【富岡町】山本育男町長インタビュー(2024.12)

【富岡町】山本育男町長インタビュー(2024.12)

経歴

1958年8月生まれ。原町高、東京農業大卒。町議を5期連続務め、副議長などを歴任。2021年7月の富岡町長選で初当選を果たした。

子育ての場に選んでくれた信頼に応える。

 ――2月に小良ヶ浜・深谷地区の避難指示解除に向けた「富岡町特定帰還居住区域復興再生計画」が国の認定を受けました。

 「町面積の約6・7%を占める小良ヶ浜と深谷の両地区は避難指示解除に至っていませんでした。このうち2月16日に国の認定を受けた特定帰還居住区域内の除染や建物解体が9月5日から開始されました。これは町内全域の早期の避難指示解除に向けた大きな一歩です。帰還を希望している多くの地域住民の安全安心を確保するためにこれまでの除染の方法や範囲にとらわれることなく、生活圏全体の面的な除染を迅速かつ丁寧に実施することを強く国に求めています。

 除染後のインフラ復旧や営農再開への支援などを一日も早く実現できるように、国や県と連携しながら進めています。一方で生活圏以外の土地や建物、事業用地は、特定帰還居住区域の制度上の対象外になっています。避難指示解除に向けた取り組みは国が早急に進めるべきと捉えておりますので、地元の意向を踏まえて方針を示してくださるように、国に対して繰り返し要望しています」

 ――農業と商工業の育成に積極的に取り組まれています。6月には野菜集出荷施設が稼働し、町でも玉ねぎの生産拡大に向けた奨励金制度を創設しました。

 「農業法人と農家の方々が10・8㌶で玉ねぎを栽培しています。玉ねぎ栽培への奨励金制度を今年から始め、肥料や連作障害を防ぐ土壌消毒剤の購入を支援しています。2024年度現在の玉ねぎ生産量は双葉郡で211㌧、そのうち町内産は97㌧です。郡内の町村と連携して玉ねぎの一大産地を目指します。工業では、富岡第2産業団地の実施設計を進め、地権者と用地交渉を重ねています。2027年度中の供用開始を目指しています」

 ――今後の抱負について。

 「第3次災害復興計画を来年の3月を目指して策定しています。この計画は2017年4月の帰町開始後初めて作成する長期総合計画となるため、町民の皆様や町に関わる様々な方のご意見を伺いながら、昨年度から2年間かけて策定を進めています。

 帰町後、『農業・産業の育成』『帰還と移住の促進』『子どもたちの環境づくり』を町政の三本柱にしてきました。特に子どもたちの環境づくりは着実に実を結び、町内に帰還・移住した小中学生、幼児は150人を超えました。子どもを育てる場として富岡町を選んでいただいた保護者の皆様の信頼に応え、本町で学び育つ子どもたちの笑顔と未来を守るために、町の振興により一層取り組んでいきます」

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