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  • 意見交換会で見えた本宮市子ども食堂の現状

    意見交換会で見えた本宮市子ども食堂の現状

     本宮市内の子ども食堂をサポートしている「本宮市社会福祉協議会フードバンク」による支援品贈呈式が昨年12月15日、本宮市商工会館で行われた。同バンクは同社協と本宮市商工会が事業協定を結んで一昨年に始まったもので、民間事業所が「協賛会員」となり、同社協や子ども食堂に支援品を提供する。昨年から本宮ライオンズクラブ、本宮ロータリークラブも活動に加わっている。  今回支援品が贈られたのは同社協のほか、▽子ども食堂「コスモス」、▽一般社団法人金の雫「みずいろ子ども食堂」、▽社会福祉法人安積福祉会しらさわ有寿園「こころ食堂」、▽NPO法人東日本次世代教育支援協会NA―PONハウスふくしまキッズエコ食堂、▽a sobeba lab.(ア・ソベバ・ラボ)。支援品の内訳はコメ30㌔21袋、寄付金46・5万円、冷凍食品、うどん・ラーメン、レトルト食品、生卵、タオルなど。  本宮市商工会の石橋英雄会長は「人口減少抑制につながればという思いで始めた。マスコミなどで活動を周知していただいたこともあり協賛会員は38事業所まで増え、市民にも浸透してきた。長く続けていきたい」と述べた。本宮ライオンズクラブ、本宮ロータリークラブの関係者もあいさつした。  当日出席した子ども食堂の運営団体関係者は支援に対する謝辞を述べるとともに、活動報告を行った。その後、意見交換会の時間が設けられ、現状や課題について語り合った。  それぞれの話から見えてきたのは、支援を必要としている生活困窮者は多く存在していること、そして食事を提供する場がその情報を得るきっかけとなっているということだ。  同社協では生活困窮者に食料を提供しているが、今年度は上半期を終えた時点で昨年度の件数を上回っているという。生活困窮者と一口に言っても、ニート生活を過ごしていたが親の死を機に独り立ちを余儀なくされ安定した収入を得られない人、派遣社員として本宮市に来たものの契約終了し生活に困っている人、年金暮らしで過ごす老老介護状態の親子など、背景は多岐にわたる。  ある子ども食堂関係者は「多くの人にもっと気軽に足を運んでほしいが、自分から『支援してほしい』とうまく伝えられない人もいる。そうしたところには協力者や元民生委員などを通じて食料品を持っていってもらっている。子ども食堂がたくさんできて近所のことを把握できる状態になるのが理想だ」と話した。  一方で、「企業から個別に提供してもらっていた食料品の数が半分に減った。物価高の影響だと思われる」、「自宅のスペースを使って子ども食堂を開いているので、電気代・燃料費値上がりの影響が大きい」といった報告も聞かれた。市からは運営経費に関する補助金が給付されているが、1回開催につき1万円程度で、決して余裕があるわけではないという。自宅を使って運営している人は、食料品を保管するスペースがないという問題もあるようだ。  このほか、開催していることを近隣に周知する難しさを訴える声も上がった。まずは同商工会内でPR・サポートする案が話し合われたが、小中学校や放課後児童クラブ、子ども会などと連携してチラシを配ったりイベントと同時開催し、利用を呼びかけるのも一つの方法だろう。  このように課題は少なくないようだが、経済界が先頭に立って子ども食堂を応援し、地域振興につなげようとする取り組みには意義がある。引き続き注目していきたい。

  • 【本宮市】高松義行市長インタビュー【2024.3】

    【本宮市】高松義行市長インタビュー【2024.3】

    経歴  たかまつ・ぎぎょう 1954年生まれ。大正大仏教学部卒。1995年から旧本宮町議。2007年から本宮市議、2011年1月の市長選で初当選。現在4期目。  ――昨年10月に「定額タクシー・まちタク」を本格運行し、乗合タクシーが「チョイソコもとみや」としてリニューアルしました。  「デマンド型乗合タクシー、定額タクシー、コミュニティバス、路線バス、鉄道の五つを組み合わせることで、公共交通をより利用しやすくする狙いです。以前の公共交通システムと比べ、利用者が10%増えました。システム改修後に利用が増えているということは、全体として利便性が高まったと捉えます。専門家によると、公共交通システムを改修して2、3カ月間は変化に戸惑い一般的には利用率が下がるそうですが、本宮市の場合は前例を覆しています。  ただ、一部地域では以前のデマンド型乗合タクシーと比べて使い勝手が異なり利便性が下がったとの声が出ました。誰もが納得できる形を目指して改善を重ねていきたいです。  公共交通の在り方をご理解いただくために市の丁寧な説明が必要だと感じています。以前の公共交通システムの利用状況と、今回の利用状況を比べてどのような差が出たのか検証していかなければなりません。  公共交通の利用は、温室効果ガス排出を抑制する『ゼロカーボン』につながるので、多くの方に積極的に活用してほしいです」  ――市では「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた取り組みを行っています。5月には水素ステーションがオープン予定で、市でも水素自動車を導入予定です。  「365日24時間営業の水素ステーションが日本で初めて稼働します。なぜ本宮市に設置されるのか。これはあくまでも推測ですが、内陸型の都市工業用物流都市でモデルに適している、さらにゼロカーボンに前向きな企業が多いからではないでしょうか。  水素自動車(FCV)の普及率は電気自動車(EV)に及びません。本宮市では今後、ガソリン車とEV、FCVを組み合わせ、一番効率的なベストミックスを探りたいと思います。水素ステーション利用を普及させるために、まず市長車、副市長車、議長車をFCVにします。幸い、市内の企業が後に続き、数社がFCVを導入しています。  FCVはゼロカーボンシティを目指す一つの手段です。市はこれまでにペーパーレス化に取り組んだり、書類を綴じるファイルを石油由来の物から紙製に変えたりしています。各家庭には太陽光や蓄電池の設置や生ゴミ処理機購入を補助しています。誰もが手軽に貢献できるのは、先ほど申し上げたように公共交通利用です。  4月からはゼロカーボンの達成度を可視化しようと考えています。二酸化炭素排出をどれだけ抑えられたかを市が計測し公表します。市民と企業の方々と達成度を共有して次の目標を目指すということを繰り返していけば自ずと成果が出るのではないでしょうか。2050年までにゼロカーボンシティを目指す本市の目標が夢物語ではなく現実に近づいていると実感してほしいです」  ――1月に能登半島地震が発生しました。震災や台風の被害を乗り越えてきた本宮市として、大地震をどのように受け止めましたか。またどのように対策をしていますか。  「多くの方が亡くなり、今も厳しい避難生活を送っている被災者の方にお悔みとお見舞いを心から申し上げます。  安全安心の確立があって初めて行政は自治体の発展や住民の幸せ実現を掲げられると改めて感じました。防災対策はまずは耐震化や堤防の補強などハード対策です。本市は東日本大震災、令和元年東日本台風で大きな被害を受けましたが県や国、周辺自治体の助力を得てハード面の復旧は進んでいます。  ソフト面は人々の避難行動への働きかけです。本宮市は逃げ遅れゼロを目指し、個人に緊急時の対応をあらかじめ記したマイ避難カード作成を呼び掛けています。年に1度は地域や職場で避難訓練し、いざと言う時に対応できるようにしてほしいです。地震、水害、火山災害など災害の種類によって対応は違ってきます。全ての方が緊急時に命を守る行動がすぐ取れるように、行政は準備を進め、地域社会と連携して備えていきたいです」  ――アサヒビール園福島本宮店は前事業者が撤退の意思を示しましたが郡山市の企業が事業を引き継ぎました。同施設に何を期待しますか。併せて、東北道本宮インターチェンジ周辺の開発の見通しを教えてください。  「ビール園は存続して本当に良かった。本宮市のランドマークと言ってもよく、ビールを愛する人たちが集う交流の場です。市は水面下で存続へと働きかけをしていました。市民の思いを汲み取って引き継いでいただいた会社にはお礼を申し上げます。  コロナ禍で縮小した外食需要が戻ってきており絶好の機会です。市も側面支援していきたいです。大人数が収容できるので、これまでは市役所の納涼会に使ったり、来賓が大勢いる時に利用していました。ビール園は工場が多く物流都市である本宮らしい場所でもあり、今後も賑わいの一角であってほしいです。  本宮インター周辺の開発に関する費用を来年度予算案に組み込んでいます。周辺にはビジネスホテルが進出します。さらに大型のショッピングセンターを呼び込むのが目標です。JRの駅と本宮インターは本市の玄関口です。地権者の理解をいただきながら周辺の開発を進め、内陸型物流工業都市としてさらなる発展につなげます。本宮はかつては多くの人が行き交う宿場町でした。人が集う場所として、現代に新しい形で宿場の機能を復活させたいです。誘致については交渉事ですから、焦らず地に足を付けて臨みます」  ――重点施策についてお聞かせください。  「『人口の減らない市』を掲げています。日本全体で人口が減るという厳しい現実を直視し、右肩下がりを少しでも緩和するためにあらゆる努力をします。本市の人口動態は過去3年間は社会増ですが、自然減を合わせると全体では減っており楽観できません。自然減、すなわち生まれるお子さんが減っているのは日本全体を取り巻く問題であり、政府に方針を示していただいたうえで、自治体としてできることに尽力します。  移住に対する補助金を手厚くすれば住んでくれるかと言うと、決め手にはつながらないのではないでしょうか。やればやるだけ自治体間の競争に陥る恐れがあります。本市はポテンシャルを生かし、バランスの取れた地域づくりに重きを置いていきます。公共交通の大幅な改良も少子高齢化対策の一つです。2024年度を一つの区切りとして、これまでの取り組みの結果を冷静に分析して次なるステップに進みたいです」

  • 【本宮市】高松義行市長インタビュー

    【本宮市】高松義行市長インタビュー

     たかまつ・ぎぎょう 1954年生まれ。大正大仏教学部卒。1995年から旧本宮町議。2007年から本宮市議、2011年1月の市長選で初当選。現在4期目。  ――無投票で4選されました。 「3期目に続いて4期目も無投票になり、これをどう捉えるかは有権者の皆さんがそれぞれ考えることだと思いますが、大きく分けて2つ言えると思います。1つは本宮市政に対して無関心な方の増加、もう1つは信任していただいたということです。どちらにしても、無投票で信任をいただいたことについては責任を重く感じています。また、政治や市政に全く関心がない市民がいることにも大きな責任を感じなければならないと思っています。いずれにしましても、無投票で4選を果たし、4年間の市政執行の機会をいただいたことについて、謙虚にその思いを受け止めながら一生懸命やっていきたいと考えています」 ――選挙後は人口減少対策を最優先課題に挙げていました。 「一言で『人口減少対策』と言っても難しい課題で、特効薬はありません。まずは市民サービスをバランスよく提供していくことによって住みよさや安心度、快適度、幸福度が生まれてくると思っています。子育てや教育面、学力向上などはもちろん、高齢福祉やインフラ整備など、一つひとつ丁寧に市民の方々の思いに寄り添った中で、バランスがとれた市民サービスをつくり上げていく必要があると思っています。 もう1つ、大切なのが発信力です。本宮市は住みやすくたくさんの方に住んでいただいています。そのことをしっかり発信していくことに加え、それをどこに発信するかも重要です。おかげ様でここ2年間は転出より転入が多く、社会動態は増加に転じていますが、県内の近隣自治体での人口移動では意味がありません。やはり首都圏や他県の方々にこの福島県、本宮市に住んでいただきたいと思っており、そのための施策を講じていきたいと思います。しっかりとした発信力を持ちつつどこに向けて発信していくかを重要視しながら、人口の減らない本宮市をつくっていきたいと思います」 ――以前から白沢地区の人口減少対策に取り組んでいます。 「様々な施策を展開してきましたが、なかなか実績として上がっていません。まずは焦らず白沢地区の良さを知ってもらう取り組みが必要と思い、交流人口や関係人口拡大に取り組んできました。白沢地区には岩角山や震災後にはプリンス・ウイリアムズ・パークが整備され、そういった白沢地区にある名所を生かしながらいい部分を発信してきました。 いま検討しているのがゲストハウスのような宿泊体験施設です。1週間ほどお試しで白沢地区に住んでいただき、白沢地区の住みよさを味わってほしいと思います。その宿泊体験で気に入っていただいた方に住居をどう提供していくかも大事ですが、せっかく農村に住むのだから、それぞれ古民家のような空き家に住みたい方、新居を建てるための土地が欲しい方、加えて農地も欲しい方など、好みがあると思います。その辺の思いを汲みながら、どう紹介していくかといったきめ細かいサービスを行うことが大切だと思います」 新たな公共交通を模索  ――子育て世代の転入を増やすうえでは教育面も重要です。 「教育環境は子育て世代にとって非常に大切です。家族で住むことになれば、高校進学のための学力を心配する方も多く、子育て世代へどう対応していくかというのは大事ですし、学力ばかりではなく体力向上も重要です。教育委員会でも、それぞれの学校において、課題を明確にしながらプログラムに沿って学力向上を目指す取り組みを行っています。 また、妊婦の方や出産後6カ月以内の産婦の方に向けて、市では『出産ママヘルプ事業』と銘打ち、家事や育児の支援が必要なご家庭に、ワンコインでヘルパーを派遣する事業を行っています。市内には子どもが遊べる場所が多く、いまは恵向公園の整備を行っており、子どもばかりでなく高齢者も楽しめる公園を提供できたらと思います。おかげさまで子育て世代の転入も増えていますが、今後も様々な施策を続けていきたいと思っています」 ――昨年からは定額タクシーの実証運行を行ってきました。 「市民の皆さんの様々な声を聞きながら、本宮市の新公共交通システムをつくりあげるべく取り組んでいますが、その1つが会員になれば定額料金で一般の小型タクシーを利用できる『まちタク』です。市内の一部の地域では、以前よりデマンドタクシーを行っていますが、行き先が限定されるなどサービスが行き届いていませんでした。そこで『まちタク』は、乗降できる施設を大幅に増やしました。また、いままでの巡回バスをコミュニティバスに変更するなど、市内の公共交通システムを大幅に変更する取り組みを行っています。これは福島大学の吉田樹准教授をアドバイザーに迎え、様々な年代の市民と一緒になってつくりあげています。実証運行を行っている『まちタク』は利用者の反応も良く、改善を加えながら10月1日を目標に新たな公共交通システムの一つとして導入を図りたいと思っています。 移動手段のない高齢者はもちろん、移住してきた方々には自家用車や免許を持たない方もいますから、そういった方々への一定の交通手段は確保できると思います。また、鉄道が運休した際の代替交通としてバスが活用されており、移動手段の選択肢の1つにこういった公共交通システムは必要と実感しています。当然、それを維持できる財政状況を守っていくことも必要です」 ――JR五百川駅周辺整備を進めています。 「駐停車場の整備工事が着工しました。駅前が狭く危険だったため、まずは安全な駐停車場の確保を目指しています。今後はJRとの協議でトイレやバリアフリー化の整備を随時進めていくことになります」 ――本宮インターチェンジ周辺の開発も進められています。 「五百川駅周辺整備や交通の利便性に加え、人を呼び込めるような施設を考えたとき、商業施設がいいのではと思い、様々な商業施設と交渉しています。ほかにも様々な企業と交渉を進めていますので、いい形にしていきたいと思います。完成すれば多くの人々が集まる場所になり、渋滞も予想されますので、そういった対策も合わせて進めていきたいと思います」 ――今後の抱負を。 「市民の皆様から4年間の舵取りを任されましたので、市民の方々と一緒になって元気な本宮市をつくる先頭に立っていきたいと思います。これまでの12年間は震災・原発事故や水害、地震、そして新型コロナウイルスなど市民の皆さんにも多くの苦労があったと思います。これからの4年間は市民の皆様が穏やかに過ごせて活気あるまちになるよう努力していきたいと思います」 本宮市のホームページ 掲載号:政経東北【2023年3月号】

  • 本宮市の用水路工事が住民の苦情でストップ

    本宮市の用水路工事が住民の苦情でストップ

     本宮市高木地区で行われていた市発注の用水路工事がストップしているという。  ある関係者によると、「同事業は市が実施しているもので、昨年秋ごろに工事が始まったと思ったら、すぐにストップした」とのこと。  市のホームページで入札情報を確認したところ「高木字戸崎地内水路改良工事」の入札が昨年9月8日に行われており、この工事を指していることが分かった。  前出の関係者はこう話す。  「同工事は、農地脇に用水路を通すもので、十数軒の権利者(農地所有者)がいるのだが、そのうちの1人? 数人? が市にクレームを付けたそうです。具体的には、農地脇の土手のところに作業用道路を通して、用水路工事完了後は元に戻すことになっていたようだが、その過程で(農地所有者に)きちんと説明する前に、農地脇の土手の一部に土を入れて埋め立ててしまった。それに、一部農地所有者が怒り、工事をストップさせた、と」  その後、市は関係者に対して説明会を実施するなど、対応に追われ、工事はストップしたままという。  本宮市建設部に確認したところ、「昨年9月に工事がスタートしたが、地元の方から要望があり、中断している」とのこと。  そのうえで、担当者は次のように説明した。  「この間、2回、地元の方を対象に説明会を実施しており、そこで出た要望などを踏まえながら、地元の方の要望に沿うような形で進めたいと思っています。もともと工期は今年度末まで(2023年3月末)でしたが、それを受け、この12月議会で、2023年度(2024年3月末)まで繰り越すための関連議案を提出して承認いただきました」  最後に、前出の関係者は次のように話した。  「もちろん、市(受注業者)の対応ももっとやりようがあったんだろうけど、そもそも、市にクレームを入れた人の農地は耕作されていなかったんです。ですから、そんなに怒らなくても、と思いますけどね」

  • 【本宮市商工会・本宮LC・本宮RC】子ども食堂に広がる支援の輪

    【本宮市商工会・本宮LC・本宮RC】子ども食堂に広がる支援の輪 

     本宮市商工会(石橋英雄会長)は昨年12月、同市社会福祉協議会と市内の子ども食堂5団体に寄付金や日用品、コメ、食品などを贈呈した。同商工会は、通常業務以外にも社会貢献活動に積極的に取り組んでいる。昨年7月に同社協とフードバンク事業協定を結び、贈呈は今回で2回目。「地域の子どもを元気にしたい」という思いからスタートした支援の輪は徐々に広がり、同商工会の趣旨に賛同した本宮ライオンズクラブ(佐藤仁会長)、本宮ロータリークラブ(佐々木嘉宏会長)が新たに活動に加わった。協賛会員も38事業所に増加しコメ、野菜、寄付金のほか、おもちゃや児童書も贈られた。  贈呈式で石橋商工会長は「この活動も徐々に規模が大きくなってきている。まだまだ知られていない取り組みだったが、マスコミの報道により地元の大きな企業も是非参加させてほしいとの申し込みがあり賛同を得られた。一過性で終わること無く長期間継続し、本宮市だけでなく近隣市町村、福島県全域に活動の輪が広がっていくことに期待したい」と語った。  子ども食堂の代表者は「まだまだ子ども食堂を取り巻く状況は厳しい。調理師など専門家もいるがほとんどがボランティアで構成されている。本当に支援を必要としている人の利用は少ないように思えるが、もっと気軽に声をかけてもらえれば色々な手助けが出来ると思う。スタッフも高齢になって活動も鈍くなっているが地域の賑わいや子どもたちの健康を願って頑張っていきたい」と謝辞を述べた。  別の受贈者は「少人数で活動しているため、自分の活動が本当に役立っているのか、気持ちが落ち込む時もあります。ですが、皆さんの声援と子どもの元気な顔を見ると頑張る力になります」と話した。  日本は子どもの貧困率が年々問題になっている。現場の支援者たちの苦労に地域は支援の輪で報いたい。これからを担う子どもが元気に育ってほしいという思いは誰もが一緒。支援の輪がもっと広まることを願う。  本宮市と同商工会では、経済の落ち込みにもテコ入れをしている。新型コロナ後に第2弾となる30%のプレミアム付き商品券を発行し、2月17日まで利用を受け付けている。今回は1万セット販売した。  参加店は約600店舗。飲食店や小売店以外にも、建設会社、電気設備会社、左官業、板金業なども参加しているので、修理にも使えて便利。迷ったら「この券使えますか」と差し出せばほとんどが受け付けてくれるだろう。せっかく買っても引き出しの奥に眠っているかもしれない。地元経済を回すためにも、使い切ってほしい。

  • 意見交換会で見えた本宮市子ども食堂の現状

     本宮市内の子ども食堂をサポートしている「本宮市社会福祉協議会フードバンク」による支援品贈呈式が昨年12月15日、本宮市商工会館で行われた。同バンクは同社協と本宮市商工会が事業協定を結んで一昨年に始まったもので、民間事業所が「協賛会員」となり、同社協や子ども食堂に支援品を提供する。昨年から本宮ライオンズクラブ、本宮ロータリークラブも活動に加わっている。  今回支援品が贈られたのは同社協のほか、▽子ども食堂「コスモス」、▽一般社団法人金の雫「みずいろ子ども食堂」、▽社会福祉法人安積福祉会しらさわ有寿園「こころ食堂」、▽NPO法人東日本次世代教育支援協会NA―PONハウスふくしまキッズエコ食堂、▽a sobeba lab.(ア・ソベバ・ラボ)。支援品の内訳はコメ30㌔21袋、寄付金46・5万円、冷凍食品、うどん・ラーメン、レトルト食品、生卵、タオルなど。  本宮市商工会の石橋英雄会長は「人口減少抑制につながればという思いで始めた。マスコミなどで活動を周知していただいたこともあり協賛会員は38事業所まで増え、市民にも浸透してきた。長く続けていきたい」と述べた。本宮ライオンズクラブ、本宮ロータリークラブの関係者もあいさつした。  当日出席した子ども食堂の運営団体関係者は支援に対する謝辞を述べるとともに、活動報告を行った。その後、意見交換会の時間が設けられ、現状や課題について語り合った。  それぞれの話から見えてきたのは、支援を必要としている生活困窮者は多く存在していること、そして食事を提供する場がその情報を得るきっかけとなっているということだ。  同社協では生活困窮者に食料を提供しているが、今年度は上半期を終えた時点で昨年度の件数を上回っているという。生活困窮者と一口に言っても、ニート生活を過ごしていたが親の死を機に独り立ちを余儀なくされ安定した収入を得られない人、派遣社員として本宮市に来たものの契約終了し生活に困っている人、年金暮らしで過ごす老老介護状態の親子など、背景は多岐にわたる。  ある子ども食堂関係者は「多くの人にもっと気軽に足を運んでほしいが、自分から『支援してほしい』とうまく伝えられない人もいる。そうしたところには協力者や元民生委員などを通じて食料品を持っていってもらっている。子ども食堂がたくさんできて近所のことを把握できる状態になるのが理想だ」と話した。  一方で、「企業から個別に提供してもらっていた食料品の数が半分に減った。物価高の影響だと思われる」、「自宅のスペースを使って子ども食堂を開いているので、電気代・燃料費値上がりの影響が大きい」といった報告も聞かれた。市からは運営経費に関する補助金が給付されているが、1回開催につき1万円程度で、決して余裕があるわけではないという。自宅を使って運営している人は、食料品を保管するスペースがないという問題もあるようだ。  このほか、開催していることを近隣に周知する難しさを訴える声も上がった。まずは同商工会内でPR・サポートする案が話し合われたが、小中学校や放課後児童クラブ、子ども会などと連携してチラシを配ったりイベントと同時開催し、利用を呼びかけるのも一つの方法だろう。  このように課題は少なくないようだが、経済界が先頭に立って子ども食堂を応援し、地域振興につなげようとする取り組みには意義がある。引き続き注目していきたい。

  • 【本宮市】高松義行市長インタビュー【2024.3】

    経歴  たかまつ・ぎぎょう 1954年生まれ。大正大仏教学部卒。1995年から旧本宮町議。2007年から本宮市議、2011年1月の市長選で初当選。現在4期目。  ――昨年10月に「定額タクシー・まちタク」を本格運行し、乗合タクシーが「チョイソコもとみや」としてリニューアルしました。  「デマンド型乗合タクシー、定額タクシー、コミュニティバス、路線バス、鉄道の五つを組み合わせることで、公共交通をより利用しやすくする狙いです。以前の公共交通システムと比べ、利用者が10%増えました。システム改修後に利用が増えているということは、全体として利便性が高まったと捉えます。専門家によると、公共交通システムを改修して2、3カ月間は変化に戸惑い一般的には利用率が下がるそうですが、本宮市の場合は前例を覆しています。  ただ、一部地域では以前のデマンド型乗合タクシーと比べて使い勝手が異なり利便性が下がったとの声が出ました。誰もが納得できる形を目指して改善を重ねていきたいです。  公共交通の在り方をご理解いただくために市の丁寧な説明が必要だと感じています。以前の公共交通システムの利用状況と、今回の利用状況を比べてどのような差が出たのか検証していかなければなりません。  公共交通の利用は、温室効果ガス排出を抑制する『ゼロカーボン』につながるので、多くの方に積極的に活用してほしいです」  ――市では「ゼロカーボンシティ」の実現に向けた取り組みを行っています。5月には水素ステーションがオープン予定で、市でも水素自動車を導入予定です。  「365日24時間営業の水素ステーションが日本で初めて稼働します。なぜ本宮市に設置されるのか。これはあくまでも推測ですが、内陸型の都市工業用物流都市でモデルに適している、さらにゼロカーボンに前向きな企業が多いからではないでしょうか。  水素自動車(FCV)の普及率は電気自動車(EV)に及びません。本宮市では今後、ガソリン車とEV、FCVを組み合わせ、一番効率的なベストミックスを探りたいと思います。水素ステーション利用を普及させるために、まず市長車、副市長車、議長車をFCVにします。幸い、市内の企業が後に続き、数社がFCVを導入しています。  FCVはゼロカーボンシティを目指す一つの手段です。市はこれまでにペーパーレス化に取り組んだり、書類を綴じるファイルを石油由来の物から紙製に変えたりしています。各家庭には太陽光や蓄電池の設置や生ゴミ処理機購入を補助しています。誰もが手軽に貢献できるのは、先ほど申し上げたように公共交通利用です。  4月からはゼロカーボンの達成度を可視化しようと考えています。二酸化炭素排出をどれだけ抑えられたかを市が計測し公表します。市民と企業の方々と達成度を共有して次の目標を目指すということを繰り返していけば自ずと成果が出るのではないでしょうか。2050年までにゼロカーボンシティを目指す本市の目標が夢物語ではなく現実に近づいていると実感してほしいです」  ――1月に能登半島地震が発生しました。震災や台風の被害を乗り越えてきた本宮市として、大地震をどのように受け止めましたか。またどのように対策をしていますか。  「多くの方が亡くなり、今も厳しい避難生活を送っている被災者の方にお悔みとお見舞いを心から申し上げます。  安全安心の確立があって初めて行政は自治体の発展や住民の幸せ実現を掲げられると改めて感じました。防災対策はまずは耐震化や堤防の補強などハード対策です。本市は東日本大震災、令和元年東日本台風で大きな被害を受けましたが県や国、周辺自治体の助力を得てハード面の復旧は進んでいます。  ソフト面は人々の避難行動への働きかけです。本宮市は逃げ遅れゼロを目指し、個人に緊急時の対応をあらかじめ記したマイ避難カード作成を呼び掛けています。年に1度は地域や職場で避難訓練し、いざと言う時に対応できるようにしてほしいです。地震、水害、火山災害など災害の種類によって対応は違ってきます。全ての方が緊急時に命を守る行動がすぐ取れるように、行政は準備を進め、地域社会と連携して備えていきたいです」  ――アサヒビール園福島本宮店は前事業者が撤退の意思を示しましたが郡山市の企業が事業を引き継ぎました。同施設に何を期待しますか。併せて、東北道本宮インターチェンジ周辺の開発の見通しを教えてください。  「ビール園は存続して本当に良かった。本宮市のランドマークと言ってもよく、ビールを愛する人たちが集う交流の場です。市は水面下で存続へと働きかけをしていました。市民の思いを汲み取って引き継いでいただいた会社にはお礼を申し上げます。  コロナ禍で縮小した外食需要が戻ってきており絶好の機会です。市も側面支援していきたいです。大人数が収容できるので、これまでは市役所の納涼会に使ったり、来賓が大勢いる時に利用していました。ビール園は工場が多く物流都市である本宮らしい場所でもあり、今後も賑わいの一角であってほしいです。  本宮インター周辺の開発に関する費用を来年度予算案に組み込んでいます。周辺にはビジネスホテルが進出します。さらに大型のショッピングセンターを呼び込むのが目標です。JRの駅と本宮インターは本市の玄関口です。地権者の理解をいただきながら周辺の開発を進め、内陸型物流工業都市としてさらなる発展につなげます。本宮はかつては多くの人が行き交う宿場町でした。人が集う場所として、現代に新しい形で宿場の機能を復活させたいです。誘致については交渉事ですから、焦らず地に足を付けて臨みます」  ――重点施策についてお聞かせください。  「『人口の減らない市』を掲げています。日本全体で人口が減るという厳しい現実を直視し、右肩下がりを少しでも緩和するためにあらゆる努力をします。本市の人口動態は過去3年間は社会増ですが、自然減を合わせると全体では減っており楽観できません。自然減、すなわち生まれるお子さんが減っているのは日本全体を取り巻く問題であり、政府に方針を示していただいたうえで、自治体としてできることに尽力します。  移住に対する補助金を手厚くすれば住んでくれるかと言うと、決め手にはつながらないのではないでしょうか。やればやるだけ自治体間の競争に陥る恐れがあります。本市はポテンシャルを生かし、バランスの取れた地域づくりに重きを置いていきます。公共交通の大幅な改良も少子高齢化対策の一つです。2024年度を一つの区切りとして、これまでの取り組みの結果を冷静に分析して次なるステップに進みたいです」

  • 【本宮市】高松義行市長インタビュー

     たかまつ・ぎぎょう 1954年生まれ。大正大仏教学部卒。1995年から旧本宮町議。2007年から本宮市議、2011年1月の市長選で初当選。現在4期目。  ――無投票で4選されました。 「3期目に続いて4期目も無投票になり、これをどう捉えるかは有権者の皆さんがそれぞれ考えることだと思いますが、大きく分けて2つ言えると思います。1つは本宮市政に対して無関心な方の増加、もう1つは信任していただいたということです。どちらにしても、無投票で信任をいただいたことについては責任を重く感じています。また、政治や市政に全く関心がない市民がいることにも大きな責任を感じなければならないと思っています。いずれにしましても、無投票で4選を果たし、4年間の市政執行の機会をいただいたことについて、謙虚にその思いを受け止めながら一生懸命やっていきたいと考えています」 ――選挙後は人口減少対策を最優先課題に挙げていました。 「一言で『人口減少対策』と言っても難しい課題で、特効薬はありません。まずは市民サービスをバランスよく提供していくことによって住みよさや安心度、快適度、幸福度が生まれてくると思っています。子育てや教育面、学力向上などはもちろん、高齢福祉やインフラ整備など、一つひとつ丁寧に市民の方々の思いに寄り添った中で、バランスがとれた市民サービスをつくり上げていく必要があると思っています。 もう1つ、大切なのが発信力です。本宮市は住みやすくたくさんの方に住んでいただいています。そのことをしっかり発信していくことに加え、それをどこに発信するかも重要です。おかげ様でここ2年間は転出より転入が多く、社会動態は増加に転じていますが、県内の近隣自治体での人口移動では意味がありません。やはり首都圏や他県の方々にこの福島県、本宮市に住んでいただきたいと思っており、そのための施策を講じていきたいと思います。しっかりとした発信力を持ちつつどこに向けて発信していくかを重要視しながら、人口の減らない本宮市をつくっていきたいと思います」 ――以前から白沢地区の人口減少対策に取り組んでいます。 「様々な施策を展開してきましたが、なかなか実績として上がっていません。まずは焦らず白沢地区の良さを知ってもらう取り組みが必要と思い、交流人口や関係人口拡大に取り組んできました。白沢地区には岩角山や震災後にはプリンス・ウイリアムズ・パークが整備され、そういった白沢地区にある名所を生かしながらいい部分を発信してきました。 いま検討しているのがゲストハウスのような宿泊体験施設です。1週間ほどお試しで白沢地区に住んでいただき、白沢地区の住みよさを味わってほしいと思います。その宿泊体験で気に入っていただいた方に住居をどう提供していくかも大事ですが、せっかく農村に住むのだから、それぞれ古民家のような空き家に住みたい方、新居を建てるための土地が欲しい方、加えて農地も欲しい方など、好みがあると思います。その辺の思いを汲みながら、どう紹介していくかといったきめ細かいサービスを行うことが大切だと思います」 新たな公共交通を模索  ――子育て世代の転入を増やすうえでは教育面も重要です。 「教育環境は子育て世代にとって非常に大切です。家族で住むことになれば、高校進学のための学力を心配する方も多く、子育て世代へどう対応していくかというのは大事ですし、学力ばかりではなく体力向上も重要です。教育委員会でも、それぞれの学校において、課題を明確にしながらプログラムに沿って学力向上を目指す取り組みを行っています。 また、妊婦の方や出産後6カ月以内の産婦の方に向けて、市では『出産ママヘルプ事業』と銘打ち、家事や育児の支援が必要なご家庭に、ワンコインでヘルパーを派遣する事業を行っています。市内には子どもが遊べる場所が多く、いまは恵向公園の整備を行っており、子どもばかりでなく高齢者も楽しめる公園を提供できたらと思います。おかげさまで子育て世代の転入も増えていますが、今後も様々な施策を続けていきたいと思っています」 ――昨年からは定額タクシーの実証運行を行ってきました。 「市民の皆さんの様々な声を聞きながら、本宮市の新公共交通システムをつくりあげるべく取り組んでいますが、その1つが会員になれば定額料金で一般の小型タクシーを利用できる『まちタク』です。市内の一部の地域では、以前よりデマンドタクシーを行っていますが、行き先が限定されるなどサービスが行き届いていませんでした。そこで『まちタク』は、乗降できる施設を大幅に増やしました。また、いままでの巡回バスをコミュニティバスに変更するなど、市内の公共交通システムを大幅に変更する取り組みを行っています。これは福島大学の吉田樹准教授をアドバイザーに迎え、様々な年代の市民と一緒になってつくりあげています。実証運行を行っている『まちタク』は利用者の反応も良く、改善を加えながら10月1日を目標に新たな公共交通システムの一つとして導入を図りたいと思っています。 移動手段のない高齢者はもちろん、移住してきた方々には自家用車や免許を持たない方もいますから、そういった方々への一定の交通手段は確保できると思います。また、鉄道が運休した際の代替交通としてバスが活用されており、移動手段の選択肢の1つにこういった公共交通システムは必要と実感しています。当然、それを維持できる財政状況を守っていくことも必要です」 ――JR五百川駅周辺整備を進めています。 「駐停車場の整備工事が着工しました。駅前が狭く危険だったため、まずは安全な駐停車場の確保を目指しています。今後はJRとの協議でトイレやバリアフリー化の整備を随時進めていくことになります」 ――本宮インターチェンジ周辺の開発も進められています。 「五百川駅周辺整備や交通の利便性に加え、人を呼び込めるような施設を考えたとき、商業施設がいいのではと思い、様々な商業施設と交渉しています。ほかにも様々な企業と交渉を進めていますので、いい形にしていきたいと思います。完成すれば多くの人々が集まる場所になり、渋滞も予想されますので、そういった対策も合わせて進めていきたいと思います」 ――今後の抱負を。 「市民の皆様から4年間の舵取りを任されましたので、市民の方々と一緒になって元気な本宮市をつくる先頭に立っていきたいと思います。これまでの12年間は震災・原発事故や水害、地震、そして新型コロナウイルスなど市民の皆さんにも多くの苦労があったと思います。これからの4年間は市民の皆様が穏やかに過ごせて活気あるまちになるよう努力していきたいと思います」 本宮市のホームページ 掲載号:政経東北【2023年3月号】

  • 本宮市の用水路工事が住民の苦情でストップ

     本宮市高木地区で行われていた市発注の用水路工事がストップしているという。  ある関係者によると、「同事業は市が実施しているもので、昨年秋ごろに工事が始まったと思ったら、すぐにストップした」とのこと。  市のホームページで入札情報を確認したところ「高木字戸崎地内水路改良工事」の入札が昨年9月8日に行われており、この工事を指していることが分かった。  前出の関係者はこう話す。  「同工事は、農地脇に用水路を通すもので、十数軒の権利者(農地所有者)がいるのだが、そのうちの1人? 数人? が市にクレームを付けたそうです。具体的には、農地脇の土手のところに作業用道路を通して、用水路工事完了後は元に戻すことになっていたようだが、その過程で(農地所有者に)きちんと説明する前に、農地脇の土手の一部に土を入れて埋め立ててしまった。それに、一部農地所有者が怒り、工事をストップさせた、と」  その後、市は関係者に対して説明会を実施するなど、対応に追われ、工事はストップしたままという。  本宮市建設部に確認したところ、「昨年9月に工事がスタートしたが、地元の方から要望があり、中断している」とのこと。  そのうえで、担当者は次のように説明した。  「この間、2回、地元の方を対象に説明会を実施しており、そこで出た要望などを踏まえながら、地元の方の要望に沿うような形で進めたいと思っています。もともと工期は今年度末まで(2023年3月末)でしたが、それを受け、この12月議会で、2023年度(2024年3月末)まで繰り越すための関連議案を提出して承認いただきました」  最後に、前出の関係者は次のように話した。  「もちろん、市(受注業者)の対応ももっとやりようがあったんだろうけど、そもそも、市にクレームを入れた人の農地は耕作されていなかったんです。ですから、そんなに怒らなくても、と思いますけどね」

  • 【本宮市商工会・本宮LC・本宮RC】子ども食堂に広がる支援の輪 

     本宮市商工会(石橋英雄会長)は昨年12月、同市社会福祉協議会と市内の子ども食堂5団体に寄付金や日用品、コメ、食品などを贈呈した。同商工会は、通常業務以外にも社会貢献活動に積極的に取り組んでいる。昨年7月に同社協とフードバンク事業協定を結び、贈呈は今回で2回目。「地域の子どもを元気にしたい」という思いからスタートした支援の輪は徐々に広がり、同商工会の趣旨に賛同した本宮ライオンズクラブ(佐藤仁会長)、本宮ロータリークラブ(佐々木嘉宏会長)が新たに活動に加わった。協賛会員も38事業所に増加しコメ、野菜、寄付金のほか、おもちゃや児童書も贈られた。  贈呈式で石橋商工会長は「この活動も徐々に規模が大きくなってきている。まだまだ知られていない取り組みだったが、マスコミの報道により地元の大きな企業も是非参加させてほしいとの申し込みがあり賛同を得られた。一過性で終わること無く長期間継続し、本宮市だけでなく近隣市町村、福島県全域に活動の輪が広がっていくことに期待したい」と語った。  子ども食堂の代表者は「まだまだ子ども食堂を取り巻く状況は厳しい。調理師など専門家もいるがほとんどがボランティアで構成されている。本当に支援を必要としている人の利用は少ないように思えるが、もっと気軽に声をかけてもらえれば色々な手助けが出来ると思う。スタッフも高齢になって活動も鈍くなっているが地域の賑わいや子どもたちの健康を願って頑張っていきたい」と謝辞を述べた。  別の受贈者は「少人数で活動しているため、自分の活動が本当に役立っているのか、気持ちが落ち込む時もあります。ですが、皆さんの声援と子どもの元気な顔を見ると頑張る力になります」と話した。  日本は子どもの貧困率が年々問題になっている。現場の支援者たちの苦労に地域は支援の輪で報いたい。これからを担う子どもが元気に育ってほしいという思いは誰もが一緒。支援の輪がもっと広まることを願う。  本宮市と同商工会では、経済の落ち込みにもテコ入れをしている。新型コロナ後に第2弾となる30%のプレミアム付き商品券を発行し、2月17日まで利用を受け付けている。今回は1万セット販売した。  参加店は約600店舗。飲食店や小売店以外にも、建設会社、電気設備会社、左官業、板金業なども参加しているので、修理にも使えて便利。迷ったら「この券使えますか」と差し出せばほとんどが受け付けてくれるだろう。せっかく買っても引き出しの奥に眠っているかもしれない。地元経済を回すためにも、使い切ってほしい。