福島第一原発のいま【2023年】【写真】

contents section

 1月10日、報道関係者を対象にした東京電力福島第一原発合同取材に参加した。

 敷地内をマイクロバスで移動しながら、解体作業が進む1、2号機周辺、今年春に予定されているALPS処理水海洋放出に向けて工事が進む放水立坑など7カ所を回った。

 「1、2号機周りは毎年来ても変わりがないなあ」とは、事故後からほぼ毎年参加しているフリージャーナリスト。実際、燃料デブリの全容はつかめていない。一方で汚染水は生まれ続けている。海洋放出の時期が迫る中、漁業者を中心に反対の声が根強いが、東電の担当者は「理解を得られるよう取り組んでいく」と述べるにとどめた。

 ※写真はすべて代表撮影

構内入り口近くの大型休憩所7階から見た3号機(左奥)と4号機(右奥)。手前に多核種除去設備などを通しトリチウム以外の62物質を低減させたALPS処理水などを収めたタンクが並ぶ。
構内入り口近くの大型休憩所7階から見た3号機(左奥)と4号機(右奥)。手前に多核種除去設備などを通しトリチウム以外の62物質を低減させたALPS処理水などを収めたタンクが並ぶ。
ALPS処理水をためて海水と混ぜて流すための放水立坑。上流水槽の幅は、約18㍍、奥行き約37㍍、深さ約7㍍。1月中旬時点は建設中。仕切りの壁を越えて深さ約16㍍の下流水槽に流し、海底トンネルを通って放流する。
ALPS処理水をためて海水と混ぜて流すための放水立坑。上流水槽の幅は、約18㍍、奥行き約37㍍、深さ約7㍍。1月中旬時点は建設中。仕切りの壁を越えて深さ約16㍍の下流水槽に流し、海底トンネルを通って放流する。
水素爆発を起こして建屋が壊れた1号機。2023年度中に大型カバーを設置し、がれき撤去作業を進める予定。建屋の横壁の左下に見える板は、工事に必要な足場を作るための基礎。
水素爆発を起こして建屋が壊れた1号機。2023年度中に大型カバーを設置し、がれき撤去作業を進める予定。建屋の横壁の左下に見える板は、工事に必要な足場を作るための基礎。
かまぼこ型の屋根に覆われた3号機。使用済み燃料プールからの燃料取り出しは完了したが、1~3号機ともに燃料デブリの全容はつかめていない。
かまぼこ型の屋根に覆われた3号機。使用済み燃料プールからの燃料取り出しは完了したが、1~3号機ともに燃料デブリの全容はつかめていない。
1号機と2号機の西側にある通称「高台」で東電社員のレクチャーを受ける。空間放射線量は手元の線量計で約80マイクロシーベルト毎時。
1号機と2号機の西側にある通称「高台」で東電社員のレクチャーを受ける。空間放射線量は手元の線量計で約80マイクロシーベルト毎時。
1号機の水素爆発の爆風を受けた排気塔。高さ約120㍍あったが、倒壊の危険性を考慮して解体し、現在は約60㍍になっている。
1号機の水素爆発の爆風を受けた排気塔。高さ約120㍍あったが、倒壊の危険性を考慮して解体し、現在は約60㍍になっている。
構内南西側にある処理水タンクエリア。
構内南西側にある処理水タンクエリア。
汚染水にALPS処理を施す前に海水由来のカルシウムやマグネシウムなどの物質を取り除くK4タンクエリア。35基あるうちの30基を使っている。
汚染水にALPS処理を施す前に海水由来のカルシウムやマグネシウムなどの物質を取り除くK4タンクエリア。35基あるうちの30基を使っている。
構内は貸与されたベストを着用し線量計を首から下げバスで回る。
構内は貸与されたベストを着用し線量計を首から下げバスで回る。
ALPS処理水に残るトリチウムが安全な値であることを示すため、ヒラメやアワビへの影響を調べる海洋生物飼育試験施設。
ALPS処理水に残るトリチウムが安全な値であることを示すため、ヒラメやアワビへの影響を調べる海洋生物飼育試験施設。
飼育当初は大量死したヒラメだが、専門家や漁業者の指導を受け、飼育員の技術を向上させたという。
飼育当初は大量死したヒラメだが、専門家や漁業者の指導を受け、飼育員の技術を向上させたという。

related post

関連記事