【鏡石町議会】「会派制廃止」の裏話

【鏡石町議会】「会派制廃止」の裏話

 鏡石町議会昨年12月議会で、議員発議で議会基本条例の一部改正案が提出された。同町の議会基本条例は2018年4月に施行され、その第6条に「会派制を敷く」旨が規定されているが、改正案はその削除を求めるものだった。

 提案理由は「(同町議会は)議員定数が12人と比較的少数であり、この中で会派制を設けることは、むしろ議員間の分断をきたし、議会の公正かつ健全な運営に資するものではないと思われる。そのため、会派制を削除・撤廃すべき」というもの。

 採決の結果、賛成多数で可決された。これに伴い、「会派制を敷く」旨が規定されている議会基本条例の第6条が削除された。

 ある関係者によると、「会派制は、もともとは(2018年の議会基本条例制定時に)遠藤栄作町長を支えるというか、コントロールするために設けられたもの」という。

 当時、遠藤町長を支える(この関係者に言わせると、コントロールを目論む)一派は7人おり、それら議員で「鏡政会」という会派を立ち上げた。代表には当時議長だった渡辺定己議員が就いた。同町の議員定数は12だから過半数を占める。

 それ以外の5人は「野党」の立場で、それぞれ無会派(1人会派)という状況だった。

 つまり、「7対5」(議場では議長は採決に加わらないため「6対5」)の構図の中で、会派制が生まれたというのである。

 ただその後、2019年8月の町議選と、昨年5月の町長選・町議補選(同時選挙)を経て、状況が変わった。

 まず、町長選では遠藤氏が引退し、代わって元役場総務課長の木賊正男氏が無投票で当選した。それによって、議会は「与党(町長派)」、「野党(反町長派)」といった括りはなくなった。それまで「野党」といった立場だった議員も、ひとまずは木賊町長を支える、あるいは見定めるといった立場に変わったのだ。

 一方、議会は本選・補選を経て、鏡政会のメンバーは5人になった。さらに、本誌昨年10月号で伝えた渡辺議員(前出)が込山靖子議員に不適切な言動を取ったとされる問題があり、ともに鏡政会のメンバーだった渡辺議員が辞職、込山議員が離脱したことで、現在は3人になった。残りの7人は無会派(1人会派)で、「会派制の意味を成していない」状況になった。言い換えると、過去の決定を覆せる議会構成になったということでもある。

 こうして、議会基本条例の一部改正(会派制の廃止)が行われたわけだが、提案理由にもあったように、そもそも定数12の町(議会)で会派を置くこと自体が稀なケースである。議員は「○○派」、「××派」といった括りなく、町のため、町民のために議会でどういった意思表示をするか、どのような議員活動をすべきか、を考えて行動すればいい。

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