【シーズ】益子清志社長インタビュー

経歴

ますこ・きよし 1960年、棚倉町生まれ。東白川農商高(現修明高)卒。シーズ常務取締役、専務取締役などを経て、今年3月から現職。

〝くらしの応援業〟として幅広い事業を展開

 ――3月より社長に就任されました。率直なご感想について。

 「当社の前身である棚倉砕石㈱に入社して以降45年、生コン工場の品質管理や運営一筋だったこともあり、社長を打診された際は、自分に務まるだろうか、といった気持ちでした。経営を任された以上、社員の皆さんの協力を得ながら会社の発展に努めていきたいと考えます」

 ――マテリアル事業を核にガソリンスタンド、不動産業、書籍・事務機器販売など幅広い分野に進出していますがその狙いについて。

 「当社の原点は、砕石・建設資材を中心とするマテリアル事業ですが、公共事業の依存度が高いため、発注量により売り上げが左右されるなど経営的な弱点を抱えていました。この間、リスクヘッジの観点に基づいて関連する他の事業を展開しながら全社的な売り上げの安定化を図ってきた経緯があります。これまで関連するガソリンスタンドをはじめ、二次製品工場、不動産業、書店の合併・統合を経て、現在は14の事業部門で構成されています」

 ――経営理念について。

 「1つは、『感謝の心をもって共に育ち成長して、物心両面の幸せを追求する』です。一人ひとり幸せの価値観は異なりますが、本人はもちろんその家族も当社で働ける喜びと幸せを実感できる会社を目指していきます。

 2つは、『人・物・心を最大限活用して、お客様に必要とされる製品と感動のあるサービスを提供する〝くらしの応援業〟を目指す』です。当社で展開する事業は多岐にわたるため企業実体が見えにくい側面もあることから、石井良夫前社長が『地域の皆さまの暮らしを応援する業態』を踏まえ、事業定義を〝くらしの応援業〟と決定しました。これにより当社の存在意義を明確に打ち出せるとともに、お客様が必要とする製品、感動のあるサービスを提供することで地域の皆さまの暮らしを応援していくという思いが社内で共有できたと考えます。

 3つは、『〝もったいない〟を合言葉に、高い技術と知識をもって地域に貢献する』です。当社はマテリアル事業を中心に地域の資源を地産地消する会社であることから〝もったいない〟気持ちを持ち続け、限りある資源を大切に使うことで地域に貢献していきたいと強く思います」

 ――今後の事業展開について。

 「繰り返しお話ししている通り、当社はマテリアル部門が中核ではありますが、現在、新規事業として実験的に、木質バイオマス発電とその熱を利用したトマトのハウス栽培やスッポンの養殖に取り組んでいます。トマトは直売所や当社のガソリンスタンドで販売しています。

 また、従来のログハウスを縦組みで施工する㈱芳賀沼製作(南会津町)様の主力製品『パネルログ工法』の材料を製造しています。今般、能登半島地震の仮設住宅にも導入され、現地でも断熱効果の高さが評価されているようです。

 そのほか、7月3日には餃子・スイーツなどの冷凍食品や、野菜、たまごを自動販売する24時間営業店舗『くいっちい』がオープンしました。地域の皆様に喜んでいただける店舗づくりに励んでいきます」

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