【福島県警備業協会】前田泰彦会長インタビュー《2025年》

【福島県警備業協会】前田泰彦会長インタビュー《2025年》

経歴

まえだ・やすひこ 1959年1月生まれ。東海大卒。綜合警備保障㈱第八地域本部長などを歴任し、2018年5月からALSOK福島㈱社長。同月、福島県警備業協会長に就任し今年5月に再任。

 ――5月の総会で会長に再任されました。率直な感想をお聞きします。

 「責任の重さを改めて感じています。役員改選後、新しい役員も多く加わりました。事務局体制も刷新し、継続して専務理事、事務局次長とも警察OBの方に務めていただくことになり、より強固な体制で業務に臨めると期待しています。公安委員会を監督機関とする警備業にとって、警察との連携は非常に重要です。会員の皆さんがコンプライアンスを遵守し、適正な事業運営をするためにも、事務局体制の強化は不可欠だと考えています」

 ――以前から適正料金確保と労働災害防止の徹底について強く訴えられていますが、現在の状況はいかがでしょうか。

 「警備業は下請けに回るケースが多いです。この構造がなかなか適正料金に結びつきにくい要因となっています。特に交通誘導業務は屋外での活動が多く、夏は熱中症、冬は凍結による転倒など、常に労働災害のリスクと隣り合わせです。また、高齢の警備員が多いこともあり、体調管理は欠かせません。全国では昨年も死亡災害が発生しており、現場環境の管理と作業環境の整備など対策強化を図っておりますが、対策には費用がかかります。労働災害を減らすためには、適正料金の確保が不可欠であることを理解していただきたいです」

 ――本年度の重点目標について。

 「大きく分けて3つあります。1つ目は、先ほど申し上げた適正料金の確保と労働災害防止の徹底です。2つ目は、交通誘導警備員の資質向上です。交通誘導警備は需要が非常に高く、地域住民の安全確保に直結する重要な業務です。講習会などを通じた技能向上に加え、魅力的な職場環境を整備し人員確保に取り組みます。3つ目は、社会貢献活動への積極的な参加です。私たちは地域の安全・安心を守るプロ集団として、犯罪抑止や地域イベントでの警備協力などに取り組んでいます。災害時には緊急輸送路の確保や避難誘導などの重大な役割があります。有事の際に迅速に対応できるよう、行政や関係機関との連携をより密にします」

 ――今後の抱負をお願いします。

 「警備業は社会のインフラを守る重要な役割を担っていますが、その重要性や専門性が十分に認識されていないと感じます。警備業の地位向上に一層努めるとともに、若い世代に警備業の魅力を伝え、業界全体の活性化を図っていきたいです。AIやドローンといった先端技術を活用することで、業務の効率化や質の向上、さらには新しい警備サービスの創出も可能になると考えています。AIでは代替できない『人の力』を大事にしつつ、新しい技術を取り入れることで、より安全で効率的な警備を会員一体となって提供していきます」

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