すぎおか・まこと 1976年生まれ。日大理工学部卒。東京工業大大学院理工学研究科博士前期課程修了。飯舘村農政第一係長などを経て2020年月10月の村長選で初当選。
ここに住んでよかったと思う村を目指して。
――帰還困難区域のうち、5月には長泥地区の特定復興再生拠点区域と拠点区域外の一部である長泥曲田公園の避難指示が解除されましたが、解除された地区について今後どのような取り組みを進めていく考えですか。
「避難指示解除はあくまで地区の再生・発展のための手段ですので、雇用の創出など優先すべきもの、実施できるものから実現していく方針です。現在、資源活用型堆肥製造施設を整備中ですが、同施設がその役割を果たすと思います。また、残る帰還困難区域についても、早期の避難指示解除を目指します」
――ドラッグストアのハシドラッグと公設民営による出店を目指す他、セブンイレブンの移動販売が始まり、買い物環境の充実が進んでいます。住民の生活環境や利便性向上に向け取り組んでいる事業を教えてください。
「昨年度から村に移住していただいた医師の本田徹先生による訪問診療が浸透してきています。10月から福島交通が運行する路線バス『福島~医大経由南相馬』の運行ルートに飯舘村役場停留所が加わりました。今後も住民のみなさんや村に訪問される方の利便性向上のための事業を進めていきます」
――休校中の相馬農業高校飯舘校周辺に産業団地を整備する方針を打ち出しました。今後の展望を教えてください。
「整備予定地として、インフラが存在し、整備が容易な村の中心となる場所、アクセスしやすく人が集まりやすい場所、村の産業特性を踏まえ産業集積の拠点となりうる場所を重視しました。令和4年度に実施した候補地調査により予定地としました。村の担い手を育成してきた場所ですので、そのような思いを込めて産業集積を進めたいです」
――子育て支援や移住・定住に向けた取り組みについて伺います。
「移住については、福島県12市町村移住支援金、ふくしま12市町村移住支援交通費等補助金の他、村単独での支援制度もあります。令和4年度から引き続き、移住サポートセンターを設置し、状況に応じた制度をご案内しています。
子育て応援策として、今年度から赤ちゃん誕生祝金や、小学校、中学校、高校の入学等準備費用の助成として子育て応援支援金を整備しました。また、不妊治療を受ける夫婦を対象に不妊治療費助成も進めています。
さらに、学んで村に帰ってきた方、移住した方が村内の企業に勤める際には奨学金の返還免除や奨学金返還支援事業補助金制度も整備しました。様々な方が住みやすく、帰って良かった、移住して良かったと実感する、選ばれる村を目指します」