ひるた・やすあき 1958年生まれ。早稲田大政経学部卒。農林中央金庫高松支店長を経て、全国酪農業協同組合連合会常務理事などを歴任。2023年12月の町長選で再選し2期目。
――デジタル田園都市の推進を図り、国の交付金採択を受けました。
「第7次矢吹町まちづくり総合計画に基づき、データ連携基盤によるスマートシティを推進し、様々なサービスの向上を目指しています。蓄積された個人や地域のデータを活用して、子育て支援や防災、地域公共交通といった地域の課題解決に向けた取り組みを推進しています。
具体的な取り組みとしては、スポーツデジタル振興プロジェクトがあります。このプロジェクトは、スポーツとデジタルを掛け合わせるという視点が評価され、一昨年の11月に『スポまち! 長官表彰2023』を受賞しました。福島県では初めてスポーツ庁長官表彰の栄誉を賜りました。その他、子どもたちの学習履歴や、イベントなどの活動履歴を活用して、今後の学習や進学・就職活動等に生かす仕組み作りも検討しています」
――高齢者向けに利用料金を助成する「行き活きタクシー」やコミュニティバスの運行など公共交通の改善に取り組んでいます。今年からは「AI活用オンデマンドバス」の運行がスタートしました。
「AIオンデマンドバスは、お年寄りや子どもたちの移動手段を確保することを目的としています。利用者の庭先から目的地まで移動でき、電話やスマホで簡単に予約が可能です。AIが最短コースを計算し、効率的な運行を実現します。1月15日から運行を開始し、約300人の方に登録いただいております。1日当たりの乗降客数もコミュニティバスの10人程度に比べると大幅に増えています。今後は、お年寄りだけでなく、子どもたちの習い事や塾通いなどでも活用できるよう、台数を増やし、定着させたいです」
――今後取り組んでいきたい事業。
「スポーツデジタル振興プロジェクトを推進する拠点となる施設を造りたいと考えています。子どもたちの運動能力を腕時計型の機器で計測し、データに基づいた適切なスポーツ指導を行うなど、スポーツとデジタルを融合した様々な取り組みを行なっていきます」
――町民にメッセージをお願いします。
「矢吹町では、デジタル技術を活用して、町民の生活をより豊かに、より便利にすることを目指しています。また、デジタル技術の導入により業務の最適化を図り、持続可能な行政運営の基盤を構築するとともに、生み出された人的資源を町民一人ひとりに寄り添った温かみのある『Face to Face』の対面サービスや課題解決に再配分することで、より質の高い行政サービスの提供を推進してまいりますので、ぜひご期待ください」