――4月より県北建設事務所長に就任されました。率直なご感想を。
「管内の自然の豊かさ、多彩な文化・歴史などあらためて魅力を感じます。高次な都市機能や豊富な地域資源のポテンシャルを十分に発揮し、管内市町村や各地域が目指す将来像の実現に向け、インフラ機能を維持する適切な管理や、災害に強い安全な基盤づくりに職員と心を合わせて取り組んでいきたい」
――国道114号山木屋工区、同349号大綱木工区が昨年3月21日に完成しました。
「避難指示解除区域の産業振興や交流人口の拡大、安全で安心な交通の確保や通行時間の短縮など利便性の向上により避難地域の復興を大きく後押しする路線として整備しました。地元の川俣町民から『冬場の通勤がずいぶん楽になった』、『時間が大幅に短縮された』、『人の往来が盛んになり、山木屋の復興がさらに進むことを願う』などうれしいお話をいただいています。整備した道路が地域の安全で豊かな暮らしを次代につなげていけるよう引き続き適切な管理に努めていきます」
――防災・減災対策、国土強靭化対策の現状と進捗状況について。
「令和4年3月の福島県沖地震では阿武隈川を渡る県管理の橋梁3橋と桑折町管理1橋の計4橋が被災しました。そのうち国道399号伊達橋は国の代行事業による本格復旧に向け工事が進められ、昨年度仮橋が供用されました。県道浪江国見線伊達崎橋は国による修繕代行での復旧方針が決定されたことから、早期の復旧に向け国や地元自治体としっかり連携していきます。
前任の勤務地(いわき市)で線状降水帯による豪雨災害を経験し、ハード、ソフト両面からの防災対策の重要性を痛感しました。激甚化する自然災害に対し、災害に強く命を守る基盤整備、普段からの準備や想像力を大事にする防災意識の高いまちづくりに市町村などと協力しながら取り組む考えです。これらを踏まえ、今後起こりうる自然災害に備える防災・減災、国土強靱化の取り組みとして、河道掘削や樹木伐採などによる治水対策、砂防えん堤工などの土砂災害対策、道路法面の落石対策、橋梁の耐震化、無電柱化などにも積極的に取り組んでいます。特に緊急輸送道路(1次確保路線)である国道115号文智摺(もちずり)橋の橋梁耐震補強や県道148号水原福島線杉妻工区の無電柱化を着実に進めていきます。合わせて河川の危機管理型水位計や河川監視カメラの設置など地域住民の命を守る行動や速やかな避難につながる情報発信に努めていきます」
――今年度の重点事業について。
「令和元年東日本台風で大規模被災した河川の再度災害防止のため、山舟生川の河川改良をはじめ、バックウォーター対策として滝川など阿武隈川支川4河川の堤防嵩上工事などを推進し、早期の治水安全度の向上を図ります。また、東北中央道福島大笹生インターチェンジへのアクセス向上のため県道5号上名倉飯坂伊達線大笹生2工区で用地取得を進めるほか、国道349号五十沢地区など地域間の連携や交流を支援し、災害に強く信頼性の高い道路ネットワーク構築に取り組む所存です」