鏡石町9月議会が「波乱の予感」が漂っているという。
同町では2023年8月に町議選が行われ、無投票で当選者が決まった。その直後、同年9月8日に行われた臨時全員協議会で正副議長を2年ずつで交代することが決まった。なお、この時は9月議会前で、正副議長が決まっていなかった。そのため、最年長者の円谷寛議員が臨時議長を務め、全員協議会を進行した。
本誌が入手した当日の会議録によると、吉田孝司議員が「今回から、正副議長ともに2年交代の形で選挙に臨みたい。確認してほしい」と発言。円谷議員(臨時議長)がそのことを確認すると、「異議なし」の声が上がり、円谷議員が「異議がありませんので、2年で交代とします」と述べた。
さらに吉田議員は「たくさんの方に役職を経験してもらいたいので、正副議長の再任の有無についても確認してほしい」と発言。円谷議員がそのことを確認すると異議はなく、円谷議員が「異議がありませんので、再任はしないこととします」と述べこの件は終わった。
こうして、正副議長2年交代が決まったわけだが、これは条例で定められたものではなく、慣例ということになる。
その後、同年9月議会で正副議長選が行われ、議長に角田真美議員、副議長に畑幸一議員が選ばれた。
今年9月は議員任期折り返し。まだ日程は決まっていないが、慣例に倣うと、9月議会で正副議長の交代が行われることになる。そのためには、正副議長が辞任しなければならないが、ある関係者によると「雲行きがあやしい」というのだ。
つまりは、正副議長が辞任しない可能性があるということ。前述のように、2年交代は慣例で、本来は正副議長の任期は議員任期に倣うことになっているから、法律上は辞めなくてもいい。ただ、そうなったら、当然、全員協議会で決めたことを反故にするのか、という話になる。
この関係者は「その場合は、不信任案か問責決議案提出などの動きに発展するかもしれない」という。そういう意味で、鏡石町9月議会は「波乱の予感」が漂っているというのだ。
同町のほかにも、正副議長2年交代の慣例があるところがある。ただ、それを無視して議長、副議長のポストに居座り、不信任案提出に至ったケースも取材したことがある。
本来、こうした慣例は「多くの人が役職を経験できるようにする」というのが目的で、言ってみればポスト争いでゴタゴタするのを避けるためのもの。ただ、慣例を無視して正副議長が居座り、逆にゴタゴタを招くという本末転倒の結果をもたらすケースもあるということだ。
一般の人からしたら、「そんなにポストが欲しいか」、「議長になったら議員の最大の〝見せ場〟である一般質問ができないじゃないか」と思いそうなものだが、やはり当人たちはポストに就きたいのだろう。
ちょっと話が飛躍してしまったが、前出の関係者が言うように、鏡石町9月議会でひと悶着あるのか。それとも、慣例に従い、正副議長の交代がスムーズに行われるのか。その動向に注目したい。

























