二本松市議会の喧騒② 広域消防の負担金をめぐり紛糾

二本松市議会の喧騒② 広域消防の負担金をめぐり紛糾

算出方法変更で二本松市は負担増

広域組合の事務局があるあだたら環境共生センター(二本松市)
広域組合の事務局があるあだたら環境共生センター(二本松市)

 9月議会では一般会計補正予算案が提出された。総額約11億5000万円の補正予算案だが、その一部をめぐって議会で意見が割れた。具体的には安達地方広域行政組合の消防費の負担が増えることをめぐり、モメたのである。

 安達地方広域行政組合は二本松市、本宮市、大玉村の2市1村で構成され、消防、ごみ処理、し尿処理などを担っている。組合の運営費は構成3市村の負担金が大部分を占めるが、このうち、消防費の負担金が組合の条例改正によって変わることになった。

 これまでは基準財政需要額をもとに負担金が算出されていたが、条例改正後は均等割(20%)、人口割(60%)、消防施設等の立地割(20%)の3つの要素を用いて算出されることになった。これに基づくと、今年度の二本松市の負担金は当初から3262万円増となる。ちなみに、本宮市は639万円増、大玉村は3901万円減になるという。

 そのため、二本松市は補正予算案にその分を盛り込み、9月議会に上程したのだが、総務市民常任委員会では「否決すべき」との結論に至った。その理由は、3月議会で組合負担金を含めた当初予算を可決したのに、年度途中で組合の条例が変わったことが遡及して適用され、二本松市の負担が増えることは納得できないし、市民に説明できないというもの。

 議会最終日の本会議では、坂本和広総務市民常任委員長から、その旨の報告があった後、同議案の採決前に討論が行われた。鈴木一弘議員、小林均議員、本多俊昭議員の3人が反対討論、小野利美議員が賛成討論を行った。反対討論の趣旨は、前述したようなこと。ちなみに、本多議員と小野議員は組合議会の議員も兼務している。

 討論の後、採決が行われ、賛成13、反対7で可決された。

組合2月議会に間に合わず


 本誌は同議案の審議中、「もし否決されたらどうなるのか」を想像していた。前段で「総額約11億5000万円の補正予算案だが、その一部をめぐって議会で意見が割れた」と書いたが、議案の一部だけを否決することはできない。否決されれば、消防費以外の事業の予算も計上できなくなり、市民に影響が出てくることも考えられた。補正予算のうち消防費の部分を除いた減額補正の動議を出すのが現実的か、と考えていたら、そうした動きもなく採決に入った。もう1つは、組合への負担金支出は拒否できるものなのかということも疑問に思っていた。

 一方で、条例改正後の負担金は均等割(20%)、人口割(60%)、消防施設等の立地割(20%)で、人口割の比重が高い。構成市村のうち、二本松市は人口減少が顕著だが、本宮市は微減、大玉村は微増の傾向にあるから、長期的な視点で見たら、二本松市だけが負担が増えることはないのではないか。

 そんなことを考えながら、議案審査、討論、採決の行方を見ていたが、結果的に同議案は原案通り可決されたから、そういった本誌の疑問・想像は意味のないものだった。

 ちなみに、前述したように本宮市も負担増(639万円)となるが、9月議会では関連補正予算案は計上されていない。同市の担当者によると、「12月議会での関連予算案計上を想定していますが、その前段として、議員の皆さんに丁寧に説明する必要があると思っています」とのこと。

 議会後、組合事務局に問い合わせたところ、担当者は次のように説明した。

 「昭和47(1972)年に組合が設立されて以降、市町村合併時に多少の変化はあったが、それ以外は負担金の割合に大きな変更はなかった。ただ、社会情勢が変わり、総務省でも一部事務組合の負担金の算出方法についてマニュアルを出しています。そんな中、管理者会議(構成市村長による会議)では昨年から協議をしてきました」

 同組合の定例議会は2月、7月、11月に開催される。理想は、2月の組合議会で負担金の算出方法変更の条例改正ができればよかった。そうすれば、構成市村が3月議会で当初予算案を提出する際、ルール変更を踏まえた負担金を計上することができた。ただ、それに間に合わず、組合の7月議会で条例改正が行われた。それを遡及して適用するとなれば、特に負担増となる自治体では不満が出るのはやむを得ない。

 もっとも、年度途中に算定方法が変わる(負担金の金額が変わる)ことは事前に分かっていた。であれば、首長(この場合は三保恵一二本松市長)が、3月に当初予算案を出した際、「当初予算案の中の組合負担金(消防費)は仮のもので、今後、組合の条例改正を経て、負担金が変更になる可能性がある」旨を丁寧に説明して、議員の理解を得ておけばよかったのではないか。ましてや、三保市長は組合管理者(最高責任者)の立場でもある。そういった対応をしていれば、9月議会の補正予算案の議案審査であそこまでモメることはなかったように思える。

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