【アレンザHD】浅倉俊一会長兼CEOインタビュー【2024.6月】

【アレンザHD】浅倉俊一会長兼CEOインタビュー【2024.6月】

経歴

あさくら・しゅんいち 1950年生まれ。聖光学院高卒。76年にアサクラ(現ダイユーエイト)創業。2019年4月、経営統合で設立されたアレンザホールディングスの社長となり、昨年5月、会長兼CEOに就任した。

 ――2024年2月期連結決算は営業収益約1497億円(前期比100・4%)、営業利益約41億円(同76・1%)、経常利益約46億円(同78・0%)、当期純利益約24億円(同87・6%)という結果でした。

 「為替やエネルギー価格の高止まりなどにより原材料費が高騰しました。そうした中で人手不足もあり流通業界、とりわけホームセンター業界にとっては大変厳しい1年になったと思います。さらにコロナ禍の反動減で客数の減少が起こり、既存店の売り上げが減って前期を下回る数字になりました。営業収益が伸びたのは新規出店とM&Aが影響しています。一方、利益が下がったのは人件費や電気料金、物流費など経費が増えたことが要因です。その結果、前期比でわずかな増収、大幅な減益となりました」

 ――ホームセンター事業はダイユーエイト、タイム、ホームセンターバローとも前期比で客数、売上高とも減りましたが客単価は増えました。

 「競争激化に加え、物価高による買い控え、節約志向が既存店の売り上げを押し下げました。主な増減要因を挙げると、夏場の猛暑や冬場の暖冬で、園芸・植物・農業資材や季節商品の不振が見られました。PB商品の取扱高は増えましたが、日用品等の売上構成比が増えたこともあり荒利率は横ばいか減少となりました。既存店改装や新店による一時費用の増加、キャッシュレス決済手数料などの増加で販管費は増加しました。客単価が増えたのは価格高騰が影響しています」

 ――ホームセンター事業は新規出店が5店あり、うち3店は職人向けプロフェッショナル店(プロショップ)でした。

 「用地確保や建築価格高騰などの面から大型ホームセンターの出店は全国的に厳しい状況にあります。しかし、企業としては成長戦略を磨いていかなければなりません。そうした中で今、成長が見られるのがプロショップと言われる専門店で、弊社もでき得る戦略の一つとしてプロショップの出店を進めました。プロショップ事業の商材は伸びています。背景にはリフォーム産業が好調に推移していることが挙げられ、そうなると大工も電気も設備も『一人親方』が増え、プロショップに足を運ぶ流れが全国的に起きています」

 ――ペット事業のアミーゴも前期比で客数、売上高とも減りましたが客単価は増えました。

 「コロナ禍における急激なペット需要がピークアウトしたことで、主に生体の販売数減少が顕著だったほか、ペットゲージやサークルなど関連用品の販売数も同様に前年同期比で減り、当期全体を通して既存店売上高は減収しました。客単価が増えたのは、先ほども申し上げた通り価格高騰が原因です」

 ――アミーゴは新規出店が6店ありました。

 「アミーゴは当初から『日本一のペット専門店をつくる』という掛け声のもと、地域展開ではなく全国展開をしてきた経緯があり、予定通り新規出店を進めています。当期はドミナントエリア拡大のため群馬県、山梨県、福井県に初出店しました」

 ――ダイユーエイトが子会社ダイユーエイトリフォームサービスセンターを5月13日に設立しました。 

 「リフォーム事業はこれまでもホームセンター各店で取り組んできましたが、今後も成長が見込まれ、以前から本格的に注力すべき事業の一つに位置付けてきました。そうした中である程度の規模を扱うには、リフォームも建設業の一種で請負金額が500万円以上の場合は建設業許可が必要になるため、新会社を設立しました。ホームセンターは住まいへの関心が高い方が多く来店されるので、もともとホームセンターで取り扱ってきた水回り、電気、トイレなどのリフォームだけでなく、規模の大きいリフォームにも対応できる体制でお客様の幅広いご要望に応えていきたいと思います」

 ――2025年2月期の経営スローガンとして「2030年『快適で豊かな暮らしを創造する企業』への躍進」 Challenge3000 経営基盤の改革&強化――を掲げ「5改革+2開発」を推進するとしています。

 「弊社は経営統合して6年目を迎えますが、経営基盤をより強固なものにしていくため、2030年までに売り上げ3000億円を目指す『Challenge3000』という経営スローガンを掲げています。その根幹となる取り組みは新規出店とM&Aですが、とりわけ2025年2月期については『5改革+2開発』を推進していきます。

 具体的に申し上げると、5改革とは①MD(マーチャンダイジング)改革=品揃えを今一度見直す、PB商品売上構成比20%の実現を目指す等、②DX改革=自動発注率80%以上、AI活用で在庫削減10%以上を目指す等、③業務改革=ITを活用して一人当たりの利益を高める人時生産性5000円を目標にする等、④物流改革=2024年問題を受けて物流業務の効率化・合理化を目指す等、⑤マーケティング改革=チラシやテレビ、ポイントカードなどに依存している部分をSNSも含めたデジタルマーケティングに移行し広告宣伝費の圧縮を図る等――という内容になります。

 一方、2開発とは①人財開発=次世代リーダーを育成するため、各事業会社から数名ずつ選抜し計二十数名を対象に『次世代リーダー塾』を開講して戦略立案できる人財育成を進める等、②業態開発=地域密着型ホームセンターの構築、プロショップやEC販売の拡大など収益モデル(儲かる仕組み)づくりを通じて荒利率35%以上を目指す等――という内容になります」

 ――ホームセンターはAmazonやモノタロウなどのネット通販、ニトリや無印良品、ドラッグストアなどが進出し競争が激化しています。

 「確かに業態を越えた熾烈な競争を強いられていますが、『業態』は明確にしないと何の店舗なのか分からなくなってしまう恐れがあります。何でもかんでも扱うと焦点が見えなくなり経営破綻に至ることは、アメリカの過去のビジネスモデルの研究からもうかがえます。ホームセンターは『住まいと暮らし』という明確なコンセプトがあるので、この分野をさらに強化して他業態との差別化を図り、地域一番店を目指していきたいと思います」

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