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鈴木和夫

  • 【白河市】鈴木和夫市長インタビュー

    【白河市】鈴木和夫市長インタビュー

    すずき・かずお 1949年生まれ。早稲田大法学部卒。県相双地方振興局長、県企業局長などを経て、2007年の白河市長選で初当選。今年7月に5選を果たす。  ――7月に行われた市長選挙で5選を果たしました。  「多くの市民の皆様の信任を賜り、5期目となる市政の舵取りを担わせていただくこととなりました。その重責に、あらためて身の引き締まる思いです。市民の声に耳を傾け、対話を重ね、信頼関係を築き、市政運営を進めるという初心を忘れず、子どもたちの明るい未来を築くため、直面する課題に一つひとつ丁寧に取り組んでいく考えです。  特に、想定をはるかに上回るスピードで進む人口減少への対応はまったなしの状況です。『少子化』が最大の要因であり、この状況を反転させるには、子育て環境の充実、経済的負担の軽減、さらには急増する未婚の解消など、様々な政策を組み合わせ、総合的に進めていかなければなりません。  中でも、未婚者の増加は大きな課題と考えています。わが国の婚姻の件数は、令和3年は50万組と約50年前の半分となり、戦後最少を更新しました。また、50歳時の未婚割合を示す『生涯未婚率』も令和2年には男性が28・3%、女性が17・8%と、女性より男性の方が高い傾向が続いており、40年で10倍に急上昇しています。こうした中、個人の価値観を尊重しつつ、結婚を希望する人には縁談のお世話をするような機運を社会全体で醸成していく必要があると考えています。市では、新たに『良縁めぐりあわせ応援窓口』を設置し、サポーターが悩み相談や相手の紹介など、かつての仲人のように婚活を支援する事業をスタートしました。  将来を担う若者の流出も、地方都市共通の悩みです。それを解決するには、安定した収入が見込め、将来の生活設計を描ける雇用の場が必要です。このため、地域に根を張る企業を支援することに加え、成長が見込める企業の誘致にも取り組み、地域の産業力を高めていく考えです。また、若者の中でも、特に女性の転出が多いことが大きな課題です。福島県は、昨年の転出超過が約6700人と全国ワースト3位でしたが、そのうち女性が約3900人でワースト2位でした。  県南地域は、県内の他地域と比較して製造業が非常に強い地域ですが、IT関連や研究開発型の成長産業の企業誘致を図るなど、進学等で一度白河を離れた若者が戻ってこられるような多彩な職場環境を整えることが重要になってくると考えています。加えて、女性が働きやすい環境づくりも大切です。日本はジェンダーギャップ指数が146カ国中125位と大変低く、特に地方では、『男は働き、女性は家を守る』という暗黙の役割分担が未だに根強く残っているように感じます。これが『女性の目に見えない障壁』として、女性の社会活躍を妨げる要因となっていると考えられるため、男女雇用機会均等法をはじめ諸制度を社会全体が理解し、機運を高め、その障壁を取り払っていくことが求められています。  そのためには、男女共同参画社会に対する認識を深め、定着させていく必要があり、市では、子育て時期の男性などを対象としたセミナーを実施するなど、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを推進する考えです」観光ステーションの効果  ――国道294号白河バイパスが2月に全線開通しました。  「本市を南北に縦断する国道294号白河バイパスの開通により、白河中央スマートインターチェンジ、国道4号、国道289号が一直線に結ばれました。多くの市民の皆様から通勤・通学時間が短くなった、スーパーへ行きやすくなったなど、バイパス開通を喜ぶ声が寄せられており、市民生活の利便性は格段に向上したと感じています。  また、物流や救急医療、観光誘客など各方面にわたり大きな効果が生まれており、白河のみならず県南地域の広域的な社会経済活動を支えています。特に、本市のシンボルである小峰城、南湖公園へのアクセスが良くなったことで、今後より一層多くの観光客が訪れるものと期待しています。このため、小峰城、南湖公園の持つ歴史的価値やポテンシャルをより一層引き出し、賑わいを創出していきたいと考えています」  ――観光面では4月、JR白河駅近くにしらかわ観光ステーションがオープンしました。  「本市には、南湖公園、白河関跡、関山や権太倉山、里山のすそ野に広がる田園風景など、四季折々の情緒漂う豊かな自然、さらには美肌の湯として有名なきつねうち温泉など、魅力あふれる観光資源が数多くあります。また、JR白河駅の周辺には、小峰城、旧城下町の街並みを残す中心市街地、明治天皇が宿泊された旧脇本陣柳家旅館蔵座敷など、歴史を感じさせる観光スポットが点在しています。こうした白河の魅力を伝え、リピーターになっていただけるよう、新たな観光拠点として、JR白河駅隣に『しらかわ観光ステーション』をゴールデンウイークの初めに開所しました。オープン以来、多くの観光客の皆様にお越しいただいていますが、白河ならではのおもてなしを提供できるよう日々努めています。  中でも、味や麺の種類など自分好みの白河ラーメンの店舗とその道筋にある観光資源を組み合わせた周遊プランを提案する『ラーメンデータベース』は、テレビなどでも取り上げられ、大変好評です。また、市内の事業者や店舗と連携し、様々な地元産品や地酒などを展示・販売しており、来場者にお買い求めいただいています。  今後は、『旅の始まりは観光ステーションから』をキーワードに、白河市から県南地域、さらには県境を越えて栃木県北地域の観光スポットを広域的に訪れていただけるよう、近隣の自治体などと連携を図りながら新たな仕掛けを講じていく考えです」  ――今後の抱負。  「少子高齢化・人口減少が急速に進む中、激動する世界情勢、食料の安全保障、エネルギー問題、情報通信技術の発達など、目まぐるしく時代は変化しています。さらに、コロナ禍により、首都圏に集中する人や企業の地方分散に向けた機運が生まれ、政府は『デジタル田園都市構想』を推進するなど、従来の東京一極集中から地方が主役となる時代への大きな転換期でもあります。だからこそ、首都圏からの近接性や交通の利便性、豊かな歴史や文化、自然環境など、足元にある恵まれた条件を生かし、さらには、DXやGXも推進しながら、産業、教育、子育て、医療に加え、文化芸術・スポーツなどバランスのとれた『誰もが身近な幸せ(Well-being)を実感し、〝自分らしく、いきいきと〟暮らしていけるまちづくり』を着実に進め、市民の皆様とともに、確かな未来を築いていきたいと考えています」

  • 渡辺義信県議会議長に「白河市長」待望論!?

    渡辺義信県議会議長に「白河市長」待望論!?

     白河市長4期目の鈴木和夫氏(73)が2023年7月28日に任期満了を迎える。市長選まで1年を切ったが、現職の動向を含め、まだ目立った動きは見えない。  鈴木氏は早稲田大卒。県商工労働部政策監、相双地方振興局長、県企業局長などを経て、2007年の市長選で初当選を果たした。  県職員時代の経験を生かし、財政再建や企業誘致、歴史まちづくり、中心市街地活性化を進めてきた行政手腕は高く評価されている。初当選時こそ次点の桜井和朋氏と約4000票差の約1万6000票だったが、2回目以降は2万票以上を獲得し、次点に1万票以上の差をつけ、当選を重ねてきた。  とはいえ、さすがに5選ともなると、「多選」のイメージが強くなり、弊害を懸念する声も出てくる。それを見越して、市内では〝後釜〟探しが水面下で進んでいるようだ。  市内の経済人によると、「『県議会議長の渡辺義信氏(59、4期、白河市・西白河郡、自民党)をぜひ次期市長に』という声が同県議の地元である旧東村で上がっている」という。 鈴木和夫氏(上)と渡辺義信氏  渡辺氏は日大東北高卒。自民党県連幹事長などを歴任し、2021年10月、県議会議長に就任した。白河青年会議所理事長、ひがし商工会副会長などを務めた経験から、応援する経済人も多いようだ。  2023年秋には県議の改選が控える。前回2019年の県議選での渡辺氏の得票数は1万0362票。現職・鈴木氏との一騎打ちとなれば勝ち目はなさそうだが、誰も成り手がいないのなら渡辺氏が適任ではないか――こうした〝待望論〟が支持者などから出てきているわけ。  もっとも、身内であるはずの自民党関係者は冷ややかな反応を示す。  「渡辺氏は国政選挙などがあっても真面目に応援してくれない。閣僚が応援演説に来た際も数人しか集められず、慌てて他地区から動員したことがあった。仮に市長選に出ても、(自民党支持者が)一丸となって応援する構図は考えづらい」  こうした声が出る背景には、白河市・西白河郡選挙から満山喜一氏(71、5期、自民党)も選出されており、市内の自民党支持者が二分されている事情もあるのだろう。  渡辺氏本人は周囲に「立候補はしない」と明言しているようだが、渡辺氏の動きを警戒する鈴木氏の後援会関係者からは「鈴木氏にもう1期頑張ってほしい」という声が上がっているようだ。鈴木氏本人も「多選批判」を意識しているだろうが、周囲から立候補を強く要請されれば状況が変わる可能性もある。  市内の選挙通は鈴木氏の立候補について、「市周辺の幹線道路を結ぶ『国道294号白河バイパス』が全線開通間近で、市役所隣接地には複合施設を整備する計画も進んでいる。筋道を立て、その完成を見届けてから引退したい思いが強いのではないか」と見立てを語る。  複合施設は鈴木氏が市長選の公約として掲げていた「旧市民会館跡地の活用」の一環として行われるもので、健康・子育て・防災・生きがいづくり・中央公民館などの機能を備える(本誌2021年6月号参照)。  現在基本設計に着手しているところで、2023年3月に策定し、2026(令和8)年度以降に工事完了予定だ。概算事業費は約35~45億円の見込み。前回市長選の公約に掲げるほど、事業にかける思いは強い。  一方で、同施設に関しては、資材高騰の影響から設計案の見直し(コンパクト化)が進められており、一部で先行きを心配する声も出ている。  そうした問題への対応も含め、鈴木氏の今後の動向が注目される。おそらく年明けに動きが本格化するのではないか。 白河市のホームページ あわせて読みたい 【高額報酬】存在感が希薄な福島県議会

  • 【白河市】鈴木和夫市長インタビュー

    すずき・かずお 1949年生まれ。早稲田大法学部卒。県相双地方振興局長、県企業局長などを経て、2007年の白河市長選で初当選。今年7月に5選を果たす。  ――7月に行われた市長選挙で5選を果たしました。  「多くの市民の皆様の信任を賜り、5期目となる市政の舵取りを担わせていただくこととなりました。その重責に、あらためて身の引き締まる思いです。市民の声に耳を傾け、対話を重ね、信頼関係を築き、市政運営を進めるという初心を忘れず、子どもたちの明るい未来を築くため、直面する課題に一つひとつ丁寧に取り組んでいく考えです。  特に、想定をはるかに上回るスピードで進む人口減少への対応はまったなしの状況です。『少子化』が最大の要因であり、この状況を反転させるには、子育て環境の充実、経済的負担の軽減、さらには急増する未婚の解消など、様々な政策を組み合わせ、総合的に進めていかなければなりません。  中でも、未婚者の増加は大きな課題と考えています。わが国の婚姻の件数は、令和3年は50万組と約50年前の半分となり、戦後最少を更新しました。また、50歳時の未婚割合を示す『生涯未婚率』も令和2年には男性が28・3%、女性が17・8%と、女性より男性の方が高い傾向が続いており、40年で10倍に急上昇しています。こうした中、個人の価値観を尊重しつつ、結婚を希望する人には縁談のお世話をするような機運を社会全体で醸成していく必要があると考えています。市では、新たに『良縁めぐりあわせ応援窓口』を設置し、サポーターが悩み相談や相手の紹介など、かつての仲人のように婚活を支援する事業をスタートしました。  将来を担う若者の流出も、地方都市共通の悩みです。それを解決するには、安定した収入が見込め、将来の生活設計を描ける雇用の場が必要です。このため、地域に根を張る企業を支援することに加え、成長が見込める企業の誘致にも取り組み、地域の産業力を高めていく考えです。また、若者の中でも、特に女性の転出が多いことが大きな課題です。福島県は、昨年の転出超過が約6700人と全国ワースト3位でしたが、そのうち女性が約3900人でワースト2位でした。  県南地域は、県内の他地域と比較して製造業が非常に強い地域ですが、IT関連や研究開発型の成長産業の企業誘致を図るなど、進学等で一度白河を離れた若者が戻ってこられるような多彩な職場環境を整えることが重要になってくると考えています。加えて、女性が働きやすい環境づくりも大切です。日本はジェンダーギャップ指数が146カ国中125位と大変低く、特に地方では、『男は働き、女性は家を守る』という暗黙の役割分担が未だに根強く残っているように感じます。これが『女性の目に見えない障壁』として、女性の社会活躍を妨げる要因となっていると考えられるため、男女雇用機会均等法をはじめ諸制度を社会全体が理解し、機運を高め、その障壁を取り払っていくことが求められています。  そのためには、男女共同参画社会に対する認識を深め、定着させていく必要があり、市では、子育て時期の男性などを対象としたセミナーを実施するなど、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みを推進する考えです」観光ステーションの効果  ――国道294号白河バイパスが2月に全線開通しました。  「本市を南北に縦断する国道294号白河バイパスの開通により、白河中央スマートインターチェンジ、国道4号、国道289号が一直線に結ばれました。多くの市民の皆様から通勤・通学時間が短くなった、スーパーへ行きやすくなったなど、バイパス開通を喜ぶ声が寄せられており、市民生活の利便性は格段に向上したと感じています。  また、物流や救急医療、観光誘客など各方面にわたり大きな効果が生まれており、白河のみならず県南地域の広域的な社会経済活動を支えています。特に、本市のシンボルである小峰城、南湖公園へのアクセスが良くなったことで、今後より一層多くの観光客が訪れるものと期待しています。このため、小峰城、南湖公園の持つ歴史的価値やポテンシャルをより一層引き出し、賑わいを創出していきたいと考えています」  ――観光面では4月、JR白河駅近くにしらかわ観光ステーションがオープンしました。  「本市には、南湖公園、白河関跡、関山や権太倉山、里山のすそ野に広がる田園風景など、四季折々の情緒漂う豊かな自然、さらには美肌の湯として有名なきつねうち温泉など、魅力あふれる観光資源が数多くあります。また、JR白河駅の周辺には、小峰城、旧城下町の街並みを残す中心市街地、明治天皇が宿泊された旧脇本陣柳家旅館蔵座敷など、歴史を感じさせる観光スポットが点在しています。こうした白河の魅力を伝え、リピーターになっていただけるよう、新たな観光拠点として、JR白河駅隣に『しらかわ観光ステーション』をゴールデンウイークの初めに開所しました。オープン以来、多くの観光客の皆様にお越しいただいていますが、白河ならではのおもてなしを提供できるよう日々努めています。  中でも、味や麺の種類など自分好みの白河ラーメンの店舗とその道筋にある観光資源を組み合わせた周遊プランを提案する『ラーメンデータベース』は、テレビなどでも取り上げられ、大変好評です。また、市内の事業者や店舗と連携し、様々な地元産品や地酒などを展示・販売しており、来場者にお買い求めいただいています。  今後は、『旅の始まりは観光ステーションから』をキーワードに、白河市から県南地域、さらには県境を越えて栃木県北地域の観光スポットを広域的に訪れていただけるよう、近隣の自治体などと連携を図りながら新たな仕掛けを講じていく考えです」  ――今後の抱負。  「少子高齢化・人口減少が急速に進む中、激動する世界情勢、食料の安全保障、エネルギー問題、情報通信技術の発達など、目まぐるしく時代は変化しています。さらに、コロナ禍により、首都圏に集中する人や企業の地方分散に向けた機運が生まれ、政府は『デジタル田園都市構想』を推進するなど、従来の東京一極集中から地方が主役となる時代への大きな転換期でもあります。だからこそ、首都圏からの近接性や交通の利便性、豊かな歴史や文化、自然環境など、足元にある恵まれた条件を生かし、さらには、DXやGXも推進しながら、産業、教育、子育て、医療に加え、文化芸術・スポーツなどバランスのとれた『誰もが身近な幸せ(Well-being)を実感し、〝自分らしく、いきいきと〟暮らしていけるまちづくり』を着実に進め、市民の皆様とともに、確かな未来を築いていきたいと考えています」

  • 渡辺義信県議会議長に「白河市長」待望論!?

     白河市長4期目の鈴木和夫氏(73)が2023年7月28日に任期満了を迎える。市長選まで1年を切ったが、現職の動向を含め、まだ目立った動きは見えない。  鈴木氏は早稲田大卒。県商工労働部政策監、相双地方振興局長、県企業局長などを経て、2007年の市長選で初当選を果たした。  県職員時代の経験を生かし、財政再建や企業誘致、歴史まちづくり、中心市街地活性化を進めてきた行政手腕は高く評価されている。初当選時こそ次点の桜井和朋氏と約4000票差の約1万6000票だったが、2回目以降は2万票以上を獲得し、次点に1万票以上の差をつけ、当選を重ねてきた。  とはいえ、さすがに5選ともなると、「多選」のイメージが強くなり、弊害を懸念する声も出てくる。それを見越して、市内では〝後釜〟探しが水面下で進んでいるようだ。  市内の経済人によると、「『県議会議長の渡辺義信氏(59、4期、白河市・西白河郡、自民党)をぜひ次期市長に』という声が同県議の地元である旧東村で上がっている」という。 鈴木和夫氏(上)と渡辺義信氏  渡辺氏は日大東北高卒。自民党県連幹事長などを歴任し、2021年10月、県議会議長に就任した。白河青年会議所理事長、ひがし商工会副会長などを務めた経験から、応援する経済人も多いようだ。  2023年秋には県議の改選が控える。前回2019年の県議選での渡辺氏の得票数は1万0362票。現職・鈴木氏との一騎打ちとなれば勝ち目はなさそうだが、誰も成り手がいないのなら渡辺氏が適任ではないか――こうした〝待望論〟が支持者などから出てきているわけ。  もっとも、身内であるはずの自民党関係者は冷ややかな反応を示す。  「渡辺氏は国政選挙などがあっても真面目に応援してくれない。閣僚が応援演説に来た際も数人しか集められず、慌てて他地区から動員したことがあった。仮に市長選に出ても、(自民党支持者が)一丸となって応援する構図は考えづらい」  こうした声が出る背景には、白河市・西白河郡選挙から満山喜一氏(71、5期、自民党)も選出されており、市内の自民党支持者が二分されている事情もあるのだろう。  渡辺氏本人は周囲に「立候補はしない」と明言しているようだが、渡辺氏の動きを警戒する鈴木氏の後援会関係者からは「鈴木氏にもう1期頑張ってほしい」という声が上がっているようだ。鈴木氏本人も「多選批判」を意識しているだろうが、周囲から立候補を強く要請されれば状況が変わる可能性もある。  市内の選挙通は鈴木氏の立候補について、「市周辺の幹線道路を結ぶ『国道294号白河バイパス』が全線開通間近で、市役所隣接地には複合施設を整備する計画も進んでいる。筋道を立て、その完成を見届けてから引退したい思いが強いのではないか」と見立てを語る。  複合施設は鈴木氏が市長選の公約として掲げていた「旧市民会館跡地の活用」の一環として行われるもので、健康・子育て・防災・生きがいづくり・中央公民館などの機能を備える(本誌2021年6月号参照)。  現在基本設計に着手しているところで、2023年3月に策定し、2026(令和8)年度以降に工事完了予定だ。概算事業費は約35~45億円の見込み。前回市長選の公約に掲げるほど、事業にかける思いは強い。  一方で、同施設に関しては、資材高騰の影響から設計案の見直し(コンパクト化)が進められており、一部で先行きを心配する声も出ている。  そうした問題への対応も含め、鈴木氏の今後の動向が注目される。おそらく年明けに動きが本格化するのではないか。 白河市のホームページ あわせて読みたい 【高額報酬】存在感が希薄な福島県議会