さとう・けんいち 本宮市出身。東北大卒。福島県土木部建設産業室長、喜多方建設事務所長、技術管理課長を経て、今年4月から現職。
――国道294号福良バイパス赤津工区の一部区間1・4㌔が開通となりました。
「国道294号福良バイパスは、郡山市湖南町の福良地区、赤津地区にて、幅員狭小、線形不良区間が続いていることから、4・7㌔のバイパス整備により円滑で安全な交通の確保を図るものです。令和5年3月に福良工区の一部区間1・5㌔が開通し、今回、赤津工区の一部区間1・4㌔が開通したことで、 安全性と利便性の更なる向上が図られるとともに、広域的な物流や猪苗代湖周辺、会津地域等の観光振興にも寄与できるものと考えています」
――トヨタ自動車と共同で、水素燃料電池自動車を活用して工事現場事務所に電力を供給する社会実験が行われました。その効果についてお聞かせください。
「県では、トヨタ自動車と連名で『福島での未来まちづくりに向けた水素の社会実装を開始』することを令和4年7月に発表しました。昨年度、トヨタ自動車の担当者からFCEVがクリーンエネルギーで、静粛性に優れていることを聞き、住宅街に位置する須賀川市の県営住宅外壁工事の現場事務所の電源供給にトヨタ自動車の協力を得て活用しました。多くの現場で使用している自家発電機は大きな音が発生しますが、今回の実験では騒音が全くなく、かつ安定的に現場事務所内の電気を供給できることが分かりました。現在、当事務所の現場を含め、様々な実証実験を行っており、今後も、どのような活用が効果的か本庁と協議しながら検討していきます」
――猪苗代湖を核としたサイクルツーリズム推進に向けた取り組みが行われています。
「猪苗代湖を核としたサイクルツーリズムを推進するため、国土交通省や福島県、関係市町、専門家を構成員として、令和3年12月に『猪苗代湖サイクリングルート推進整備協議会』が設立されました。令和4年度はモデルルートの設定、令和5年度は利用者を対象とした社会実験を実施し、その結果を踏まえ、『走行環境整備計画』を策定しました。令和6年度からは、この計画に基づき案内標識や路面表示の整備に着手しており、今年度も引き続き計画的に整備を進めていきます」
――今年度の重点事業について。
「国道288号船引バイパスは、1工区を平成27年度に、2工区の一部区間を令和4年度に供用しました。今年度は2工区の残り区間と3工区の工事を進め、早期の全線供用を目指します。そのほか、いわき石川線石川バイパスの2工区が令和4年度に供用となり、令和7年度は、1工区の工事を推進し、早期の全線供用を目指します。
河川等に関しては、特定都市河川指定後の逢瀬川・谷田川の『流域水害対策計画』の早期策定や、逢瀬川等における河川改修、河道掘削、樹木伐採、堤防強化などの対策を実施します。このほか、砂防施設整備などの土砂災害対策や、小中学生を対象とした防災出前講座などのソフト対策にも引き続き取り組んでいきます」