【閉鎖から1年半超】ようやく廃止が決まった北塩原村ラビスパ裏磐梯

【閉鎖から1年半超】ようやく廃止が決まった北塩原村ラビスパ裏磐梯

 北塩原村の健康増進温浴施設・ラビスパ裏磐梯は昨年1月末に閉鎖されたが、その根拠となる条例廃止が議会の承認を得られないという状況が続いていた。9月の臨時議会でようやく廃止が決まったが、跡地をどうするかという課題が残る。

跡地利用に名乗りを上げた荒川産業

北塩原村ラビスパ裏磐梯

 同施設については、本誌昨年1月号、5月号で報じた。2023年12月議会で遠藤和夫村長が「ラビスパ裏磐梯を2024年1月末で事業停止、3月末で廃止にする」旨を明かしたことから、その背景などをリポートしたのが昨年1月号記事。同施設はオープンから30年近くが経ち、建物や内部設備の老朽化が課題となっていた。施設改修費用は10億円規模になると予想されたことから、議会で議論してきた中で、村が「廃止」の方針を示した。

 しかし、議会はそれを認めなかった。同施設が存在する根拠になっているのは村の「温泉健康増進施設条例」で、同施設閉鎖後の昨年1月31日に開かれた臨時議会で同条例廃止案が提出されたが、議会はこれを賛成ゼロ(全員反対)で否決したのだ。

 その後、昨年3月議会で再度、同条廃止案が提出されたが、賛成4、反対5の賛成少数で否決された。

 つまり、同施設廃止が二度にわたって否決されたことになる。これによって、施設は閉鎖しているが、条例上は存続しているという状況に陥り、それがずっと続いていた。その経過を続報したのが昨年5月号記事である。

 そんな中で、同施設に泥棒が入る事件が起きた。村総務企画課は当時の本誌取材に次のように説明した。

 「最初に昨年11月に施設西側の窓ガラスが割られていることが分かりました。その時は被害は確認されませんでしたが、今年4月に機械室の配線がなくなっていることが判明しました。これを受け、専門業者に依頼し、現在は調査中です。同時に警察にも相談しており、いま実施している調査が終わり、被害状況が確定したら、正式に被害届を出すことになると思います」(村総務企画課)

 その後、6月20日に臨時議会を開き、村は3回目となる「温泉健康増進施設条例」の廃止案を提出した。

 当初、村は温泉健康増進施設条例の廃止が認められないため、渋々ながら再開の準備を進めていた。ところが、泥棒被害によって、1・4億円の修繕費が新たに必要になったこと、もともと建物や内部設備の老朽化が課題となっており、それらを合わせると、さらに修繕費が膨らむことを理由に、やはり再開は難しいとして、3回目となる温泉健康増進施設条例の廃止案を出したのだ。

 ただ、これに議会は反発した。ある村民の話。

 「議案審議の中で、議員から質問があったが、回数が制限されていることから、動議を出して追及する動きに発展した。何度か休議を挟んで最終的に村は議案(温泉健康増進施設条例の廃止案)を取り下げた」

 過去2回の否決に続き、3回目は否決ではなく議案取り下げだったが、議案を通すことはできなかった。この詳細については本誌8月号でリポートした。

 その後、村は9月議会でも温泉健康増進施設条例の廃止案を提出した。都合4回目である。ただ、この審議も紛糾し、議会側から「廃止後の利活用計画に具体性がない」との指摘を受け、またも関連議案を取り下げた。当初、9月議会は9月5日から10日までの予定だったが、会期を1日延長した。それだけ、この議案の審議に時間を要したということだ。

 9月議会閉会から約2週間後の26日に臨時議会を開き、都合5回目となる温泉健康増進施設条例の廃止案を提出した。採決の結果、賛成多数で可決した。昨年1月から1年半以上、関連議案を提出すること5回目にして、ようやく正式に廃止が決定した。

次の課題は跡地利用

ラビスパ裏磐梯
ラビスパ裏磐梯

 前出の村民はこう話す。

 「村は施設閉鎖後、跡地利用者を募集し、実際に使いたいという民間企業が名乗りを挙げていた。ただ、その場合、貸与なのか、譲渡するのかが明確にされていなかった。もし貸すとなると、施設内の天井が落下の危険性がある状態だったので、そんな状態で貸すわけにはいかない。ある程度の修繕は必要になるだろう、と。もし、事故があったら村の責任が問われますからね。でも、どうせ修繕するんだったら、やめる必要はなく、村民のための施設として存続させた方がいい。そうでなければ、無償譲渡でもいいから、使いたいという民間企業に所有権を移して、あとはそちらの責任でやってくださいという状況にすべき、というのが、この間、議会側が求めていたことだった」

 その辺が明らかにされないことから堂々巡りが続いていたわけだが、ようやく進展があり、温泉健康増進施設条例の廃止案が可決された。

 村は今後、施設利活用に関して民間事業者と交渉し、12月議会で方向性を説明する方針を示している。

 地元紙では、「当初、名乗りを挙げた民間企業は同施設のプールを活用してサケの養殖をする計画を示していたが、固定資産税の負担から無償貸与を希望している。そのため、別の事業者との交渉や施設の解体も視野に入れている」ということが報じられた。

 本誌に伝わっている情報では、「同施設のプールを活用してサケの養殖をする計画」で、利活用を申し出たのは産廃処分業の荒川産業(喜多方市)。以前の本誌取材に、同社は「現時点では具体的なことは言えない」とコメントした。

 地元紙報道によると、同社は「固定資産税の負担から無償貸与を希望している」とのことだったため、議会が求めた所有権を移すことが条件となると辞退する可能性もあるだろう。その場合は別の事業者と交渉することになるが、果たして使いたいというところは現れるのか。もし、出てこなければ解体も視野に入れているようだが、その場合は解体費用や解体後の跡地利用が課題として残されることになる。

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