えんどう・ちゅういち 1948年1月生まれ。喜多方高校卒、日本酪農講習所修了。喜多方市議、県議を経て2018年の喜多方市長選で初当選。現在2期目。
――喜多方市は財政調整基金の残高が大幅に減少しているとのことですが、財政健全化に向けて今後どのような取り組みを進めていくお考えでしょうか。
「財政調整基金の減少についてですが、これは豪雨災害や大雪など、相次ぐ災害対応のための支出が主な原因です。財政健全化に向けては、今年度早々に『財政健全化プラン(仮称)』を策定し、歳入の確保、総人件費の抑制、公共施設の在り方の見直し、事業全般の見直し、各種補助金等の見直しといった5つの柱を中心に、全庁的に取り組んでいきます。
これらの取り組みを進めるにあたっては、市民の皆様や議会のご理解とご協力が不可欠です。具体的な内容については、今後、市民の皆様にお示ししながら進めていきたいと考えています」
――昨年12月には山形県南陽市と「ご当地ラーメンPR相互連携協定」が締結されましたが、今後の展望についてお聞かせください。
「南陽市とはラーメンを通じた地域づくりという共通の目標を持っており、協定締結に至りました。南陽市にはラーメンプロジェクトがあり、様々なPR活動を展開されています。喜多方市も喜多方ラーメン課を設置し、官民一体となって喜多方ラーメンの振興に取り組んでいるところです。
今後は、お互いのイベントへの相互訪問や共同でのPR活動などを通して、ラーメンを通じた観光振興や地域活性化に繋げていきたいと考えています。喜多方ラーメンだけでなく、南陽市のラーメン、そしてそれぞれの地域の特産品なども併せてPRすることで、より大きな相乗効果を生み出せると期待しています」
――4月からは大型観光企画「ふくしまプレデスティネーションキャンペーン(DC)」が開催されていますが、どのような取り組みを進めておられますか。
「ふくしまプレDCと来年のふくしまDCは、福島県の魅力を全国に発信する絶好の機会です。喜多方市では、これらのDCを成功させるため、過去のDCでの成功事例も参考にしながら、様々なプロジェクトを立ち上げ、官民一体となって取り組んでいます。
具体的には、駅を拠点とした観光を推進するための受け入れ体制及び環境整備や、喜多方ラーメンをはじめとする食文化の発信、そして何よりも、喜多方の豊かな自然や歴史文化を体験できるような企画などを展開しています。喜多方のしだれ桜が見頃を迎えた4月には、この桜とプレDCを連携させ、観光客の皆様に喜多方の魅力を最大限にアピールできました]
――旧福島県立喜多方東高等学校跡地の利活用について、現在の進捗はいかがでしょうか。
「現在、具体的な活用方法について検討を進めており、地域住民の皆様のご意見も伺いながら、喜多方の活性化につながるような公民連携による新たなまちづくりの拠点として整備を進めています。旧喜多方東高校跡地の利活用は、 本市の重要な課題の一つです。今年3月に基本構想を策定し、民間活力を最大限に活用する方針を示しました。4月24日には県と利活用に関する協定書を締結したところです。現在、具体的な活用方法について検討を進めており、地域住民の皆様のご意見も伺いながら、地域の活性化につながるよう、公民連携による新たなまちづくりの拠点として整備を進めていきます」
―─今年度の重点事業についてお聞かせください。
「今年度の重点事業としては、先述した財政健全化の推進、ふくしまDCの展開に合わせた市内観光振興に加えて、地域経済の活性化、子育て支援の充実、持続可能なまちづくりなどがあります。特に人口減少対策を最重要課題として位置づけ、結婚・出産・子育ての切れ目のない支援を実施します。具体的には、結婚新生活支援事業、妊婦支援給付交付金の創設、学校給食費支援などを継続して行います。さらにDX推進、カーボンニュートラル、防災減災対策、公共交通の確保など、市民の暮らしを支える基盤整備にも取り組んでいきます。
これらの事業を通して、喜多方をさらに元気で活力あふれる都市にしていきたいと考えています」