【二本松市】三保恵一市長インタビュー(2025)

【二本松市】三保恵一市長インタビュー(2025)

経歴

みほ・けいいち 1949年7月生まれ。安達高卒。県議5期を経て、2003年に二本松市長初当選。2013年に落選も、17年の市長選で返り咲いた。現在4期目。

 ――今年12月1日で合併20周年を迎えます。この20年を振り返って率直な感想と、どのような記念事業を企画しているのか教えてください。

 「2005年12日1日に1市3町が合併し、今の形の二本松市が誕生しました。おかげさまで、今年12日1日に合併20周年を迎えます。市民の皆様や二本松市を応援してくださる皆様には、『ありがとう』の気持ちでいっぱいです。

​​ 今日の二本松市の美しい自然と豊かさを築き上げた先人たちの努力と功績に感謝するとともに、その歩みを受け継ぎ、将来に向かって『夢』と『希望』にあふれ、更なる『飛躍』につながるよう、新たな時代を創造していきます。今年の12月には、二本松市合併20周年記念式典を開催します。感謝の気持ちを込めて、この特別な年を皆さんと一緒にお祝いしたいと思います。

 記念事業については、記念式典を12月21日に二本松市民会館で行います。市政功労者表彰のほか、当市出身のオペラ歌手で観光大使である樋口達哉さんのリサイタルを予定しています。また、合併20周年の機運を高めるため、記念ロゴマークを公募し、多数の応募作品の中から決定しました。今年度、市や市民団体等が実施する事業には『二本松市合併20周年記念』の冠を付すとともに、記念ロゴマークも様々な場面で使用しています」

 ――二本松駅南地区の整備を進めていますが、現在の状況はいかがですか。

 「二本松駅南地区整備事業は、駅前広場及びアクセス道路を整備するものです。2020年度に本格的に事業着手しました。2024年度までの5年間を第Ⅰ期事業として、事業用地内に居住している方々の代替地機能も兼ねて住宅団地の造成事業を先行して進めました。こうして『二本松駅南住宅団地』が昨年完成し、宅地分譲を始めました。現在、全38区画中32区画が販売済みです。駅に近いという好立地に加え、無電柱化したことにより安全性が向上し、さらに景観にも優れていることから好評を得ています。

 2025年度からは、第Ⅱ期事業として、駅前広場(約5000平方㍍)及びアクセス道路(延長約290㍍)の工事に着手し、2029年度の完成を目指しています。

 二本松駅南地区は、これまでは狭い道路が多く、住宅が密集しており、快適性や防災機能が脆弱でした。この整備により、二本松市の中心拠点として賑わいがあふれ、景観と都市機能が調和したモデル的な市街地となることが期待されます」

 ――子育て支援・教育に力を入れています。今年度予算でも子育て支援の予算を拡充していますが、現在の状況はいかがでしょうか。また、岩代地域に義務教育学校の整備をするとのことですが、どのような学校になるのでしょうか。

 「結婚、出産に対する意識が多様化する中、婚姻数、出生数が大きく向上する施策を打ち出すことは、当市だけではなくどこの自治体でも難しい状況となっています。そのため、子育て世帯、あるいはこれから新たに子育て世帯となる方々に向けて、満足度の向上につながるよう各種施策を実施しています。

 出生数の向上の要素のひとつとして、婚姻と出産に強い相関性があります。結婚したい人を支援し、婚姻数を増やすのが重要な少子化対策の一つになります。今年度から、若い世代向けに結婚や出産などのライフイベントを前向きに考えるためのヒントを提供する、ライフデザインセミナーを実施しています。また、新婚世帯に経済的な支援を行うことで、出産・子育てがしやすい環境となるよう、住宅取得費用や賃貸住宅を借りる際の家賃などを助成しています。昨年度は20組に助成しました。今年度は昨年度より増加する見込みです。

 そのほか拡充した施策として、国が進める、『こども誰でも通園制度』の先行実施があります。来年度から全国で一斉スタートすることになっていますが、当市は今年9月から民間施設4カ所で開始予定です。月の利用時間に制限はありますが、早いうちに同年齢の子どもたちが触れ合う場として、また、親が子育てに対する不安や悩みを解消する場としても活用してもらいたいです。

 また、義務教育学校についてですが、岩代地域においても児童生徒数の減少が見込まれています。同地域には、3つの小学校と2つの中学校がありますが、地域全ての小学校及び中学校を一つにまとめた義務教育学校を現在の小浜中学校に設置することにしました。校舎は、小浜中学校校舎の一部を改修して活用することを計画しています。2028年4月に仮校舎(現小浜小学校を利用)での開校を目指し、2029年4月に改修後の小浜中学校へ移る計画です。

 義務教育学校では、義務教育9年間の目標を設定し、岩代地域の歴史・伝統・文化や施設を生かした特色ある教育課程を編成します。この地域ならではの魅力ある学校をつくりたいと考えています」

 ――その他、現在取り組んでいる重点事業についてお聞きします。

 「二本松市が未来に向かって持続的に発展するためには、市民の生活基盤、産業基盤を確かなものにしていかなければなりません。イノベーションを興し、市民所得の向上、市内総生産の拡大を図っていきます。 さらに、災害に強い安心安全なまちづくりをはじめ、地場産業の活性化支援、健康な体と豊かな心を育むスポーツ・文化活動支援、安心して暮らせる医療・福祉の充実などに力を入れます。市民の命と暮らしを守り、一人ひとりが生きがいと幸せを実感できる平和で豊かな二本松市の実現を目指し、全力で取り組みます」

 ――まもなく任期を迎えます。今後に向けた抱負をお聞きします。

​​ 「私はこれまで、『市民が主役。市民とともに。』を基本に、躍動する二本松市の実現に全力を尽くしてきました。子どもからお年寄りまで、全ての市民が生きがいと幸せを実感できるまちづくりを目指し、『生まれてよかった、育ってよかった、住んでよかった』と心から思える、平和で豊かな二本松市の創造に全力で取り組んできました。

​​ 現在、エネルギー価格や原材料価格の高騰、物価上昇など、​​市民生活に大きな影響を及ぼす課題に直面しています。これらの問題に対し、迅速かつ多角的な緊急対策事業を展開し、市民の皆様の生活を守るべく努めています。

​​ ​​これからも、ふるさと二本松を新時代にふさわしい魅力ある都市へと発展させ、次世代を担う子どもたちに誇れるまちとして引き継いでいくとの強い思いを持って、全身全霊で市政の進展に取り組みます。市民の皆様と心を一つにして『笑顔あふれる しあわせのまち 二本松』の実現に向けて邁進していきます」

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