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競走馬施設

  • 全容が報じられた浪江町・競走馬施設計画【浪江町末森地区】

    全容が報じられた浪江町・競走馬施設計画

     本誌昨年9月号に「浪江町末森地区に競走馬施設整備!?」という記事を掲載した。記事のポイントは以下のようなもの。 〇帰還困難区域の浪江町末森地区で、競走馬のトレーニング・リフレッシュ施設の整備計画が浮上している。 〇町産業振興課は「民間事業としてそういった話があるのは聞いたことがあるが、詳細は分かりません」とコメント。 〇県内には天栄村にも競走馬用のトレーニング・リフレッシュ施設がある。茨城県美浦村にある日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターから比較的近く、競走馬の疲れを癒したり、軽い調整を目的に利用されている。 吉田栄光町長も「町の復興やにぎわい創出につながる」と評価しており、その行方が注目されていたが、2月25日付の読売新聞県版で具体的な計画が報じられた。 記事によると、事業主体は2022年1月設立の娯楽業「Blooming Stables」(東京都中央区日本橋、吉谷憲一郎社長)。法人登記簿を確認したところ、資本金1000万円。事業目的は競走馬の生産、育成、調教、管理、売買など、すべて競走馬に関するものだった。 https://twitter.com/oak_tree_farm  吉谷氏はリフォーム・家電取り付け工事を手掛けるメディオテック(東京都新宿区新宿)で取締役を務めているほか、経営コンサルタント、不動産開発などの会社の社長になっていた。インターネットで名前を検索したところ、複数の競走馬(地方競馬)の馬主として表示された。 敷地面積約35㌶で、1000㍍のトラックと、1000㍍の坂路コースを整備予定。約500頭収容可能で、120人の雇用を見込んでいる。国の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」の活用を目指しており、①従業員とその家族の居住による人口増加、②肥料となる馬ふんの農家への提供、③乗馬体験などによる観光誘客――などで地域貢献を果たしていく考え。 開業目標は2026年4月。同社は昨年末から住民説明会を開いているそうだが、記事によると、地権者からは「帰還する考えはない。(生活に影響はないし土地を活用してくれるのはありがたいので)悪い話ではない」、「馬の鳴き声や臭いが気になる。せっかく自宅に戻れるのに騒がしくなってしまう」と賛否両論の意見が出ているようだ。 同社はホームページなどを開設しておらず、電話番号やメールなどを公表していないため、残念ながら連絡を取ることができなかった。どういう経緯で同町に整備することを決めたのかはもちろん、本誌昨年11月号で取り上げた山本幸一郎副議長とはどんな関わりがあるのかも気になるところ。 同町末森地区内には特定復興再生拠点区域が指定され、この間除染やインフラ整備が進められてきた。3月31日には室原・津島両地区の特定復興再生拠点区域とともに、避難指示が解除された。今後、住民帰還の動きが本格化し、復興の在り方が議論されるにつれて、競走馬施設の動向も注目を集めそうだ。 あわせて読みたい 悪評絶えない山本幸一郎【浪江町】副議長 【いわき市】サラブレッドの再起支える〝聖地〟【JRA競走馬リハビリテーションセンター】

  • 全容が報じられた浪江町・競走馬施設計画

     本誌昨年9月号に「浪江町末森地区に競走馬施設整備!?」という記事を掲載した。記事のポイントは以下のようなもの。 〇帰還困難区域の浪江町末森地区で、競走馬のトレーニング・リフレッシュ施設の整備計画が浮上している。 〇町産業振興課は「民間事業としてそういった話があるのは聞いたことがあるが、詳細は分かりません」とコメント。 〇県内には天栄村にも競走馬用のトレーニング・リフレッシュ施設がある。茨城県美浦村にある日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターから比較的近く、競走馬の疲れを癒したり、軽い調整を目的に利用されている。 吉田栄光町長も「町の復興やにぎわい創出につながる」と評価しており、その行方が注目されていたが、2月25日付の読売新聞県版で具体的な計画が報じられた。 記事によると、事業主体は2022年1月設立の娯楽業「Blooming Stables」(東京都中央区日本橋、吉谷憲一郎社長)。法人登記簿を確認したところ、資本金1000万円。事業目的は競走馬の生産、育成、調教、管理、売買など、すべて競走馬に関するものだった。 https://twitter.com/oak_tree_farm  吉谷氏はリフォーム・家電取り付け工事を手掛けるメディオテック(東京都新宿区新宿)で取締役を務めているほか、経営コンサルタント、不動産開発などの会社の社長になっていた。インターネットで名前を検索したところ、複数の競走馬(地方競馬)の馬主として表示された。 敷地面積約35㌶で、1000㍍のトラックと、1000㍍の坂路コースを整備予定。約500頭収容可能で、120人の雇用を見込んでいる。国の「自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金」の活用を目指しており、①従業員とその家族の居住による人口増加、②肥料となる馬ふんの農家への提供、③乗馬体験などによる観光誘客――などで地域貢献を果たしていく考え。 開業目標は2026年4月。同社は昨年末から住民説明会を開いているそうだが、記事によると、地権者からは「帰還する考えはない。(生活に影響はないし土地を活用してくれるのはありがたいので)悪い話ではない」、「馬の鳴き声や臭いが気になる。せっかく自宅に戻れるのに騒がしくなってしまう」と賛否両論の意見が出ているようだ。 同社はホームページなどを開設しておらず、電話番号やメールなどを公表していないため、残念ながら連絡を取ることができなかった。どういう経緯で同町に整備することを決めたのかはもちろん、本誌昨年11月号で取り上げた山本幸一郎副議長とはどんな関わりがあるのかも気になるところ。 同町末森地区内には特定復興再生拠点区域が指定され、この間除染やインフラ整備が進められてきた。3月31日には室原・津島両地区の特定復興再生拠点区域とともに、避難指示が解除された。今後、住民帰還の動きが本格化し、復興の在り方が議論されるにつれて、競走馬施設の動向も注目を集めそうだ。 あわせて読みたい 悪評絶えない山本幸一郎【浪江町】副議長 【いわき市】サラブレッドの再起支える〝聖地〟【JRA競走馬リハビリテーションセンター】