――4月から町内すべての小中学校で小中一貫教育が開始されました。
「不透明な時代に子どもたちが自ら未来を切り開いていく力を育めるよう、こども園と連携しながら小学校、中学校の枠にとらわれず、義務教育9年間のつながりを大切にした小中一貫教育を始めました。中学校進学時に受ける環境の大きな変化を和らげ、小中の教職員が切れ目なく生徒児童と信頼関係を結び教育に取り組める効果があります」
――東北地方で唯一こども家庭庁の「こどもデータ連携実証事業」の採択を受けました。
「全国で小中学生の不登校が約30万人に上っています。子どもたちを取り巻く課題には因果関係を特定するのが困難なものが多く、確かな処方箋はありません。これまで教員の経験値や献身的な関わりに依存し、エビデンスに基づいた対応が不十分だったのは否めません。外部との連携が必要な課題もあります。そこで、学校やこども教育課、健康ふくし課などの各課が横断的にデータを共有・分析してエビデンスに基づいた対応に取り組みます。子どもや保護者のSOSを早期に発見し、困難な状況が発生する前に、行政が積極的に介入する『プッシュ型支援』を進めていきます」
――昨年9月には昭和村までをつなぐ国道401号博士トンネルが開通しました。
「開通当初は他県の方が多く来ました。昭和村を経由した来町者がおり、開通効果があったと思います。通過台数は増加傾向です。夏を迎え絶好の観光シーズンとなるので、行き来はもっと増えるでしょう。町商工会の調査では、昭和村から町内のスーパー、ドラッグストア、ホームセンターへの買い物客が増えているそうです。『冬季も通れるので通勤に役立っている』との声もあります」
――重点事業について。
「少子高齢化対策です。『答え』は誰も見出せていませんが、当町は良いと思えることは何でもやるつもりです。旧3町村が合併後、施策の計画・実行・検証を経て取り組むべきことがはっきりと見えてきました。各地域の特性に合った振興を編み出していきたい。
例えば、賑わい創出では、地域ごとに協議会を立ち上げ、特性を生かした振興に取り組んでいます。高田地区、本郷地区は商店街を活性化させるために住民らと話し合いを重ねます。新鶴地区は『ふれあいの森スポーツ公園』一帯が核となります。運動施設の他に周辺にはブドウ畑やワイナリー、温浴施設が集まります。会津美里町は駅伝が強い土地柄です。既存の400㍍陸上競技用トラックを改修整備し、将来的には大学駅伝部が合宿に利用したり、周辺の観光振興につながればと構想しています」