名簿悪用し女子生徒を狙った手口
相馬市内の住宅敷地に侵入し、入浴中の女性を撮影しようとしたとして、住居侵入と性的姿態等撮影処罰法違反(撮影未遂)の罪に問われていた、県立ふたば未来学園中(広野町)の元男性教諭に2月3日、地裁相馬支部(岩田真吾裁判官)は懲役1年執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。元男性教諭は元教え子の女子生徒が入浴する様子を盗撮しようと、教員が見られる生徒名簿を目的外使用して住居を割り出していた。
有罪判決を言い渡された元教諭は、相馬市在住の佐藤弘章氏(32)。佐藤氏は昨年4月と9月、2023年度以前に勤めていた中学の元教え子2人の自宅敷地に侵入し、小型カメラを使って入浴中の家族を撮影しようとしたところ、犯行に気付かれて未遂に終わった。犯人は特定されていなかったものの、贖罪の意識が芽生えると同時に逮捕されて実名報道され、教育関係の職に就く親族に影響が及ぶのを避けようと、在宅起訴を狙って自首したが逮捕。同11月に県教委から懲戒免職処分を受けた。佐藤氏の父・由弘氏は大熊町教育長を務めている(任期2023年4月~26年3月)。
取り調べによると、佐藤氏は以前勤務していた学校の生徒名簿を見て、犯行当時住んでいた自宅から近い元教え子の家を選んでいたという。教員が教え子宅に侵入し盗撮する事件の衝撃の前に霞んでしまうが、個人情報の悪用も見過ごせない。