【菅家一郎】衆議院議員インタビュー【2026年】

【菅家一郎】衆議院議員インタビュー【2026年】

経歴

かんけ・いちろう 1955年生まれ。会津高、早稲田大卒。会津若松市議、福島県議、会津若松市長を経て、2012年の衆院選で初当選。復興副大臣などを歴任。2月の衆院選で5回目の当選を果たした。

自民党の比例東北ブロック公認候補として衆議院選挙に臨んだ菅家一郎氏(69、5期)は東北ブロックで5番目の当選を果たした。前回はいわゆる裏金問題をめぐり非公認となり、立候補を辞退した経緯があり、今回の当選に関しては謙虚に受け止めている。物価高対策や復興加速を課題に掲げる菅家衆院議員にインタビューした。

――2月の衆院選で比例東北ブロックでの当選を果たされました。現在の率直な思いを。

「多くの県民の皆さまのおかげで、比例東北ブロック公認候補として当選できました。名簿では単独24番目で、正直、厳しい順位だと思っていました。東北ブロックでは自民党の21人が戦い、19勝2敗の結果となりましたが、私は5番目で当選することができました。結果が出るのは夜中になることを覚悟していましたが、午後10時前には当選確実の一報をいただきました。公認候補として党本部から認めていただき、名簿に登録していただいたことで、こうした結果につながったと考えると、本当にありがたいです。

2024年の衆院選では福島3区への立候補直前に自民党から公認をいただけないことになり、上杉謙太郎先生(3期)との調整が必要な選挙区ということも踏まえ、出馬辞退という判断をさせていただきました。発端となった派閥パーティー券の問題に関しては、受け取ったお金に関しても全額選挙区支部に入金し収支報告書に記載していたので、裏金化していたわけではありませんでしたが、残念ながら〝不記載議員〟と同じように扱われました。ただ、検察や検察審査会では不起訴が相当との判断が示されたため、今回は公認していただいたものと捉えています。

初の女性首相である高市早苗首相が誕生し旋風が起きたことや、自公連立政権が解消され中道改革連合が設立されるなど、新しい政治状況の相乗効果で自民党が圧勝したことが大きな流れだと見ています。自分の力というより、党全体の流れの中で当選させていただいた認識です。福島県はもちろん、東北の有権者のために謙虚な姿勢でこの身を捧げるという覚悟を持って議員活動に取り組んでいこうと決意を新たにしているところです」

――今回、福島3区で当選を果たした上杉衆院議員とは、選挙戦でどのような形で連携したのでしょうか。

「2024年の衆院選では私が立候補を辞退し、福島3区から立候補された上杉先生が会津でも苦戦を強いられたため、大変申し訳なかったと責任を感じていました。今回は私が比例、上杉先生が小選挙区という形で、2人で力を合わせて支持を訴えました。

比例公認が決まってからは、私の後援者約3000人にショートメールを送りました。『選挙区は上杉謙太郎をお願いします、比例は自民党と書いてください』という内容です。すると、ほぼ100%の方から『菅家一郎に期待している』、『頑張れ』という返信をいただき、批判的な内容はありませんでした。会津地方で活動してきた私が自民党公認候補となったことで、投票所に足を運んだ方も多かったようです。このことは上杉先生にとっても大きなプラス要因になったと思います。上杉先生をはじめ、県内小選挙区で立候補した4人の先生方が全員選挙区で当選し、私も当選させていただけたので、本当によかったと思っています」

――物価高対策についてお考えをお聞かせください。

「アメリカ・イスラエルによるイラン攻撃以降、中東情勢が緊迫し、ホルムズ海峡が事実上封鎖されている中で、原油価格が高騰しています。円安による輸入品価格の上昇も重なり、企業経営や生活は大きな打撃を受けています。特に、車社会の地方で生活必需品のガソリンは現在、補助金で価格が抑えられていますが、中東情勢悪化が長期化すれば、さらなる対応が必要だと考えています。

こうした中、給料を上げてバランスを取るという方向性で、福島県でも最低賃金が1033円に引き上げられました。食料品への消費税の一定期間の減免については、自民党と連立を組む日本維新の会との間で議論を進めています。高市首相の判断をしっかり見守りながら、県内の企業や県民の生活を守るという立場で対応していきたいと考えています。

産業振興も重要になります。私の地盤である会津地方の基幹産業は農業です。昨年は米価が上がり生産者の収入増につながりました。〝米どころ〟である山形2区選出の鈴木憲和農林水産大臣(6期)と連携を図りながら、コメ農家をはじめとした生産者が安定して儲かる農業を実現できるよう取り組んでいきます」

――震災から15年が経過しました。風評被害対策と復興についてお聞かせください。

「震災当時、私は会津若松市長の3期目でした。大熊町の渡辺利綱町長(当時)から『町民の受け入れをお願いしたい』と要請をいただき、空いていた学校施設を子どもたちの学び舎として貸し出しました。4月には市文化センターで幼稚園・小学校・中学校の合同入学式を開きました。子どもたちの姿を見て胸が熱くなったのは今も忘れられません。

あれから15年経過し、津波被害からの復旧は形ができつつありますが、事故原発の廃炉作業、ALPS処理水の海洋放出、中間貯蔵施設に貯蔵されている除染土壌の最終処分や『復興再生土』の利用など課題は山積みであり、復興はまだ道半ばです。中国による水産物の輸入規制も続いており、森林の除染もほとんど手つかずの状況です。

風評払拭のためには、モニタリング技術の開発が重要です。例えばイノシシやシカ、クマなどの野生動物の肉をジビエ料理に用いる際は、個体ごとに計測して基準を下回ったものを出荷できる仕組みになっています。農産物やきのこ、山菜については市町村ごとに出荷が制限されている状況ですが、個別に持ち込んで測定し、科学的に安心・安全を証明できる仕組みも整えるべきです。精度の高いモニタリング機械を普及させ、科学的根拠をもとに出荷制限の見直しを進める。このことを国会議員として強く訴えていきたいです」

――最後に、県民の皆さんへメッセージをお願いします。

「市議会議員、県議会議員、市長、国会議員として約35年、政治活動を続けて、今回で10回目の当選となりました。天から与えられた議席という思いで、今まで培ってきた経験や人脈・コネクションをフルに生かし、福島県の復興加速に向けてお役に立てるよう働いていきたいと思います。

現在は衆議院国土交通委員会に属しており、道路・河川・観光などについて議論しています。県内でこの春、展開されているふくしまデスティネーションキャンペーンに関しても多くの方に足を運んでいただけることを期待しています。農業・観光業など会津の基幹産業を振興し、若者が夢を持って戻ってこられる福島をつくることが私の使命です。福島県は素晴らしいところだという自信を持って、地域づくりに全力で取り組んでいきます。そのために『働いて、働いて、働いていく』という覚悟を持って議員活動に努めていきます」

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