にしやま・なおとし 1965年生まれ。法政大卒。1996年から荒井広幸衆院議員(当時)の秘書。1999年から福島市議、2003年から福島県議を務め、2023年から2年間は議長。2月の衆院選で初当選。
今年2月の第51回衆議院議員総選挙で福島1区から自民党公認で立候補し、初当選を果たした西山尚利議員。県議を通算5期、その間に議長を務めた経験から、自民党の空白区となっていた福島1区で、「与党議員ならでは」の働きが期待されている。西山議員に、選挙の総括や今後の抱負などを聞いた。
――今年2月8日投開票の衆院選で、福島1区から立候補し初当選しました。選挙戦を振り返っての率直な感想と、1期目の抱負をお聞かせください。
「昨年11月まで2年間、県議会議長を、12月からは県連副会長を務めてきましたが、亀岡偉民前議員が離党されて福島1区が自民党の空白区となっていた中で、急きょ解散総選挙を迎えることになりました。県議の皆さんや市町村支部の方々が、それぞれの地元の声を取りまとめてくださり、私自身、本当に急でしたが決断し、出馬に至りました。寒さも厳しく、本当に短い期間の戦いでしたが、皆さんが一丸となって支えてくださいました。
荒井広幸先生の秘書になってから亀岡偉民前議員が離党されて福島1区が30年、これほど短い期間で臨んだ解散総選挙は、経験したことのないものでした。この選挙区に『どうしても与党の国会議員が必要だ』という皆さんの気持ちが、私に凝縮されて当選に導いていただいたと感じています。心から感謝申し上げます。
抱負としては、30年間、県議・議長として地方の現場を歩み、地方と中央の格差、農産物の風評問題、医療の課題など、福島の実情を肌で知って感じてきました。客観的なデータだけではなく、現場地方の現実を国に届け、政策として実現していくことが一番の使命だと考えています。選挙区の各地域の実情を国政の場で発信し、福島1区の代議士として皆さんの期待に応えることが私の責務だと考えています」
――選挙戦で訴えた「責任ある積極財政」について、物価高に苦しむ家庭や地元中小企業などへの具体策をお聞かせください。
「今回の物価高はロシアのウクライナ侵攻に端を発した国際的な問題であり、日本だけの責任ではありません。それでも、国として国民に安心を届けることは政治の大きな命題です。
ガソリン税の引き下げで1㍑170円台、スタンドによって軽油は140円台まで下がりました。地方は車が生活の基盤ですから、価格が下がって『よかった』と感じた人は多いはずで、その積み重ねが前向きなマインドにつながります。やはり、消費は気持ちで動く部分が大きいと思いますですからね。自民党が飲食料品の消費税を2年間ゼロとする方向で検討を進めているという姿勢も前向きに評価しています。消費税の減税が実現すれば、地元の中小企業や農家の経営にも直接プラスに働きます。
責任ある積極財政とは、赤字国債に頼るのではなく、円安や訪日需要増加による税収の上振れを財源に充て、減税・給付を実行することです。今年もインバウンドは高水準が続くと見込まれており、その恩恵を地方に届ける。予算の裏付けを明確にしながら国民生活を豊かにする施策を打ち出すスタンドによってですからね――それが今の政治に求められていると思います」
――県議会議長の経験を踏まえ、国と地方をつなぐパイプ役として優先的に取り組みたい事業をお聞かせください。
「大玉村では東北自動車道のスマートインターチェンジの事業化が決定しました。周辺の土地利用計画を整備し、若い世帯が増えてきているこの地域の発展を後押ししていきたい。伊達市や大玉村など県北地域には土地が比較的安く、若い人が少しずつ増えている地域もあります。そういった明るい材料を積極的に発信していきたいと思っています。
一方、地域医療は深刻な課題です。選挙区内の多くの市町村で10万人当たりの医師数が全国平均を下回っており、特に二本松市・本宮市には産科・婦人科がありません。地元県議時が代から本会議でも繰り返し訴えてきましたが、解決できていない現状があります。医療ネットワークの整備を国の力も借りながら進め、安心して産み育てられる環境をつくっていかなければなりません。また、高齢化が進む中で免許返納後の移動手段の確保も喫緊の課題です。地域の実情に合った交通対策についても国に働きかけていきます。
令和元年東日本台風では選挙区をはじめ、中通りの広い範囲が大きな被害を受けました。復旧は進んでいますが、線状降水帯などいつ起きるか分かりません。防災・減災の予算を計画通りに、できれば前倒しで確保するよう霞が関と個別に話を進めていきます。各市町村の首長・議員・自民党支部からの声を丁寧に拾い上げながら、1区全体の施策を着実に前に進めていく考えです」
――震災から15年が経過した中、福島1区が抱える風評被害対策や人口減少など、国会議員としてどう向き合いますか。
「選挙区内の特産品であるモモは出荷量も価格も回復してきていますが、流通段階での値段がまだ全国水準に追いついていない部分があります。日本酒は全国でもトップクラスの評価を得ており、農産物・地酒ともにアピールを続けていかなければなりません。また、土湯温泉などの観光資源をもっと前面に出し、県内観光の底上げにもつなげていきたいと考えています。
私は、農林水産委員会、法務委員会、そしてと東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会に所属し、必要な予算を確保していく立場にいます。同期の初当選議員の多くが、まだ被災地に足を運んだことがありません。被災地の現状を実際に目にすることで、復興予算の必要性を肌で感じてもらえると思います。勉強会や視察を通じて現場を見てもらう機会をつくり、関心を持ってもらえるよう働きかけていきたいと思っています。
今後は、各市町村長らが何が必要かを明確に発信し、県と一緒になって国に訴えていく形が望ましいと思います。福島の復興には原発事故という大きな特殊性があるということを、これからも粘り強く国に伝え続けていく覚悟です」
――結びに、地元の有権者へメッセージをお願いします。
「急な解散で、なおかつ厳しい寒さの中、心を1つにして選挙戦を戦っていただいた皆さんに心から感謝申し上げます。国会に来て、仕事の幅も量も質も自分の想像をはるかに超えていました。2つの常任委員会(農林水産委員会、法務委員会、)、1つの特別委員会(東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会)と3委員会に所属し、関連する党の部会等には毎朝8時から出席し、党や、と3委員会は国の動きを懸命に吸収しているところです。
選挙区の観光振興、産業支援、交通弱者対策、防災、地域医療――それぞれの施策を前に進め、多くの方に福島県に来ていただき、移住にもつながる地域づくりを実現したいと思っています。与党の議員として予算をしっかり確保しながら、皆さんの声を国政に届けることを原点として、1期目を全力で務めてまいります。地元の皆さんのご期待に応えられるよう、引き続きよろしくお願いいたします」

























