【福島県温泉協会】草野正人 会長インタビュー《2025年》

【福島県温泉協会】草野正人 会長インタビュー《2025年》

経歴

くさの・まさと 甲子温泉旅館大黒屋社長。今年5月に福島県温泉協会会長に就任。日本秘湯を守る会理事、日本源泉湯宿を守る会副会長などを兼務。

 ――4月から6月までふくしまプレDC(デスティネーションキャンペーン)が実施されました。

 「福島県は温泉地数が全国で4位と、非常に多くの温泉地がありますが、前回のDC(平成27年開催)では、プロモーションで福島県の温泉地数の多さなどの優位性は語られず、強みを十分に生かしきれませんでした。今回のふくしまDCのキャッチコピーは『しあわせの風ふくしま』で、4つのメインテーマに『温泉』という文字は含まれていませんが、私たちはこの機会を逃すことなく、『福島県の温泉』を積極的にアピールし、誘客に貢献していきたいと考えています。プレDC期間中は、温泉地の女将さんたちが駅で温泉地のPR活動を行うなど、地道な努力を続けてきました。温泉施設が宿泊を通じて利用客に貢献できるよう、インフラとして下支えしていくことが重要だと考えています」

 ――新型コロナウイルスの5類移行から2年が経過しました。

 「コロナ禍では、県の補助金や全国的な割引など、様々な支援がありましたが、現在はそうした支援が一切ない状況です。加えて、いまだに原発事故に伴う風評もあります。各施設が自力で努力し、お客様に『また来たい』と思ってもらえるようなサービスを提供していくことが重要です」

 ――今年2月、高湯温泉にあるホテルの支配人ら3人が温泉の源泉管理の作業中に硫化水素中毒で亡くなるという痛ましい事故が発生しました。

 「現在、高湯温泉旅館組合と県が連携し、ガイドラインを作成中です。温泉協会としても、そのガイドラインが完成次第、それに沿った研修会などを実施していく予定です。これまで温泉の湯船に関するガイドラインはありましたが、源泉での事故は福島県では前例がないため、慎重にガイドラインを作成している状況です」

 ――今年度の重点事業について。

 「日本の温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録に向け、温泉協会と県旅館組合が一体となって取り組んでいきます。これにより、インバウンドのお客様にも『温泉』という共通言語で福島県の魅力を伝えていきたいと考えています。また、安全対策として、硫化水素に関するガイドラインが決定すれば、それに基づいた研修会などを実施する予定です。お客様から大変好評いただいている温泉トラベルマップ『Spap』については、今年度から予算をつけ、スマートフォンでも見られるようにします。紙ベースのマップに加え、ダウンロードしてオフラインでも気軽に温泉地情報を閲覧できるようにすることで、利便性を高めることが目的です。そのほか、勉強会やセミナーの実施、公式ホームページの活用、会員拡大事業、関係団体との連携強化なども進めていきます。源泉保護や温泉ガス対策についても、行政の指導の下で貢献していきます」 

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