【大熊町】吉田淳町長インタビュー(2025.1)

経歴

よしだ・じゅん 1956年生まれ。法政大卒。79年に大熊町職員となり総務課長などを歴任。2016年から副町長を務め、19年の町長選で初当選。現在2期目。

90年、100年と歴史が続くまちづくりに努める。

 ――2024年は町制施行70周年記念の節目の年でした。

 「本町は1954(昭和29)年11月1日、大野村と熊町村が合併して誕生しました。昨年11月7日、『linkる(リンクル)大熊』で開催した記念式典ではさまざまな方々に祝辞をいただき、渡辺利綱前町長、松永秀篤前議長ら8人に表彰状、感謝状を贈呈しました。式典後、京都市・音羽山清水寺の森清範貫主から『夢』のご揮毫と講演をいただいたほか、『学び舎ゆめの森』の子どもたちによる演劇『きおくの森』の公演が同校で行われ、約200人の皆さんにご覧いただきました」

 ――JR大野駅西口に整備している産業交流施設が「CREVA(くれば)おおくま」、商業施設が「クマSUN(サン)テラス」とそれぞれ愛称が決まりました。

 「両施設とも『大野駅西交流エリア』に整備を予定しており、町内外の交流の場、ビジネスの玄関口としての役割を期待しています。『CREVAおおくま』は、貸し事務所、多目的スペース、コワーキングスペース、貸し会議室などを備えており、新たな産業を生む場としての役割を担います。『クマSUNテラス』は駅西エリアで働く人や暮らす人の利便性を高め、町を訪れる人との交流を深め、かつての駅前商店街のようなにぎわいの創出を図ります。両施設の愛称は合計300点以上の公募の中から採用されました」

 ――町で重点的に取り組んでいる事業は。

 「アパートや戸建て住宅の修繕・取得の補助事業、宅地分譲など、住環境に関する事業を進め、帰還者・移住者が『帰りたい』、『住みたい』と感じられる町にするため、買い物環境の整備、医療の充実に力を注いでいます。昨年には震災後初のスーパーの出店が決まりました。また、県立大野病院の後継病院の早期開院を県に要望し、町としてもできるかぎり協力していきます。併せて、働く場の創出にも意識を向けています。旧大野小学校の校舎をリノベーションし、企業のスタートアップを支援する『大熊インキュベーションセンター』を立ち上げました。大川原地区の西工業団地、原地区の大熊中央産業拠点と連携し、大熊町内で起業から安定的な経営ができるまでの土台作りをすることで、世界へ羽ばたく新産業創出のバックアップも行っています」

 ――今後の抱負。

 「1年1年が正念場の年であるとの覚悟を胸に刻み、1日たりとも無駄にすることなく復興の歩みを積み重ねていきます。そして80年、90年、100年と歴史が続いていく町を作れるよう、職員と知恵を出し合いながら一層の努力をしていきます」

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