【福島県 建設業界インタビュー】髙萩俊 県南建設事務所 所長

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 ──福島県沖地震の被害について。

 「当管内では、一部区間で道路を横断するボックスカルバートや、橋梁などの道路構造物と土工部の間で、小規模な段差、クラックなどが確認されましたが、特に大きな被害はありませんでした。今後も、地震が発生した場合等でも、被害を最小限に抑えられるように、適切に維持管理に努めていきます」

 ──10月2日に国道349号下関工区が全線開通しました。

 「当該事業箇所は、茨城県境に近く、大型車両も比較的多く利用していますが、集落の中を通る非常に狭隘な区間で、地元にお住まいの方や、道路を利用される方々にご不便をおかけしていました。このたびの完成で、大型車のすれ違いが円滑となり、歩行空間も確保され、安全・安心な通行が実現されました。今後は、関東地方から福島県へ広域的な交流・物流の活性化や観光、産業振興が促進され、矢祭町をはじめとする県南地域が活力に満ちた魅力ある地域としてさらに発展していくものと期待しています」

 ──今年度の重点事業について。

 「令和元年東日本台風で被災した公共土木施設153箇所のうち、151箇所で復旧が完了しています。残る2箇所は今年度中に完了する見込みです。近年頻発する自然災害から生命や財産を守るため、渡良瀬川等の河川改修や、河道掘削、堤防補強、土砂災害対策等の防災・減災、国土強靱化を推進していきます。
 また、県有施設について、戦略的に維持管理をするために、公共施設等総合管理計画に基づき、長寿命化対策を推進しています。

 道路については、県土の復興と地方創生に欠かせない広域道路ネットワークの構築に向け、物流や交流人口の拡大を図る国道294号(白河市・白河バイパス)や県土連携軸(南部軸)である国道289号(鮫川村・渡瀬工区)等、復興関連事業の早期完成を図るとともに、幹線道路の整備も推進していきます。

 建設業の担い手確保では、現場見学会を管内の小学校だけではなく、幼稚園、中学校まで拡大し、それぞれの年代に合わせた現場見学会を多数開催し、将来の担い手になるきっかけを作っています」

 ──今後の抱負。

 「『福島県総合計画』の部門別計画である『土木・建築総合計画』の地域別計画では『県境を越えた広域連携の中心として、自然、歴史、伝統文化をいかしながら、持続的に発展する県南地域』を基本目標に定め、この基本目標に向けて各種施策に取り組んでいきます。

 県土の南部軸となる国道289号のほか、国道349号、国道118号等の広域的な道路ネットワークの強化や幹線道路の整備を推進することで、地域の物流の円滑化はもとより、産業や観光の更なる振興を支援し、活力あるまちづくりを目指していきます。また、各水系の流域治水や砂防事業、県有施設の長寿命化事業等にも重点的に取り組み、災害に強いまち、安全で安心なまちづくりを目指していきます。

 県南地域が交通の利便性と防災力の高いまちとなり、更には関東に近い『地の利』を生かすことができれば、移住や二地域居住等の需要が高まり将来的な人口減少が抑制されるなど、地域全体の持続的な発展に期待が持てるようになります。

 本県の復興創生を地域の方々に実感していただき、次世代にしっかりとした社会基盤を残すため、また、『地域の守り手』である建設業が地域の重要な産業として発展するよう関係機関や建設業界等の皆様と連携して様々な取り組みを行っていきます」

たかはぎ・たかし いわき市出身。室蘭工業大学土木工学科卒。1989年福島県入庁。まちづくり推進課主幹、港湾課長などを歴任し、2020年4月より現職。

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