下郷町長の任期は9月29日まで。そのため、9月中には町長選が行われる予定となっている。現在のところ、立候補を表明している人はいないが、年明けごろから水面下での動きを耳にする機会も増えた。
現職の星學町長は進退を明らかにしていないが、後援会関係者の間では「もう1期」との声が高まっているという。ネックにはなるのは年齢的なことで、もう1期やるとなると退任時には82歳になる。ただ、体調面に不安があるかと言われれば、そんなこともないという。
星氏は現在3期目だが、3回の町長選はいずれも同じ相手との一騎打ちだった。
2013年9月22投開票
当2348 星 學(66)無新
2195 星澄雄(65)無新
投票率89・22%
2017年9月24投開票
当2427 星 學(70)無新
1890 星澄雄(69)無新
投票率87・38%
2021年9月26投開票
当2031 星 學(74)無新
1826 星澄雄(73)無新
投票率87・21%
同町は政争が激しい地域として知られる。2009年の町長選では、当時現職の湯田雄二氏が、元副町長の星學氏(現町長)に約500票差で勝利。湯田氏が引退した2013年の町長選以降が前述の結果だが、星澄雄氏は元副町長で湯田氏の後継者という位置付けだった。
両者の3番勝負は、2回目は500票以上の差がついたが、最初と前回は150〜200票差だった。特に前回は当初、無投票が囁かれていた。しかし、反町長派町議などから要望を受けた星澄雄氏が、告示2週間前に立候補を表明。現職への批判票の受け皿として、町政の刷新を訴えたが、出遅れ感は否めず、「3度目の正直」とはならなかった。
そんな経緯から、星澄雄氏に「4度目の挑戦」はあるのかが注目されるが、年齢的なことと、3度にわたり及ばなかったショックから「出馬はほぼ無いのではないか」というのが町内関係者の見立てだ。
そんな中で立候補に向け動いているとされるのが湯田純朗町議(70、3期)。2016年3月の町議選で初当選。この時は、定数12に16人が立候補し、487票を獲得してトップ当選を果たした。2020年3月の町議選では定数12に14人が立候補し、396票で2位当選。前回(昨年3月)は無投票だったが、選挙戦となった2回はトップ、2位の得票を得ている。
湯田議員に「秋の町長選に向けて動いているとの話を聞くが、実際はどうなのか」と聞くと、「その考えはある」との回答だった。
湯田町議について、町内では「町長にくっついたり、掌を返したり節操が無い人物」との評もあり、少なくとも、現職陣営からはよく思われていない様子。実際、そうした湯田町議の動きに、現職陣営の関係者らは「湯田町議が出るなら、こっちも考えなければならない」との考えで一致しているという。
町長選まではまだ少し時間があり、本格的な動きが出てくるのはこれからだろう。選挙戦になるのかどうか、その場合どんな顔ぶれになるのは注目だが、それ以上に、閉塞感が漂う中で何を打ち出して人心・民意を得るかがポイントになろう。