「家族の介護・見舞い」は本当か
7月18日に臨時議会が開かれた。上程された議案は、「専決処分の報告について(損害賠償額の決定について)」が3件と、「財産の取得について」、「工事請負契約の締結について」が各1件、計5件でいずれも全会一致で可決された。臨時議会自体は滞りなく終わった。
問題は、議員2人が欠席したことで、このうちの1人、鈴木一弘議員について「遊び(旅行)が理由での欠席ではないか」といった疑惑が浮上したこと。
二本松市議会の会議規則では「議員は、公務、疾病、育児、看護、介護、配偶者の出産補助その他のやむを得ない事由のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない」と定められている。
要するに、議会を欠席する場合は、当日の開会前までに理由を添えて議長に届け出る必要があるということ。ただし、これはあくまでも「申告制」であって「許可制」ではない。つまり、議長は届出があればそれを受けるだけで、欠席を許可するかどうかを決める権限はないのだという。
鈴木議員は臨時議会前に欠席の届出を提出した。理由は「母の介護、親戚のお見舞い」だった。ただ、鈴木議員はその前に不在届も提出していた。議員は2日以上、地元を離れる場合は不在届を出す必要があるが、事前にそれが出されていたというのだ。どうやら、仲間内には「その日は旅行に行く」旨を話していたようだ。
これだけですでに不自然だ。すなわち、事前に不在届が出されており、仲間内には「その日は旅行に行く」ということを話していたのに、いざ臨時議会直前になったら「母の介護、親戚のお見舞い」を理由に議会欠席の届出が出された――という構図になるからだ。
こうしたことから、「遊び(旅行)が理由での欠席ではないか」といった疑惑が浮上したのである。
臨時議会当日は、鈴木議員が所属する総務市民常任委員会で、委員の1人から議事進行がかかり、「鈴木議員の欠席の理由が明確でない。委員長は確認するべき」といった発言があった。これを受け、委員長が欠席理由を議長・事務局に確認する一幕があったという。本誌が聞いた限りでは、議事進行をかけた委員は、それでも納得していない様子だったとか。
こうした動きがあったことからしても、疑いの目を向けられていたこと、つまりは「遊び(旅行)が理由での欠席ではないか」と疑われていたことがうかがえよう。
旅行となると、ある程度前から予定を立てていたと思われる。一方で、臨時議会は突然予定として飛び込んでくるものだから、もしそういう状況になったのだとしたら、同情の余地はある。ただ、嘘の理由で欠席したのだとしたら信頼を損ねる行為だし、そもそも議員は議会を優先するのが基本ということに照らし合わせると、不適切な行為と言わざるを得ない。
鈴木議員を直撃取材

果たして、真相はどうなのか。鈴木議員に話を聞いた。
「不在届はだいぶ前に提出しており、その時点ではおおまかな予定を書いていました。7月16日に議会運営委員会があり、その終了後に18日の臨時議会の欠席届を提出しました。同日は母を伴い、首都圏の親戚のお見舞いに行きました。その後で出かけました」
臨時議会当日は、母親を連れて首都圏の親戚のお見舞いに行ったのだという。ちなみに、鈴木議員は62歳だから、母親は高齢であることがうかがえる。その母親の付き添いで首都圏の親戚のお見舞いに行ったから、欠席理由は「母の介護、親戚のお見舞い」として届け出たわけ。その翌日以降に「出かけた」、つまりは旅行に行ったというのが真相のようだ。
ある関係者はこう話す。
「二本松市議会では毎月21日に全員協議会が組まれることが多い。今年の7月は21日が祝日(海の日)で、19、20日は土日だから、その場合は18日が候補日になる。その日(18日)に臨時議会が行われたわけだが、いま話した事情から、21日は予定を空けておく必要があり、その日が土日祝日に重なった場合はその前の平日、つまり18日は空けておかなければならない。結局のところ、そういう基本的なことが分かっていないからこういうこと(旅行が理由での欠席ではないかと疑われるようなこと)になるんですよ」
この証言がすべてを物語っているように思えた。

























