なかがわ・よしのり 会津若松市出身。芝浦工業大卒。福島県土木部河川整備課長、河川計画課長、土木部次長(河川港湾担当)を経て、今年4月から現職。
――4月より県北建設事務所長に就任されました。率直なご感想を。
「福島市を中心に、高次都市機能が集積した県北地域の特性を生かし、河川改修や地方創生に資する基幹的道路などの社会資本の整備を通して、管内市町村や各地域が目指す将来像の実現に向けた取り組みを職員一丸となって進めていきます」
――上名倉飯坂伊達線大笹生2工区、天戸橋工区、濁川筋の進捗は。
「県北地域は自然豊かな地域資源を有し、高速交通体系の結節点でもあります。その環境を生かして、新たな活力創出や県内外との広域交流の促進、豊かな暮らしを持続する地域づくり・道づくりが必要とされています。そこで東北中央道福島大笹生インターチェンジ(IC)へのアクセス性向上を目的とした上名倉飯坂伊達線大笹生2工区(福島市)、天戸橋工区(同)の整備を進めていきます。さらに、令和元年東日本台風の際、阿武隈川からのバックウォーター(背水)で大規模な浸水被害を受けた濁川(福島市)の堤防嵩上工事などを進めます」
――防災・減災対策、国土強靭化対策について。
「2022年3月の福島県沖地震で阿武隈川にかかる県管理の橋梁が被災しましたが、国や地元自治体と連携し、応急対策や復旧工事に取り組んでいます。国道399号伊達橋(伊達市)は国の代行事業による本格復旧に向け工事が進められ、仮橋供用による通行止め解除後、橋梁上部工の撤去、下部工の補強を行い、今年2月から新橋上部工の架設作業を開始しました。また、大型車の通行を規制している県道31号浪江国見線伊達崎橋(桑折町)は国による修繕代行事業での復旧方針が決定しました。引き続き、国や地元自治体と連携しながら早期の復旧を図っていきます。激甚化する自然災害への対応については、災害に強く命を守る基盤整備とともに、普段からの準備や想像力を大事にする防災意識の高いまちづくりに市町村などと協力して取り組んでいきます。
豪雨や地震などの自然災害に備える防災・減災、国土強靱化の取り組みとして、河道掘削や樹木伐採などによる治水対策、砂防えん堤工などの土砂災害対策、道路法面の落石対策、橋梁の耐震化、無電柱化などにも積極的に取り組んでいます。特に緊急輸送道路(1次確保路線)の安全度を向上させるため国道115号文智摺橋(福島市)の橋梁耐震補強や県道水原福島線杉妻工区(同)の無電柱化に着実に取り組みます」
――今年度の重点事業について。
「阿武隈川からのバックウォーターにより大規模な浸水被害を受けた滝川【滑川】(国見町)の堤防嵩上工事や、五百川(本宮市)の河川改修工事などを推進し、早期の治水安全度の向上を図っていきます。また、国道459号西新殿工区(二本松市)、国道349号五十沢工区(伊達市)など地域間の連携や交流を支援し、災害に強く信頼性の高い道路ネットワークの構築に取り組むとともに、交流とにぎわいづくりを支える都市計画道路栄町大笹生線南沢又工区など、まちの魅力を高める道路整備に取り組んでいきます」