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  • 元町長に大差をつけた渡部裕太氏【南会津町】【若手新人議員】

    元町長に大差をつけた渡部裕太氏【南会津町】【若手新人議員】

    元町長に大差をつけた渡部裕太氏 町の課題を語る渡部裕太氏  本誌2019年6月号に「南会津町議選 湯田芳博氏当選で嵐の予感」という記事を掲載した。  4年前の南会津町議選に、元町長の湯田芳博氏が立候補し、2位当選者の倍近い得票数(1466票)でぶっちぎりのトップ当選を果たしたことを報じたもの。  湯田氏は昨年4月の南会津町長選にも立候補したが、元副町長の渡部正義氏との対決に敗れ、4度連続の町長選落選となった。すると、今年4月の町議選に立候補した。  今回も圧倒的な票数でトップ当選するのかと思いきや、湯田氏と同じ田島地区の新人候補がその座を奪い取った(別掲参照)。 選挙結果(4月23日投開票、投票率77・74%)当1538渡部 裕太 (31)無新当836湯田 芳博 (72)無元当755渡部 訓正 (69)無現当626丸山 陽子 (68)公現当575古川  晃 (62)無新当543芳賀 正義 (75)無新当540山内  政 (70)無現当499楠  正次 (68)無現当449湯田  哲 (66)無現当446森  秀一 (72)無元当434川島  進 (68)無現当430室井 英雄 (66)無現当422酒井 幸司 (65)無新当392高野 精一 (73)無現当328星  和孝 (57)無新当297湯田 剛正 (62)無新275馬場  浩 (61)無現  「若い議員は少ないので、トップ当選を目指し、できる限り多くの方に得票してもらいたいと考えて全力で活動していました」  こう語るのは31歳で町議となった渡部裕太氏だ。今回の当選者では最年少となる。  会津高卒。「地域医療に携わりたい」と自治医大入学を目指し、予備校に通いながら浪人生活を続けている中で、2019年、父親の渡部英明氏が県議選に立候補することになり、手伝いのため同町にUターン。結局、父親は選挙戦で敗れたが、そのまま町内の企業に就職した。  こうした活動中に驚かされたのが、若い世代の選挙への関心のなさだ。  「民間企業だと退職するぐらいの年齢の人が議員を務めており、接点も親近感もない」という意見が聞かれた。それならば、若者が1人でも議員になることで、思いが伝えやすくなり、政治参加もするようになるのではないか――。  渡部氏は地元に戻って以来、地域のスポーツ活動、山岳救助消防団など、さまざまな活動に参加していた。多くの人の話を聞く機会がある自分が若い世代の受け皿になろうと考えた。その結果、多くの票を得て町議に当選したのだから、期待している人が多いということだろう。 会社員との兼務生活  経営者の理解を得て、地元の建材店に勤めながら、議員活動に取り組む。ちなみに地方自治法では町の事業を請け負う企業の役員が地方議員を兼ねることが禁じられているが、渡部氏は役員にはなっていない。議会の会期中は閉会後に会社に戻って仕事をこなす。「正直、当選後は休みがありません」と笑う。  公約には空き家の活用、体験型観光資源の創出、地域の魅力発掘などを掲げた。6月定例会では、早速空き家対策について執行部にただした。  「現場に行って話を聞いて初めて分かることも多い。例えば、移住者を増やすための施策が行われているが、『移住者のニーズとはかみ合っていない』という声が聞かれる。町への窓口、つなぎ役としての役割を果たしていきながら、公約実現を目指していきたい。特に空き家問題については、いま会社で不動産部門を担当しており、現場でその実態を知っているという強みがあるので、積極的に取り組んでいきたいですね」  11月に父親の渡部英明氏が県議選に再び立候補することについては「もし当選させてもらえば、相互に連携して県・町のパイプ役として機能できると思います」と語る。  地域を問わず入れてもらった多くの票は若き立候補者への期待の表れ。後は行動で示すだけだ。

  • 【南会津町】渡部正義町長インタビュー

    【南会津町】渡部正義町長インタビュー

     わたなべ・まさよし 1958年7月生まれ。県立田島高校卒。旧田島町役場入庁後、総合政策課長、総務課長などを歴任。南会津町副町長を経て昨年4月の町長選で初当選を果たした。  ――5月8日から新型コロナウイルスの感染症法の位置付けが2類相当から5類に引き下げられました。この間の町内における状況とアフターコロナ対策について。 「5月から6月にかけて総会シーズンを迎えましたが、終了後に懇親会が催されるケースが目立つなど、コロナ前の日常が戻りつつあると実感しています。町民は『しっかりと感染対策をしながら経済を回していくことが重要』と認識されているようで、最近では地域経済が非常に活発になってきたと思います。 一方、飲食業の方にお話を聞くと、昼の時間帯は客足が戻ってきたが、夜の時間帯までは完全に戻っていないとの声が聞かれます。生産工場や建設業では、集団感染が発生した場合、生産ラインを止めなくてはならない、あるいは作業現場を止めなくてはならない、といった不安やリスクを依然として感じているのではないかと考えます。 新型コロナが落ち着きつつある一方で、最近では、電気料金の値上げや物価高騰の影響が深刻です。当町では、その対策として、電気料金や燃料費高騰に苦しむ事業者に対し、100万円を上限とする原油価格等高騰対策事業(事業費4000万円)を4月から実施するなどして、支援に取り組んでいます。 そのほか、新型コロナや物価高の影響による消費低迷からの回復を図るため、地域振興緊急対策事業(同1410万円)としてプレミアム付商品券の発行に向け取り組んでいます。また、酪農家からは飼料代の高騰により相当影響が出ているとの声や、農家の方からは農業資材の高止まりに苦慮されている話が寄せられているので、的確な支援策を検討しています。今後補正予算などで、全体を見据えて、限られた財源を有効に使っていく考えです」 ――公約である子育て・医療福祉政策の充実をはじめ、結婚支援対策、若年層の定住対策の進捗状況についてうかがいます。 「子育て支援については、まず保育所の0~2歳児の保育料負担軽減対策(同1141万円)です。全額負担について検討を重ねましたが、最終的には町が半額支援するという結論に至りました。次いで、新たなお子さんが生まれた際に10万円分の商品券を贈呈して誕生を祝うとともに、必要なものを町内で消費していただくための当町単独事業『パパママ応援交付金事業』(同710万円)を実施しています。 国と連携した事業としては『妊娠出産21プロジェクト事業』(同853万円)で、母子手帳交付時に5万円、出生時に5万円の現金を支給するとともに、伴走型支援として保健師による一貫した訪問活動を展開しています。 そのほか、地域子育て支援拠点事業として、出産をはじめ、幼少期、学童期の子どもを持つ親からの相談にきめ細かに対応するため、健康福祉課内の『子育て世代包括支援センターえがお』を核とした相談・支援体制の構築に努めています。 医療福祉については、昨年12月に県立南会津病院の病院長が不在となることが懸念された中、この間、南会津郡内の首長・議長会と連携して実情を訴え、4月1日から確実に病院長を配置していただけるよう、県に要望活動を行ってきました。紆余曲折ありましたが、坂下厚生総合病院で病院長を経験された松井遵一郎先生が南会津病院長として就任され、今までと変わりなく診療が行われています。同病院の医療体制の強化は南会津郡で最優先課題に位置づけられます。現在、常勤医がいない産婦人科、精神科、眼科における常勤医の配置をはじめ、小児周産期医療体制の充実、人工透析専門医と看護師の増員について引き続き要望していきます。 結婚支援対策については、7人の縁結びサポーターによるお相手紹介・結構相談全般を担う『縁結びサポーター事業』をはじめ、南会津地方振興局と合同で開催する婚活イベントを1回、本町単独の婚活イベントを2回予定しています。そのほか、身だしなみやマナー、異性とのスマートな話し方を学ぶ『スキルアップセミナー』の実施、結婚して居住する費用もしくは引っ越し費用について60万円を上限に補助する『結婚新生活支援事業』を展開しています。 現在、若い職員たちによる結婚支援策の検討・立案により『あづまっぺ実行委員会』が設立されました。今の若者たちの結婚観を踏まえ、肩ひじ張らずさりげなく出会える機会の必要性から、町が運営するインターネットコミュニティサイト『#ミィズ』を立ち上げ、6月12日現在で56人の方が登録されています。併せて、南会津町結婚サポート企業の登録も始めました。町内に立地する事業所や団体に呼びかけ、結婚支援の官民連携を図っており、6月5日時点で22の事業所に参画いただいています。 若者の定住対策については、Uターン、Iターンの仕組み作りが重要だと考えます。住宅取得時の支援をはじめ、移住してきた方々が地域でしっかり馴染んで生活してもらうための体制構築などを『定住対策プロジェクト事業』に盛り込み、鋭意進めています。また、人手不足が慢性化する中、若者の定住も含めて、新たな求人活動や事業所をPRするための費用の一部を助成する取り組みについて、『働き手確保支援事業』として新規で着手したところです。南郷トマト生産を中心とする新規就農者への支援、林産業の雇用促進、町内で新たに起業・商売したい方の支援対策として、『ビジネスチャレンジ支援事業』も展開しています」 観光商品開発に努める  ――関係・交流人口の創出にも注力されています。 「首都圏を中心に多くの企業でコミュニケーション能力や提案能力を高める研修が求められている中、当町の地域資源を生かした研修でディスカッション能力や提案力の向上を図る『チームビルディングツーリズム事業』を試験的に実施しています。現在は、モニターツアーという形で実施していますが、研修を実施した事業所からは非常に好評であり、関係人口創出のポテンシャルを感じています。また、埼玉県の埼玉栄高校などを運営する学校法人佐藤栄学園、千葉県の市立船橋高校との『町有施設等の利用に関する協定』を通じた高校合宿誘致事業にも引き続き尽力する考えです。そのほか、農家の生活体験を教育プログラムに組み入れた教育旅行『南会津農村生活体験推進協議会支援事業』も実施しています。『星空誘客事業』では、当地域の星空がどのぐらい素晴らしいのかという魅力を再認識していただけるよう、住民向けの星空観察会を実施しています。今後は商品化に向けた事例調査を進めながら、宿泊を伴う観光商品の開発に努めていく考えです」

  • 【南会津合同庁舎内で県職員急死!?】詳細を明かさない南会津地方振興局

    【南会津合同庁舎内で県職員急死!?】詳細を明かさない南会津地方振興局

     昨年11月下旬、南会津町の福島県南会津合同庁舎で県職員とみられる中年男性が死亡していたという。同庁舎で何が起きていたのか、一部の町民の間でウワサになっている。  町民の話を総合すると、職員が亡くなっていたのは11月22~23日で、朝、出勤した職員が発見した。「中年男性が土壌などを調べる部屋で倒れていた」、「パトカーや救急車が出入りして車を囲んでいた」、「現場の状況から判断する限り、自ら命を絶った可能性が高い」という。  同庁舎には南会津地方振興局、南会津農林事務所、南会津建設事務所、南会津教育事務所が入っている。同庁舎を管理している振興局に確認したところ、「(亡くなった職員がいるという)話があったのは事実」と認めたものの、年齢や性別、所属部署、死因については「職員や遺族のプライバシーを尊重する観点」から詳細な説明を避けた。  「仮に何らかの事故で亡くなっていたり、殺人事件などに巻き込まれたとしたら、周りの住民は不安になる。行政機関として、ある程度は公表する義務があるのではないか」とただしたところ、「今回は公表する事例には当たらないと判断した」と話した。こうした回答から判断する限り、自ら命を絶った可能性が高い。  職場を最期の場所に選んだのには、どんな背景があったのか。組織として改善すべき問題があった可能性も考えられるが、同振興局は口を閉ざし、詳細も報道されていない。 あわせて読みたい 【奥会津編】合併しなかった福島県内自治体のいま

  • 元町長に大差をつけた渡部裕太氏【南会津町】【若手新人議員】

    元町長に大差をつけた渡部裕太氏 町の課題を語る渡部裕太氏  本誌2019年6月号に「南会津町議選 湯田芳博氏当選で嵐の予感」という記事を掲載した。  4年前の南会津町議選に、元町長の湯田芳博氏が立候補し、2位当選者の倍近い得票数(1466票)でぶっちぎりのトップ当選を果たしたことを報じたもの。  湯田氏は昨年4月の南会津町長選にも立候補したが、元副町長の渡部正義氏との対決に敗れ、4度連続の町長選落選となった。すると、今年4月の町議選に立候補した。  今回も圧倒的な票数でトップ当選するのかと思いきや、湯田氏と同じ田島地区の新人候補がその座を奪い取った(別掲参照)。 選挙結果(4月23日投開票、投票率77・74%)当1538渡部 裕太 (31)無新当836湯田 芳博 (72)無元当755渡部 訓正 (69)無現当626丸山 陽子 (68)公現当575古川  晃 (62)無新当543芳賀 正義 (75)無新当540山内  政 (70)無現当499楠  正次 (68)無現当449湯田  哲 (66)無現当446森  秀一 (72)無元当434川島  進 (68)無現当430室井 英雄 (66)無現当422酒井 幸司 (65)無新当392高野 精一 (73)無現当328星  和孝 (57)無新当297湯田 剛正 (62)無新275馬場  浩 (61)無現  「若い議員は少ないので、トップ当選を目指し、できる限り多くの方に得票してもらいたいと考えて全力で活動していました」  こう語るのは31歳で町議となった渡部裕太氏だ。今回の当選者では最年少となる。  会津高卒。「地域医療に携わりたい」と自治医大入学を目指し、予備校に通いながら浪人生活を続けている中で、2019年、父親の渡部英明氏が県議選に立候補することになり、手伝いのため同町にUターン。結局、父親は選挙戦で敗れたが、そのまま町内の企業に就職した。  こうした活動中に驚かされたのが、若い世代の選挙への関心のなさだ。  「民間企業だと退職するぐらいの年齢の人が議員を務めており、接点も親近感もない」という意見が聞かれた。それならば、若者が1人でも議員になることで、思いが伝えやすくなり、政治参加もするようになるのではないか――。  渡部氏は地元に戻って以来、地域のスポーツ活動、山岳救助消防団など、さまざまな活動に参加していた。多くの人の話を聞く機会がある自分が若い世代の受け皿になろうと考えた。その結果、多くの票を得て町議に当選したのだから、期待している人が多いということだろう。 会社員との兼務生活  経営者の理解を得て、地元の建材店に勤めながら、議員活動に取り組む。ちなみに地方自治法では町の事業を請け負う企業の役員が地方議員を兼ねることが禁じられているが、渡部氏は役員にはなっていない。議会の会期中は閉会後に会社に戻って仕事をこなす。「正直、当選後は休みがありません」と笑う。  公約には空き家の活用、体験型観光資源の創出、地域の魅力発掘などを掲げた。6月定例会では、早速空き家対策について執行部にただした。  「現場に行って話を聞いて初めて分かることも多い。例えば、移住者を増やすための施策が行われているが、『移住者のニーズとはかみ合っていない』という声が聞かれる。町への窓口、つなぎ役としての役割を果たしていきながら、公約実現を目指していきたい。特に空き家問題については、いま会社で不動産部門を担当しており、現場でその実態を知っているという強みがあるので、積極的に取り組んでいきたいですね」  11月に父親の渡部英明氏が県議選に再び立候補することについては「もし当選させてもらえば、相互に連携して県・町のパイプ役として機能できると思います」と語る。  地域を問わず入れてもらった多くの票は若き立候補者への期待の表れ。後は行動で示すだけだ。

  • 【南会津町】渡部正義町長インタビュー

     わたなべ・まさよし 1958年7月生まれ。県立田島高校卒。旧田島町役場入庁後、総合政策課長、総務課長などを歴任。南会津町副町長を経て昨年4月の町長選で初当選を果たした。  ――5月8日から新型コロナウイルスの感染症法の位置付けが2類相当から5類に引き下げられました。この間の町内における状況とアフターコロナ対策について。 「5月から6月にかけて総会シーズンを迎えましたが、終了後に懇親会が催されるケースが目立つなど、コロナ前の日常が戻りつつあると実感しています。町民は『しっかりと感染対策をしながら経済を回していくことが重要』と認識されているようで、最近では地域経済が非常に活発になってきたと思います。 一方、飲食業の方にお話を聞くと、昼の時間帯は客足が戻ってきたが、夜の時間帯までは完全に戻っていないとの声が聞かれます。生産工場や建設業では、集団感染が発生した場合、生産ラインを止めなくてはならない、あるいは作業現場を止めなくてはならない、といった不安やリスクを依然として感じているのではないかと考えます。 新型コロナが落ち着きつつある一方で、最近では、電気料金の値上げや物価高騰の影響が深刻です。当町では、その対策として、電気料金や燃料費高騰に苦しむ事業者に対し、100万円を上限とする原油価格等高騰対策事業(事業費4000万円)を4月から実施するなどして、支援に取り組んでいます。 そのほか、新型コロナや物価高の影響による消費低迷からの回復を図るため、地域振興緊急対策事業(同1410万円)としてプレミアム付商品券の発行に向け取り組んでいます。また、酪農家からは飼料代の高騰により相当影響が出ているとの声や、農家の方からは農業資材の高止まりに苦慮されている話が寄せられているので、的確な支援策を検討しています。今後補正予算などで、全体を見据えて、限られた財源を有効に使っていく考えです」 ――公約である子育て・医療福祉政策の充実をはじめ、結婚支援対策、若年層の定住対策の進捗状況についてうかがいます。 「子育て支援については、まず保育所の0~2歳児の保育料負担軽減対策(同1141万円)です。全額負担について検討を重ねましたが、最終的には町が半額支援するという結論に至りました。次いで、新たなお子さんが生まれた際に10万円分の商品券を贈呈して誕生を祝うとともに、必要なものを町内で消費していただくための当町単独事業『パパママ応援交付金事業』(同710万円)を実施しています。 国と連携した事業としては『妊娠出産21プロジェクト事業』(同853万円)で、母子手帳交付時に5万円、出生時に5万円の現金を支給するとともに、伴走型支援として保健師による一貫した訪問活動を展開しています。 そのほか、地域子育て支援拠点事業として、出産をはじめ、幼少期、学童期の子どもを持つ親からの相談にきめ細かに対応するため、健康福祉課内の『子育て世代包括支援センターえがお』を核とした相談・支援体制の構築に努めています。 医療福祉については、昨年12月に県立南会津病院の病院長が不在となることが懸念された中、この間、南会津郡内の首長・議長会と連携して実情を訴え、4月1日から確実に病院長を配置していただけるよう、県に要望活動を行ってきました。紆余曲折ありましたが、坂下厚生総合病院で病院長を経験された松井遵一郎先生が南会津病院長として就任され、今までと変わりなく診療が行われています。同病院の医療体制の強化は南会津郡で最優先課題に位置づけられます。現在、常勤医がいない産婦人科、精神科、眼科における常勤医の配置をはじめ、小児周産期医療体制の充実、人工透析専門医と看護師の増員について引き続き要望していきます。 結婚支援対策については、7人の縁結びサポーターによるお相手紹介・結構相談全般を担う『縁結びサポーター事業』をはじめ、南会津地方振興局と合同で開催する婚活イベントを1回、本町単独の婚活イベントを2回予定しています。そのほか、身だしなみやマナー、異性とのスマートな話し方を学ぶ『スキルアップセミナー』の実施、結婚して居住する費用もしくは引っ越し費用について60万円を上限に補助する『結婚新生活支援事業』を展開しています。 現在、若い職員たちによる結婚支援策の検討・立案により『あづまっぺ実行委員会』が設立されました。今の若者たちの結婚観を踏まえ、肩ひじ張らずさりげなく出会える機会の必要性から、町が運営するインターネットコミュニティサイト『#ミィズ』を立ち上げ、6月12日現在で56人の方が登録されています。併せて、南会津町結婚サポート企業の登録も始めました。町内に立地する事業所や団体に呼びかけ、結婚支援の官民連携を図っており、6月5日時点で22の事業所に参画いただいています。 若者の定住対策については、Uターン、Iターンの仕組み作りが重要だと考えます。住宅取得時の支援をはじめ、移住してきた方々が地域でしっかり馴染んで生活してもらうための体制構築などを『定住対策プロジェクト事業』に盛り込み、鋭意進めています。また、人手不足が慢性化する中、若者の定住も含めて、新たな求人活動や事業所をPRするための費用の一部を助成する取り組みについて、『働き手確保支援事業』として新規で着手したところです。南郷トマト生産を中心とする新規就農者への支援、林産業の雇用促進、町内で新たに起業・商売したい方の支援対策として、『ビジネスチャレンジ支援事業』も展開しています」 観光商品開発に努める  ――関係・交流人口の創出にも注力されています。 「首都圏を中心に多くの企業でコミュニケーション能力や提案能力を高める研修が求められている中、当町の地域資源を生かした研修でディスカッション能力や提案力の向上を図る『チームビルディングツーリズム事業』を試験的に実施しています。現在は、モニターツアーという形で実施していますが、研修を実施した事業所からは非常に好評であり、関係人口創出のポテンシャルを感じています。また、埼玉県の埼玉栄高校などを運営する学校法人佐藤栄学園、千葉県の市立船橋高校との『町有施設等の利用に関する協定』を通じた高校合宿誘致事業にも引き続き尽力する考えです。そのほか、農家の生活体験を教育プログラムに組み入れた教育旅行『南会津農村生活体験推進協議会支援事業』も実施しています。『星空誘客事業』では、当地域の星空がどのぐらい素晴らしいのかという魅力を再認識していただけるよう、住民向けの星空観察会を実施しています。今後は商品化に向けた事例調査を進めながら、宿泊を伴う観光商品の開発に努めていく考えです」

  • 【南会津合同庁舎内で県職員急死!?】詳細を明かさない南会津地方振興局

     昨年11月下旬、南会津町の福島県南会津合同庁舎で県職員とみられる中年男性が死亡していたという。同庁舎で何が起きていたのか、一部の町民の間でウワサになっている。  町民の話を総合すると、職員が亡くなっていたのは11月22~23日で、朝、出勤した職員が発見した。「中年男性が土壌などを調べる部屋で倒れていた」、「パトカーや救急車が出入りして車を囲んでいた」、「現場の状況から判断する限り、自ら命を絶った可能性が高い」という。  同庁舎には南会津地方振興局、南会津農林事務所、南会津建設事務所、南会津教育事務所が入っている。同庁舎を管理している振興局に確認したところ、「(亡くなった職員がいるという)話があったのは事実」と認めたものの、年齢や性別、所属部署、死因については「職員や遺族のプライバシーを尊重する観点」から詳細な説明を避けた。  「仮に何らかの事故で亡くなっていたり、殺人事件などに巻き込まれたとしたら、周りの住民は不安になる。行政機関として、ある程度は公表する義務があるのではないか」とただしたところ、「今回は公表する事例には当たらないと判断した」と話した。こうした回答から判断する限り、自ら命を絶った可能性が高い。  職場を最期の場所に選んだのには、どんな背景があったのか。組織として改善すべき問題があった可能性も考えられるが、同振興局は口を閉ざし、詳細も報道されていない。 あわせて読みたい 【奥会津編】合併しなかった福島県内自治体のいま