――県外から村内に大量の残土が持ち込まれる事例が発生し、村では昨年12月議会に規制条例案を提出するなど素早い対応でした。
「関東地方ではほとんどの自治体が独自の条例を制定し、盛り土に対する規制等をしていますが、県、県内市町村ではそうした条例がなかったため、関東圏から近く交通アクセスの良い当村が残土の投棄地として狙われたのだと思います。当該事業者に対し、中止や安全対策等の指導・要請を求めましたが、全く耳を傾けることなく、不誠実な盛り土が続けられ現状に至ったことから、一定の規制をする必要があると考え、職員に指示して県内初となる条例制定となりました。ただ、すでに行われた盛り土に対しては適用されないことから、もどかしさも感じています。
今後は国の盛土規制法に基づき、今年3月中に規制区域が設定されたほか、村の土砂条例が4月1日施行、さらに県の盛り土条例も6月1日施行予定となっており、様々な法令等により無秩序な盛土等を規制します。そのためにも、これまで以上に関係機関との連携・連絡体制を強化していきます。村民の生命と財産を守り、安心・安全な生活を確保するため村一丸となって取り組んでいきます」
――多くの自治体が人口減少に頭を悩ませていますが、西郷村は人口が増えています。
「確かに、多くの自治体が人口減少に直面している中、西郷村は微増ではありますが、人口が増えています。一方で、『第2期西郷村まち・ひと・しごと創生人口ビジョン』における将来人口の基本推計は、いずれ人口減に転じると推計されています。そこで、近年は住宅取得費や新幹線通勤などの補助金支給などの事業を行ってきました。それにより、2023年度の社会動態は転入者数1147人、転出者数849人と、298人のプラスとなっており、村が現在実施している施策の成果が表れていると考えています。今後の課題としては、多くの世代が進学等で転出する傾向があるので、その世代の転出抑制やUターンを含めた転入促進を図るための施策を検討していく必要があります」
――今後の抱負。
「2024年度は新庁舎建設工事が本格的に始まります。新庁舎は行政サービスを提供するだけでなく、災害時の防災拠点となります。また、新たな村民の協働や交流が生まれる場所として、永きにわたり村民から愛され、村民を守り、賑わいを育む庁舎となることを目指していきます。今後も次の世代に課題を先送りすることなく、スピード感を持って村民に寄り添った施策を打ち出し、実行していきたいと思います」