伊達市梁川町の梁川八幡神社(關根誠宮司)に、今年もフクロウの幼鳥が姿を現した。毎年境内のケヤキの〝うろ〟に巣を作り、大型連休近くになると、そこから巣立った幼鳥が親鳥と飛ぶ練習を繰り返す。
5月8日、同神社境内に足を運ぶと、近隣の住民や写真愛好家が、我が子を見守るような目で、巣の近くに立つスギの木を見上げていた。わずかな期間で高いところまで飛べるようになったようだ。
夫婦で訪れていた女性は「毎年見に来ている。昨年はカラスに追われたヒナが田んぼに落ちて、氏子の方に救出されていた。心配でつい見に来てしまう」と笑いながら話した。
伊達市在住の写真愛好家・Nさんは「2021年から訪れている。簡単には撮影できないが、フワフワでかわいらしいのが被写体として魅力」と語った。
禰宜の關根亘さんによると、昔からフクロウの鳴き声は聞こえていたが、2019年、修復工事中の本殿の建設養生ネット内に幼鳥が迷い込み、救出したのを機に、毎年姿が見られるようになった。遠くから足を運ぶ人がいるのを受け、拝殿にフクロウの石像を設置したり、ホームページやSNSでフクロウについて情報発信している。
福島市小鳥の森のレンジャー・増渕翔太さんによると、「個体差があるので一概には言えないが、秋ぐらいまでは巣の近くで親鳥とともに行動するのではないか」とのこと。ただ、近隣住民によると目視できるのは巣立ってから2、3週間程度だとか。わずかな時期しか見ることができない〝森のアイドル〟が今年も多くの人を魅了した。