【喜多方市】遠藤忠一市長インタビュー【2026年】

経歴

えんどう・ちゅういち 1948年1月生まれ。喜多方高校卒、日本酪農講習所修了。喜多方市議、県議を経て2018年の喜多方市長選で初当選。現在3期目。

――1月に実施された市長選を制して3選を果たしました。選挙戦を振り返っていかがでしょうか。

「市長選挙では、市民の皆様からのご信任をいただき、3期目の重責を担わせていただくことになりました。引き続き、本市のまちづくりの舵取り役を任せていただくことを光栄に感じるとともに、本市の美しい自然や食文化、温かな人情を守りながら、次世代に誇れるまちづくりを推進していく責任の重さを改めて実感しています。

今回の選挙では『対話と共感』をキーワードに掲げました。世界は今、分断と対立のニュースで溢れており、お互いが自らの正義を振りかざし、傷つけあっています。私たちはそんな未来を選択してはいけないと考え、オール市民でのまちづくりに努め、『誰一人取り残さない・わくわくする』市政運営に努めることを訴えました。社会情勢は人口減少や物価高騰など課題が山積していますが、市民の皆様の負託に応えるべく、強い使命感を持って取り組みます」

――昨年9月に喜多方市財政健全化プランを策定しました。

「本市は、令和4年8月の豪雨災害や、近年の物価高騰、さらには豪雪災害など、想定外かつ大規模な財政需要が短期間に集中しました。市民サービスを維持しつつ、そうした課題に迅速に対応した結果、財政調整基金が急激に減少しました。そこで、基金繰入に依らない持続性の高い財政構造を実現するため、令和7年度から9年度までの3カ年度を期間とする『財政健全化プラン』を策定したところです。具体的には『歳入の確保』『総人件費の抑制』『公共施設の在り方の見直し』など5つの視点で事務事業の見直しを徹底しており、基金残高15億円以上の確保を目指しています。令和7年度末時点の残高は約7億6500万円となり、前年同時期の約5億5300万円から着実に積み上がっています。令和8年度当初予算においても、基金繰入に依らない予算編成を行うことができました。今後も将来世代に負担を残さないよう、全職員一丸となって財政健全化の取り組みを進めます」

――今年1月で合併20周年を迎えました。

「本市は令和8年1月4日に、旧5市町村の合併から20周年を迎えました。この節目を市民の融和と一体感の醸成を図る機会と捉え、記念事業を実施しています。今回は華やかな式典は行わず、20年の歩みを振り返る動画を制作し、令和8年1月5日の新春市民の集いで披露しました。また、特設ホームページの開設や、『20周年記念』の冠称を付して実施する連携事業の募集なども行っています。今年は全国規模の催しも続きます。7月に県営荻野漕艇場での『全日本中学選手権競漕大会』、9月に『全国市町村交流レガッタ喜多方大会』、11月には本市ならではの『全国醤油サミット』を予定しており、これらの機会を通じて喜多方の歴史と伝統文化を全国に発信していきます」

――2月にエプソン販売株式会社と「地域活性化起業人制度」に基づく協定を締結されました。

「2月17日にエプソン販売株式会社と地域活性化起業人の派遣に関する協定を締結しました。本市初となるこの取り組みにより、4月から最大3年間、社員1名を派遣いただいています。柱となるのは『シティプロモーションの強化』と『DX推進』の2分野です。プロモーションは、首都圏や関西圏でのPR活動や市公式SNSの訴求力強化、民間ならではの視点によるブランド力の向上に取り組んでいます。DX推進は、市役所の窓口業務改善やペーパーレス化、市内企業への支援などを進めていただいています。派遣されている起業人の方は日々精力的に従事しており、市職員も刺激を受け、非常に良い雰囲気の中で行政サービスの向上につなげています」

――昨年8月にココホレジャパン株式会社と連携し「喜多方市継業バンク」を開設しました。

「地域で親しまれた飲食店や伝統産業が、後継者不在によって途絶えてしまう『事業承継問題』は、地域の魅力と経済を減退させる深刻な課題です。そこで、ココホレジャパン株式会社と連携し、事業を譲りたい人と受け継ぎたい人を結ぶ『継業バンク』を昨年8月に開設しました。これは会津地域の行政機関では初の活用となります。現在は商工団体と連携し、山都町宮古地区のそば店などが後継者を募集しており、問い合わせも増え始めています。また、農業分野でも連携して案件発掘に取り組みます。開設はゴールではなくスタートであり、官民が密に連携して大切な地域資源を守り抜いていきます」

――今年度の重点事業について。

「今年度は、少子化や人口減少、物価高騰、自然災害の頻発など山積する課題解決のため、『子育て世帯に寄り添った政策』、『防災力の強化』、『産業への継続的支援』、『早期の財政健全化』、『地域医療の確保』、『市民との対話拡充』の6つの政策を柱に掲げています。特に最重要課題である人口減少対策は、結婚・妊娠・出産から教育まで切れ目のない支援を充実させます。具体的には、国支援の小学校給食費無償化に加え、本市独自で食材費の差額約1200円を負担するほか、中学校についても早期に無償化に取り組みたいと考えています。また、産業振興やDX、カーボンニュートラルの推進、『日中線しだれ桜並木』や『喜多方ラーメン』『そば』など、地域の強みを生かした活性化を図ります。先人の努力から学び、知恵を出し合う『温故創新』の精神のもと、全ての市民が笑顔にあふれ、希望に満ちた人生の設計ができる喜多方の実現に向け、全力で取り組んでいきます」


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