磐梯町と猪苗代町にまたがるメガソーラーの敷地に造成工事で発生した大量の木くず(チップ)を不法投棄したとして、今年7月2日、元請けの小又建設(青森県七戸町)の副社長・小野敬氏(65)が廃棄物処理法違反の疑いで猪苗代署に逮捕されたことは本誌8月号で既報の通り。
小野氏と法人としての小又建設の初公判は10月1日、地裁会津若松支部で開かれ、両者は起訴内容を認めた。以下、同2日付の福島民報より抜粋する。
《検察側は小野被告に懲役2年6月と罰金50万円、小又建設に罰金300万円を求刑し、即日結審した。判決公判は29日午後1時30分から。
検察側は論告で、同社や小野被告は現場で伐採される木の処分について十分な検討がないまま工事に着手していたと指摘。チップ化した木くずをぬかるんでいた現場道路へ砂利代わりに敷きならしたと説明した。現場からは既に木くずが搬出されたものの「まだ相当量残っていると推認され、刑事責任は重大」と断じた》
小又建設の法人登記簿を見ると、小野氏は7月11日付で解任。会社から責任を取らされた格好だが、不法投棄は小野氏より「上」の役員も知っていた可能性があり〝トカゲの尻尾切り〟の感は否めない。
小野氏と小又建設が罪に問われた不法投棄の量は約56㌧だが、実際の量はそんなものではない。この問題を以前から告発し、本誌の取材にも度々応じている小又建設の下請け、小川工業(郡山市)の小川正克社長が筆者に見せてくれた写真には、正確な量は不明だが、敷地に広く積まれたチップが写っていた。空中からドローンで撮影したので高低は分かりづらいが、一緒に写っている重機や大型ダンプは山積みのチップと比べてかなり小さい。そこから推察すると、チップの量は数万~数十万㌧はありそうだ。
県は、不法投棄をした小又建設ではなく、メガソーラーの事業者である合同会社NRE―41インベストメント(以下、NRE―41と略。東京都港区)に木くずの除去と原状回復を求めるとしている。ただ、実際に作業をするのはNRE―41を立ち上げた再エネ事業者ヴィーナ・エナジー・ジャパン(以下、ヴィーナ社と略)になる。
NRE―41に林地開発許可を出した県会津農林事務所の山田憲司・森林林業部副部長は本誌8月号の取材にこう答えていた。
「不法投棄をしたのは小又建設だが、林地開発許可を受けたのはヴィーナ社(NRE―41)なので、県の指導対象はヴィーナ社になる。チップ埋設の状況が把握できたら、チップは全て除去してもらう。たとえ埋まっている個所にパネルや支柱があったとしても、いったん取り外して除去するよう求めていく」
前出・小野氏と小又建設が罪を認めた中、除去・現状回復作業は進んでいるのか。あらためて山田副部長に問い合わせると、こう答えた。
「ヴィーナ社には調査計画をつくるよう指示しており、その中身は具体化しつつあると認識している。ただ、いつから調査が始まるか、どんな調査になるかなど、詳細に関するコメントは控えさせてほしい」
前出・小川社長は、問題を告発しチップ埋設にも関わった自身も調査に立ち会わせるべきと主張しているが、「ヴィーナ社が難色を示しているらしい」(小川社長)。小川社長が埋設に関わったのは、敷地の南工区と中工区と呼ばれる個所だが、別の下請けが携わった北工区は「南工区と中工区より尋常じゃない量のチップが運ばれた」(同)。小野氏と小又建設の罪は確定しても、不法投棄の全容解明はまだまだ先だ。


























