田村署小野分庁舎の虚偽文書作成事件【ふくしまの事件簿#17】

 2020年1月に田村市で発生した自動車の追突事故を捜査した当時田村署小野分庁舎の青木優太巡査長(37)が、虚偽の捜査書類を作成したなどの罪に問われ、無罪を主張している事件では、交通事故捜査の詰めの甘さが露見した。

交通事故捜査の詰めの甘さが露呈

 一例を挙げると、事故現場に一番先に到着した警察官からの引き継ぎメモを現場で確認しなかったり、後日事故当時者の住所を特定するため2003年版の電話帳を参照し、現在も住んでいるか電話確認せずに捜査書類に記入する等々。青木巡査長は法廷で「小野分庁舎内では他の警察官も2003年版の電話帳をそのように使っていた」と発言した。

 虚偽捜査書類作成事件の本質は、警察官による不適切な交通事故の書類作成、さらに警察署内のチェックの抜かりから、実際のけが人は2人なのに「けがを負った被害者は1人」と誤った捜査書類が検察に届けられ、起訴判断を歪めた点にある。被害者2人は、病院の診断書を小野分庁舎に届けたが、交通事故捜査担当の青木巡査長は1人分しか処理していなかった。事故の加害者は、1度は不起訴になったが、検察審査会を経て略式起訴され、罰金の略式命令を受けた。

 検察官や裁判官は、冒頭に挙げたような警察署内での捜査手法について質問を投げかけた。青木巡査長が「分庁舎内では問題ないやり方だった」と答えたため、不適切な書類作成の責任が組織(小野分庁舎)に波及する事態となっている。秘匿性が高い捜査機関の内部事情が明らかになる貴重な裁判だ。次回は論告弁論で、2月28日午前10時15分に開廷する予定。

関連記事

  1. 収まらない福島県職員贈収賄事件【赤羽組】【東日本緑化工業】

    収まらない福島県職員贈収賄事件【赤羽組】【東日本緑化工業】

  2. 福島県会津若松市パチンコ店「狂言強盗事件」②

    福島県会津若松市パチンコ店「狂言強盗事件」②

  3. 【第1弾】田村市・元職員「連続収賄事件」の真相

    【第1弾】田村市・元職員「連続収賄事件」の真相

  4. 【会津坂下町】集落協定交付金着服事件を追う

    【会津坂下町】集落協定交付金着服事件を追う

  5. 飲食店内で女性店員に下半身露出【ふくしまの事件簿#24】

  6. 鏡石駅前の惨劇【暴走車死傷事故】ふくしまの事件簿#3

    鏡石駅前の惨劇【暴走車死傷事故】ふくしまの事件簿#3

  7. 8カ月間も「野放し」だった福島市在住【連続自殺ほう助犯】

  8. 【陸自郡山駐屯地強制わいせつ事件】「口裏合わせ」を許した自衛隊の不作為

    【陸自郡山駐屯地強制わいせつ事件】「口裏合わせ」を許した自衛隊の不作為

政経東北 最新号

月刊「政経東北」2026年2月号

人気記事

  1. 【猪苗代町】飛び地メガソーラーが「認定取り消し」
  2. 政経東北【2026年2月号】
  3. 【和久田麻由子】NHK女子アナの結婚相手は会津出身・箱根ランナー【猪俣英希】
  4. 【天栄村】犬同伴コテージ「死亡火災」の一部始終
  5. 手厚すぎる公務員「病気休暇制度」
  6. いわき信組「反社資金提供問題」報じられないもう一つの真実
  7. 【玄葉光一郎】衆院議員空虚な「知事転身説」

最近の記事

  1. 【楽天ドラフト4位】「打てる捕手」大栄利哉選手(学法石川)に迫る
  2. 8カ月間も「野放し」だった福島市在住【連続自殺ほう助犯】
  3. 馬場・福島市長の「独特な話術」 馬場・福島市長の「独特な話術」
  4. 【二本松市長選顛末記】三保市長に肉薄した安部章匡氏とは何者か 【二本松市長選顛末記】三保市長に肉薄した安部章匡氏とは何者か
  5. 可もなく不可もなく過ぎた内堀県政11年 可もなく不可もなく過ぎた内堀県政11年
PAGE TOP