すがま・やすいち 1959年生まれ。福島大中退。福島県総務部政策監、県観光物産交流協会常務理事、玉川村副村長などを歴任。2023年同村長選で初当選。現在1期目。
70周年の節目を盛り上げていく
――就任から2年が経ちました。
「多くの村民、議会、職員の皆様、先輩首長のご理解、ご支援、ご協力、ご指導に深く感謝します。この間、『時代とともに進化し、多くの方に選ばれる村づくり』という基本コンセプトのもと、村民の皆様と意見交換を重ねながら、魅力と活力あふれる村づくりに取り組んでまいりました。課題解決にあたっては、『できない理由』を考えるのではなく、『どうすればできるか』を常に意識する習慣を庁内で浸透させながら『玉川モデル』の創造に向け鋭意努めてきました。引き続き『生まれてよかった、住んで良かった、選んで良かった、そして住んでいる人が誇りを持てる村づくり』に向け全力で取り組んでまいる考えです」
――選挙公約の進捗について。
「人口減少対策は、自然減については国家的な対応が必要な部分もありますが、社会減については、村からの人口流出を抑え、移住人口を増やす施策に努めています。具体的には、本村を知ってもらうための情報発信、賑わい創出による交流促進、関係人口の創出、二地域居住の推進、さらには空き家・空き店舗を活用した『おにぎりラボ』、『とりちゅう(ラーメン店)』、『プレステイたまかわ(宿泊施設)』のオープン、旧教員住宅の移住体験住宅としての活用などが挙げられます。少子化対策は、各世代に応じた取り組みとして、出産前の相談体制、誕生祝い金の支給、子育て支援補助金など、人的・経済的両面からの支援も実施しています。高齢化対策では、御用聞きサービスを核とする『高齢者QOL(生活の質)向上実証事業』を重点に、高齢者サロン、認知症カフェなどを展開しながら、高齢者が生きがいを持って元気に暮らせるよう支援しています」
――昨年オープンした「乙な駅 たまかわ」の利用状況について。
「同施設は、高名な建築家・隈研吾氏が若き日に設計した旧蕎麦店の建物をリノベーションし、昨年9月28日にオープンしました。6月末までに6万7000人を超える方が訪れ大変好評です。今後はたまかわにこだわった商品やサービス提供を強化し、ワークショップ開催など、親子で楽しめるイベントも企画しています。『道の駅たまかわ』、宿泊施設『森の駅yodge』、『すがまプラザ交流センター』、『アーバンスポーツたまかわ』など、本村の交流拠点を連携させながら回遊性の向上を図り、関係人口、ひいては移住・定住につなげていきたいと考えます」
――その他の重点事業について。
「阿武隈川の緊急治水プロジェクトを始め、乙字ヶ滝公園と一体となった乙字ヶ滝かわまちづくり計画、移住者向けの宅地分譲、JR泉郷駅前の開発、小学校の統合などを重点施策として取り組みます。特に小学校統合は、少子化と校舎の老朽化が進む中、新たに校舎を建設し、中学校を併設することも視野に入れ検討を重ねていきます。本村は今年村制施行70周年を迎えました。先人のたゆまぬ努力と村民の皆様のご協力に感謝し、今後も皆様と手を携えながら、歩み続けていく所存です。70周年記念式典や天童よしみコンサート、玉川大学による演奏会などを通じて、村民の皆様と共に盛り上げていきたいと考えます」