てづか・たかよし 1967年生まれ。福島市出身。東北大工学部資源工学科卒。1989年福島県入庁。道路整備課主幹、下水道課長などを歴任。今年4月より現職。
県民が求める社会資本整備・管理に取り組む
――4月に県南建設事務所長に就任されました。管轄地域の印象はいかがでしょうか。
「栃木・茨城両県と接し、東北新幹線、東北道、あぶくま高原道などの高速交通網が発達している一方で、美しく豊かな自然に囲まれた地域でもあります。白河関跡、小峰城跡、棚倉城跡など歴史的文化遺産や伝統文化も多く魅力溢れる地域です」
――2月4日には国道294号白河バイパスが開通しました。
「市街地を通る現道はクランクが多く、十分な歩道幅も取れないことから、1995(平成7)年度に延長4120㍍のバイパス整備に着手しました。開通により安全・安心な通行が確保されるとともに、市街地を経由して白河中央スマートインターチェンジと国道289号が直結し、白河厚生病院等へのアクセスが向上しました。市の循環バス『こみねっと』が4月からバイパス経由の新規路線を開設したほか、バイパス周辺にある小峰城や南湖公園への観光客も増加しています」
――建設業界の人材不足が課題となっていますが、県としての対策は。
「県土木・建築総合計画でも目標の一つに『持続可能な建設産業』を掲げています。当事務所では担い手確保として、小学生や高校生、一般の方向けの現場見学会を実施しており、関心を持っていただけるようにそれぞれ内容を工夫しています。
一般の方向けの現場見学会としては、昨年度に南湖トンネル、今年度に堀川ダムでキャンプを実施し、施設の役割や建設業の重要さを学んでいただきました。子どもからお年寄りまで多数の参加があり、建設業をアピールできたのではないかと思います。
トンネルキャンプは全国でも2例目、ダムキャンプは全国でも初の試みだと思われます。今後も、担い手確保に向け日々シンカ(新化)し、有効な取り組みを進めます」
――結びに抱負を。
「県土木・建築総合計画の地域別計画で定められている『県を越えた広域連携の中心として、自然、歴史、伝統文化をいかしながら、持続的に発展する県南地域』の達成に向けて各種施策に取り組んでいきます。
道路事業では、国道289号、国道118号などの広域的な道路ネットワークの強化、幹線道路の整備を推進することで、地域の物流の円滑化、産業や観光の振興を支援し、活力あるまちづくりを目指します。
国が進める阿武隈川の遊水地群整備をはじめ、各水系の流域治水対策事業や砂防事業などの推進、県有施設の長寿命化事業などにも重点的に取り組み、災害に強く安全で安心なまちづくりに努めます。
安全・安心、豊かさを次代につなげられるよう、県民が求める真に必要な社会資本の整備、管理に取り組んでいきます」