【会津美里町】支部長急死で迷走する自民高田支部

 本誌先月号に「機能不全に陥る自民党会津高田支部」という記事を掲載したが、同支部の迷走はその後も続いている。

使途不明金の説明迫られる堤町議

 同支部は令和4、5、6年と総会を開かず、会計監査も受けていないのに、県選挙管理委員会に政治資金収支報告書を提出している。

 運営を司る支部長は会津美里町議の根本剛氏(67)、会計責任者は同じく同町議の堤信也氏(66)が務めているが、党員が総会開催を求めても両氏は互いに責任をなすり合ったり言い訳をしてはぐらかしてきた。

 監査を受けていない収支報告書を確認すると、使途不明のカネが毎年30万円前後支出されていることが分かった。県が公表している令和3、4、5年の収支報告書だけで、その額は計約90万円に上る。

 両氏はなぜ総会を開かないのか。そして使途不明のカネは、収支報告書には「印刷代」と記載されているが、毎年30万円も使って何を印刷したのか。4月中旬、筆者が両氏を直撃すると次のように釈明した。

 「総会を開かなかったのはコロナや派閥の裏金問題があり、落ち着いてから開いた方がいいと思ったからだ。ゴールデンウイーク前には開くつもりだし、党大沼郡総支部にもそう伝えている。収支報告書のことは会計責任者(堤氏)に任せている。印刷代の件は知らない」(根本氏)

 「総会はコロナや裏金問題などがあって開けなかったが、ゴールデンウイーク前には開く。監査を受けずに収支報告書を県選管に提出していたのは、今までもずっとそうやってきたので……。支出した30万円を印刷代としたのは、県の振興局の指示に従っただけだ。支出の詳細は出納帳を見てもらえば分かる。使途不明ではない」(堤氏)

 大沼郡内の自民党員は本誌5月号発売後、堤氏と会った際に「オレは取材を受けていない。記事の内容も分からない」と言われたという。

 「ところが記事を読んだら、堤さんはしっかり記者に追い詰められていた。しかも、追い詰められると語尾を濁す癖まで文章になっていたから思わず笑ってしまった」(同)

 この党員は、会津高田支部は論外としながら、会計と監査のあり方はどこの支部にも問題があるのではないかと指摘する。

 「支部の会計は必要に応じて通帳からお金をおろすのではなく、あらかじめ10~20万円単位でおろしておく。そこから必要に応じて支出し、あとから科目別に仕分けして収支報告書をつくり、監査を受ける。うちの支部もそういうやり方ですよ。だから、党員が支出の詳細を知る由はないし、ごまかそうと思えばいくらでもできる。正直、監査もあってないようなものだと思います」(同)

 政治資金規正法では、収支報告書と併せて提出する領収書の金額を5万円以上と定めている。つまり、5万円未満の支出なら領収書の提出は必要なく、収支報告書に詳細を記載しなくてもいいので、使途はいくらでもごまかしが効くわけ。

 会津高田支部が印刷代として支出した30万円前後のカネは、一括で支出していれば領収書が存在するはずだが、領収書の提出が不要な5万円未満ずつに分けて支出し、その総額として30万円前後を収支報告書に載せていれば、支出の詳細は確認できないことになる。

 こうなると、会計責任者の堤氏が筆者に答えたように出納帳を確認するしかない。ただ、確認の機会になるはずの総会は、根本氏と堤氏いわく「ゴールデンウイーク前に開く」とのことだったが、結局、開かれなかった。理由は、根本氏が急死したからである。

「新体制を発足させる」

 根本氏は本誌記者が直撃取材した約1週間後の4月18日、大動脈解離で亡くなった。67歳だった。町民からは「会津若松市内の店にいて急に倒れたようだ」「日頃から健康診断を受けていなかったらしい」という話を聞いたが、真偽は定かではない。

 支部長が急死しては、総会を開けないのもやむを得ない。とはいえ、後任の支部長を早急に選出し、新支部長のもとで総会を開くとともに、出納帳を確認して、印刷代が実際は何に支出されているのかを確認する必要がある。支部長の根本氏が亡くなった今、会計責任者の堤氏に説明責任があるのは言うまでもない。

 新体制の行方と総会の日程を自民党大沼郡総支部長の山内長県議に尋ねると、次のように述べた。

 「役員会で6月14日に総会を開くことを決めました。そこで役員改選を行い、新体制を発足させます」

 印刷代が実際は何に支出されていたのかは分かったのか。

 「堤氏に説明を求めたところ『ポスター張りの経費などとして、根本氏にまとまったカネをその都度渡していた。実際の使途は根本氏しか知らない。領収書はない』とのことでした。呆れて物も言えません。もちろん役員は辞めてもらいます」(同)

 堤氏は使途不明の責任を亡くなった根本氏に押し付けた格好だが、領収書が存在しない以上、自分で使っていた疑いは拭えない。死人に口なしとはまさにこのことである。

 あるベテラン党員は言う。

 「根本氏の急死は驚いたが、これを機に会津高田支部を正常化に向かわせるべきです。会計責任者の堤氏には毎年30万円ものカネを何に使っていたのか、党員が納得できる説明をしてほしい」

 会津高田支部の迷走は後任の支部長が決まり、堤氏の処遇がはっきりするまでもう少し続きそうだ。

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