県は「健康長寿日本一」を目標に掲げ、県民の健康増進や介護現場の改善に向けた取り組みなどを積極的に推進している。本稿では、塩分摂取量の多さに起因する高血圧対策と、深刻化する介護人材不足への対応という2つの課題に対する取り組みを紹介したい。
減塩で命を守る
本県は全国的に見ても高血圧の人が多い地域として知られており、男性の塩分摂取量は全国1位、女性は2位(2019年国民健康・栄養調査)となっている。過剰な塩分摂取は高血圧の大きな要因であり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす深刻なリスクをはらんでいる。
こうした状況を受け、県は「おいしく減塩。一食マイナス2㌘」という具体的な目標を掲げた啓発活動を展開。さらに歩数や健康管理をポイント化し、県内店舗で特典が受けられる「ふくしま健民アプリ」の普及を推進しているほか、高血圧の予防・改善を呼びかけるキャンペーン「ウデをまくろう、ふくしま!」など、日常の中で無理なく取り組める仕組みを広めている。
食事面では、食事の際に野菜から食べ始める「ベジ・ファースト」も呼び掛けている。誰でも簡単に始められ、野菜摂取量の増加やバランスのいい食事の実践につながることで、高血圧をはじめ生活習慣病の予防に効果があるとされている。
高血圧は「身近すぎる病気」ゆえに軽視されがちだが、まずは家庭での毎日の血圧測定から始めることが、健康を守る第一歩となる。
最新技術で介護効率化
急速な高齢化と生産年齢人口の減少が進む本県では、介護現場における人材不足が深刻な経営課題となっている。県はこの問題を解決すべく、単なる人材「募集」から「定着・効率化」へと支援の軸足を移している。
処遇面では、国の2026年報酬改定を待たず、県独自の「賃上げ・職場環境改善支援事業」を実施し、他職種に見劣りしない給与水準の引き上げを推進。外国人材の活用についても、特定技能・技能実習生の受け入れ支援体制を整え、多国籍なスタッフが活躍する現場が増えている。
最新テクノロジーの活用にも力を入れており、「福島県介護テクノロジー導入支援事業」を通じて、見守りセンサーやインカム、移乗介助ロボットの導入に補助金を提供。さらに介護サービス事業所の生産性向上に関する相談をワンストップで受け付ける「ふくしま介護生産性向上支援センター」を開設し、総合的なサポート体制を構築している。
ICT機器の導入や介護ロボットの活用を推進することで、介護職員の業務負担軽減が図られ、離職防止・定着促進が期待できる。さらには、効率化により生み出された時間を直接的なケアに充てることで、介護サービスの質そのものの向上にもつなげていく狙いもある。
このほか、各医療施設や各介護施設では、相互に情報共有を図りながら、県民が健康に長生きできる環境の構築に向けて、さまざまな取り組みを進めている。官民一体となった「健康長寿日本一」実現への挑戦はこれからも続いていく。


























