今春から夏にかけ、福島市内で2店のパチンコ店が閉店した。近年、パチンコ店は厳しい状況にあり、中小規模のホールを中心に、閉店となることは珍しくない。一方で、パチンコ店は、大きな通り沿いなどに立地していることが多く、広い駐車場を備えているため、閉店後の跡地利用が注目されている。福島市のパチンコ店跡地の状況を追った。
好立地と広い敷地で跡地利用に注目
かつてのパチンコ業界は、娯楽産業の中でも大きなシェアを誇っていたが、近年は厳しい状況に直面している。その理由としては主に以下のような点が挙げられる。
1つは遊技人口の減少。娯楽が多様化したことに加え、2018年2月に遊技機規則が改正され、規制強化されたことからユーザー離れを招いた。規制強化に伴い、1回の大当たりで獲得できる出玉が引き下げられた。パチンコ・パチスロユーザーからは、かなり辛辣な意見が聞かれ、それを機に「行かなくなった」という人は少なくない。
2つは、経営環境の悪化。最初の要因と関連するが、遊技人口が減れば当然売り上げも減る。加えて、遊技機規則が改正されたことで、旧規則機の撤去と新しい規則に適合した遊技機への入れ替えが義務付けられた。それに伴い、大きなコスト増となった。最近では、玉やメダルを使わないスマパチ・スマスロと言われるものが導入され、その実機や関連システム導入などの負担があった。また、紙幣が変わったことで、それに対応したシステム(現金投入機器)への変更が必要になった。遊技人口が減る中で、各種設備投資を強いられたのだ。
3つは、コロナ禍の影響。当初はとにかく密を避けるといった観点からパチンコ店も営業自粛の対象だった。県内では休業要請に応じないところはなかったが、県外では自粛要請に従わずに営業を続けたホールもあった。それがテレビなどで報じられ、世間からバッシングを受けた。業界のイメージダウンにつながったのと同時に、自粛の影響で高齢者やサラリーマンなどを中心に客足が遠のいた。
こうした複合的な要因を背景に、2018年2月の遊技機規則改正、さらにはコロナ禍を経て、中小規模のホールを中心に閉店が相次いだ。
別表は、そうした時期に閉店した福島市内の主なパチンコ店をまとめたもの。ほかにも閉店した店舗があり、この期間だけで同市内全体の約3割のホールが閉店したことになる。もっとも、それ以降は閉店する店舗は落ち着いたが、今年に入り、2店が相次いで閉店した。3月に三ツ星笹谷店、8月にグランド御山店が閉店したのである。
閉店した福島市内の主なパチンコ店とその後
| ホール名 | 閉店年月 | 現在 |
|---|---|---|
| サンシャイン福島店 | 2019年1月 | 商業施設 |
| 三ツ星吉倉店 | 2019年1月 | 車両販売店 |
| スロットドームK-1WEST福島店 | 2020年4月 | ビジネスホテル |
| グランド野田町店 | 2020年5月 | ドラッグストア |
| ジャンボパチンコ御山店 | 2021年5月 | ドラッグストア |
| スロットドームK-1本内店 | 2021年5月 | 車両販売店 |
一時期よりは落ち着いた思われたパチンコ店の苦境がまだ続いていると言えそうだ。
一方で、パチンコ店は、大きな通り沿いなどに立地していることが多く、広い駐車場を備えているため、閉店後の活用方法が注目されている。
パチンコ店跡地の活用例
別表では閉店したパチンコ店の敷地が現在どうなっているのかも表記した。
活用事例はさまざまだが、サンシャイン福島店は、いわゆる居抜きでの商業施設への転換となった。ディスカウントストア「ドン・キホーテ」や100円ショップなどになっている。
そのほかはいずれも、建物を解体して建て替えられた。グランド野田町店跡地と、ジャンボパチンコ御山店跡地は、いずれもドラッグストア「クスリのアオキ」になった。
余談になるが、筆者はジャンボパチンコ御山店跡地の近くに住んでおり、同ホールで遊んだことが何度もある。同ホールが閉店し、クスリのアオキに生まれ変わったことは、財布からお金がなくなる機会が減るという意味でも、生活の利便性向上の意味でも、ありがたかった。
スロットドームK―1WEST福島店跡地は、「ホテルルートイン」に生まれ変わったが、インターチェンジ(福島西IC)が近いこともあり、需要があるのだろうと感じる。
そのほか、福島市以外での閉店したパチンコ店の主な活用事例としては、やはりドラッグストア、スーパーマーケット、ディスカウントストアなどが多いほか、広い駐車場を有していることを生かして中古車販売店になったり、広いフロアを活用してフィットネスジム、スポーツクラブなどになったケース、あるいはマンションや分譲地として再開発された事例などがあるという。駅前の店舗であれば、飲食店になるケースも多いようだ。
パチンコ店は夜遅くまで営業しており、煌々とネオンが灯されている。その跡地であれば、何になるとしても「パチンコ店よりは静かで、煌々と灯りが灯されることはありません」とか「パチンコ店ほど遅くまでは営業しません」等々、周辺とのコンセンサスが得やすいように思える。そういった意味でも、閉店後の活用方法は注目だ。
その点で言うと、最近閉店した三ツ星笹谷店、グランド御山店はどうなるのか。三ツ星笹谷店は改修工事が行われている様子を確認していたが、その後、中古車販売店の看板が取り付けられていた。一方、グランド御山店はいまの建物を転用することもできそうで、駐車場も広い。そのため、いろいろな用途が考えられそう。いずれにしても、今後どうなるのかに注目したい。
























