とのパイプが生まれ、元衆院議員・元岡山市長の萩原誠司氏の秘書を務めた。髙橋一由・伊達市議が同市長選に立候補した際には陣営の事務局長を務めている。昨年4月の市議選(定数22)では、629票を獲得し、22位で再選を果たした。 本誌では2019年7月号「伊達市の新人議員2氏に経歴詐称疑惑」という記事で佐藤氏についてリポートした。①同市保原町大柳に自宅があるが、実際は同市南堀(旧伊達町)の妻の実家で生活している、②保原高卒なのに周囲に福島高卒と話している――という点で疑惑が浮上していることを報じたもの。 本誌取材に対し、佐藤氏は「旧伊達町の妻の実家には夕飯を食べに行っているだけで、夜は保原町の自宅で寝泊まりしている。住民票も保原町に置いている。出身高校は保原高校で、福島高校卒業なんて言った覚えはない。私は福島大学卒業なので、それと勘違いして第三者が勝手に(福島高校卒業と)思い込んでいるだけではないか」と主張した。  12月の定例会議のやり取りが物議を醸している件について、本人はどう受け止めているのか。保原町の自宅にいた佐藤市議に話を聞いた。   ×  ×  ×  × ――12月の定例会議が物議を醸している。 「『梁川地域市民のくらしと命を守る会』から相談され、調べているうちに、道路法の観点が抜け落ちたまま工事が進められていることに気付いた。『守る会』のメンバーとともに国見町に足を運び、徳江大橋の件も確認した。一般質問3日後の12月8日には国見町が徳江大橋の特殊車両通行禁止を発表した。間違いではなかったことになる。道路法では、『2つの自治体にまたがる道路の場合は協議して対応を決める』と定められているが、市はどう対応するつもりなのか」 ――市議の中では不適切発言の責任を問う声もあるようだが。 「倫理問題調査会が立ち上げられ、調査に協力したが、自分の発言は正当性があると考えている。そもそも同調査会は法的には何の権限もないはず。道路法をめぐる問題は引き続き議会で追及していきたい」 ――一般質問で固有名詞を出し、公式発言ではない発言を紹介することも多い。そうした発言が不適切と受け止められるのではないか。実際、議事録から削除されている個所も多く見かけた。 「裏取りに行って具体的な話を聞いたので議場で紹介しているだけのこと。過去の経歴の中で、霞が関や県庁、経済人などに同級生・友人がいる。調査している件や疑問点があれば、具体的な話を聞きに行く」   ×  ×  ×  × 今回の不適切発言だけでなく過去の質問も問題視されているのに、「そんなの関係ねえ」と言わんばかりの態度なのだ。こうした振る舞いを看過すれば、議会全体が信頼を失いかねないが、議会は追及できるか。 経済人やマスコミ関係者などとのつながりがある〝情報通〟であり、一般質問では法律・条令に基づきさまざまな角度から執行部を鋭く批判する――佐藤市議に関してはこうした評価も耳にするが、一方で、議員らしからぬ〝きな臭いウワサ〟も囁かれている。地元住民や政治家経験者からは「自分のことしか考えていない。地元で応援している人は少ない」と辛辣な評判が聞かれた。もっとも、本人はそうした声すら気にせず、開き直って暴走するタイプに見える。 市議会をウオッチングしている市内の経済人は「徹底追及は難しいのではないか」と見る。 「一般質問での内容が事実と違った件は『自分は確かにそう聞いた』と主張されれば追及しようがない。かつて一緒に行動していたり、政策面で共闘しているなどの理由で、批判し切れない市議もいるだろう。一人の政治家を徹底追及するのは容易ではない。議長が注意して幕引きとする可能性もある」 2023年第1回定例会議は3月14日まで開催される予定で、大きな動きがあるのは会期終了後になりそう。果たして議会はどのような判断をするのか、そして佐藤市議はどう受け止めるのか。

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     伊達市議会の佐藤栄治市議(60、2期)が昨年12月の定例会議(同市議会は2021年5月から通年議会制を導入)で一般質問した際、執行部が不適切発言であることを指摘するシーンがあった。佐藤市議は以前から一般質問で非常識な言動を繰り返しており、「この機会に徹底的に責任追及すべき」との声も聞かれる。 執行部の〝不適切発言〟指摘に本人反論 建設中のバイオマス発電所  昨年12月の市議会定例会議の一般質問。動画が同市議会のホームページで公開されているが、12月5日に行われた佐藤栄治市議の分だけ「調整中」となっている。市議会事務局によると「固有名詞を出している個所があり、確認を進めている。まだ公表できる段階ではない」という。 事前に提出していた通告によると、佐藤市議は①厚労省勧告に基づく伊達市救急指定病院の再編について、②梁川バイオマス発電事業者の原材料運搬方法等について――の2点について質問した。佐藤市議や傍聴者によると、物議を醸したのは②の質問だった。 同市梁川町の工業団地・梁川テクノパークでは、バイオマス発電所の建設が計画されている。事業者はログ(群馬県、金田彰社長)。資本金2000万円。民間信用調査機関によると、2022年7月期の売上高20億0800万円、当期純利益3億2514万円。 同発電所をめぐっては、▽木材だけでなく建築廃材や廃プラスチックも焼却される、▽バイオマス事業のガイドラインを無視し、住民への十分な説明がない、▽ダイオキシンの発生などが懸念される――等々の理由から、梁川町を中心に反対の声があがっている。住民などによる「梁川地域市民のくらしと命を守る会」が組織されており、本誌では2021年6月号「バイオマス計画で揺れる伊達市梁川町」をはじめ、たびたび報じてきた経緯がある。 予定地にはすでに発電所の大きな建物が建てられており、今年秋には試運転が始まる予定だ。 佐藤市議が着目したのは、そんなバイオマス発電所の建設に伴い、重さ20㌧超のトレーラーが1日何台も市道を通る点だった。 道路法では道路を通行する車両の重さの最高限度(一般的制限値)を20㌧と定めており、それ以上の重さの「特殊車両」は道路管理者の道路使用許可を取る必要がある。 一般質問ではそのことを説明した上で、「ログ社の車は20㌧以上が多いようだ。国見町では補修中の徳江大橋の通行を20㌧以下に制限し、ふくしま市町村支援機構もそのように指導する流れとなっている。伊達市側の市道も許可なしで通行させるべきではないのではないか」と指摘した。 「国見町は国見町。伊達市は伊達市の方針で進める」といった趣旨の答弁に終始する執行部に対し、「間もなく市町村支援機構が正式に方針を示し、国見町も従うだろう」と佐藤市議が返した。そうしたところ、執行部が反問権を行使し、「公式かつ確定した話でもないのに、議会で紹介するのか。不適切発言ではないか」と答弁したという。 後日、執行部から市議会に、正確な情報に基づく議会運営を求める申し入れがあったという。当の佐藤氏はワクチン接種に伴う体調不良を理由に12月定例会議の最終日を欠席し、採決に加わらなかった。 市議会では以前から佐藤氏の行き過ぎた発言が問題視されており、一部市議の間では「今回の件はさすがに看過できない。議会として明確に意思表示し、何らかの形で責任を問う必要があるのではないか」という声が強まっているようだ。 伊達市議会では議員政治倫理条例が2016年9月に施行されている。同条例では《市民を代表する機関の一員として、高い倫理観と良識を持ち、議会の権威と品位を重んじるとともに、その秩序を保持し、議員に対する市民の揺るぎない信頼を得なければならない》としており、《市民全体の代表者として、名誉と品位を損なうような一切の行為を慎み、その職務に関して不正の疑惑を持たれる恐れのある行為をしないこと》と定めている。 2019年9月には、同年6月定例会の全員協議会で半沢隆市議が同僚議員に侮辱的発言をしたとして、政治倫理審査会が開催され、当該発言の謝罪と撤回を行っている。 市議会事務局に問い合わせたところ、事務局長は政倫審の手続きが進められているかどうかも含めて、コメントを控え、「現在議会内で対応を検討しているが、公表する段階ではない」と話した。複数の市議に問い合わせても口をつぐんだが、議会での過去の発言を検証しているのは間違いないようなので、近いうちに何らかの発表がありそうだ。 過去にも危うい言動 佐藤栄治伊達市議  「市民にはあまり知られていないが、佐藤市議の危うい言動は今に始まったことではない」と語るのは市内の事情通。 「伊達市議の名刺を示し、まるで市の代表者のような雰囲気で、国や県の出先機関、近隣市町村の役場、企業、団体などに顔を出す。複数の知り合いから『先日、佐藤市議が突然うちの事務所に来た。何なんですかあの人は』と戸惑う声を聞いている。建設業者を引き連れて市役所に行ったり、自分の見立てを国や県の考えのように話すなど、かなり危うい言動もみられる。実際に一般質問で思い込みの発言をしてしまい、議事録から関連発言が削除されることもありました」(同) 例えば2020年3月定例会の一般質問。入札参加資格建設業者の実態調査の問題点を指摘した際、佐藤市議はこのように話している。 《結論から申し上げますと、県からはまだ言わないようにと言われているのですけれども、間もなく伊達市の、具体的に言うと財務部の契約検査室、ここに県の立入調査が入ります。容疑と言ったらおかしいけれども、容疑は建設業法違反の入札を認めていたということで、立入調査に何人かで来るというふうに県からは聞いております》 市財政課契約検察係(※当時から部署名が変更した)に確認したところ、その後、県の立ち入り調査が行われた事実はなかったという。 議会のホームページで公開されている2021年度の政務活動費収支では、年間36万円が支給され、29万6653円を支出したことが記されている。2021年11月には「伊達市の企業誘致についての懇談」という目的で経済産業省に行っている(旅費2万1117円)。 報告書には活動の内容及び成果として「経産省の企業立地補助及び産業政策のアドバイス及び個別企業等へのコンタクトのアドバイス」と書かれていたが、「一人で経産省に行って懇談して、どう企業誘致につながるのか」といぶかしむ声も聞かれる。何ともうさん臭さが拭えないのだ。 佐藤氏は1962(昭和37)年生まれ。保原高、福島大経済学部卒。実家は建設関連業の三共商事。本人の話によると、第一勧業銀行に入行後、顧客のつながりで政治家とのパイプが生まれ、元衆院議員・元岡山市長の萩原誠司氏の秘書を務めた。髙橋一由・伊達市議が同市長選に立候補した際には陣営の事務局長を務めている。昨年4月の市議選(定数22)では、629票を獲得し、22位で再選を果たした。 本誌では2019年7月号「伊達市の新人議員2氏に経歴詐称疑惑」という記事で佐藤氏についてリポートした。①同市保原町大柳に自宅があるが、実際は同市南堀(旧伊達町)の妻の実家で生活している、②保原高卒なのに周囲に福島高卒と話している――という点で疑惑が浮上していることを報じたもの。 本誌取材に対し、佐藤氏は「旧伊達町の妻の実家には夕飯を食べに行っているだけで、夜は保原町の自宅で寝泊まりしている。住民票も保原町に置いている。出身高校は保原高校で、福島高校卒業なんて言った覚えはない。私は福島大学卒業なので、それと勘違いして第三者が勝手に(福島高校卒業と)思い込んでいるだけではないか」と主張した。  12月の定例会議のやり取りが物議を醸している件について、本人はどう受け止めているのか。保原町の自宅にいた佐藤市議に話を聞いた。   ×  ×  ×  × ――12月の定例会議が物議を醸している。 「『梁川地域市民のくらしと命を守る会』から相談され、調べているうちに、道路法の観点が抜け落ちたまま工事が進められていることに気付いた。『守る会』のメンバーとともに国見町に足を運び、徳江大橋の件も確認した。一般質問3日後の12月8日には国見町が徳江大橋の特殊車両通行禁止を発表した。間違いではなかったことになる。道路法では、『2つの自治体にまたがる道路の場合は協議して対応を決める』と定められているが、市はどう対応するつもりなのか」 ――市議の中では不適切発言の責任を問う声もあるようだが。 「倫理問題調査会が立ち上げられ、調査に協力したが、自分の発言は正当性があると考えている。そもそも同調査会は法的には何の権限もないはず。道路法をめぐる問題は引き続き議会で追及していきたい」 ――一般質問で固有名詞を出し、公式発言ではない発言を紹介することも多い。そうした発言が不適切と受け止められるのではないか。実際、議事録から削除されている個所も多く見かけた。 「裏取りに行って具体的な話を聞いたので議場で紹介しているだけのこと。過去の経歴の中で、霞が関や県庁、経済人などに同級生・友人がいる。調査している件や疑問点があれば、具体的な話を聞きに行く」   ×  ×  ×  × 今回の不適切発言だけでなく過去の質問も問題視されているのに、「そんなの関係ねえ」と言わんばかりの態度なのだ。こうした振る舞いを看過すれば、議会全体が信頼を失いかねないが、議会は追及できるか。 経済人やマスコミ関係者などとのつながりがある〝情報通〟であり、一般質問では法律・条令に基づきさまざまな角度から執行部を鋭く批判する――佐藤市議に関してはこうした評価も耳にするが、一方で、議員らしからぬ〝きな臭いウワサ〟も囁かれている。地元住民や政治家経験者からは「自分のことしか考えていない。地元で応援している人は少ない」と辛辣な評判が聞かれた。もっとも、本人はそうした声すら気にせず、開き直って暴走するタイプに見える。 市議会をウオッチングしている市内の経済人は「徹底追及は難しいのではないか」と見る。 「一般質問での内容が事実と違った件は『自分は確かにそう聞いた』と主張されれば追及しようがない。かつて一緒に行動していたり、政策面で共闘しているなどの理由で、批判し切れない市議もいるだろう。一人の政治家を徹底追及するのは容易ではない。議長が注意して幕引きとする可能性もある」 2023年第1回定例会議は3月14日まで開催される予定で、大きな動きがあるのは会期終了後になりそう。果たして議会はどのような判断をするのか、そして佐藤市議はどう受け止めるのか。