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【三春町】坂本浩之町長インタビュー

【三春町】坂本浩之町長インタビュー

1956年生まれ。田村高、専修大法学部卒。1979年に三春町職員となり、総務課長、副町長などを歴任。2019年9月の町長選で初当選を果たした。

 ――今年は「滝桜」が天然記念物指定100周年を迎えた記念の年でした。

 「昨年度から準備を進め、今年の開花時期には『ぐるっと滝ザクラ』と銘打った期間限定の周遊歩道整備のほか、メモリアルライトアップを行い大変好評でした。来場者数は今年の開花期間が短かったことや、コロナの影響もあって団体客は戻っていませんが、メモリアルライトアップの効果で夜間に訪れる方が多く、最終的に約8万7000人の方においでいただきました。今後もインバウンドを意識した多言語によるPR動画の作成等を行いながら、さらなる観光客誘致に努めていきます」

 ――スマートフォンアプリを使用し、三春城をVRで再現する取り組みを進めています。

 「広島大学の三浦正幸名誉教授の監修を受け、町民俗資料館所蔵の資料を基に制作しました。制作過程で三春城には日本一険しい崖の上にある三階櫓など3つの日本一があることが分かりました。利用者に大変好評で今後は教育面での利用も考えています。また、来年には新たなVR映像が完成予定です。街なかには神社・仏閣が多々あり、そのうちの10カ寺を2時間ほどで散策できる数珠めぐりなど、観光客の街なか誘致に積極的に取り組んでいますが、新たな起爆材になればと期待しています」

 ――来年は河野広中没後100年の記念の年です。

 「今年は河野広中の書を中心とした企画展を行いましたが、来年度は没後100年を記念した特別展を開催し、講演会も企画しています。また、自由民権運動を開始した石川町とも連携していきたいと思っています」

 ――以前から地域主体となるまちづくりを行っています。

 「まちづくり協会を中心にさまざまな取り組みが行われています。特に地域の身近な場所に様々な人が集える場所を設けるサロン事業は町長就任後40カ所ほどとなりました。サロンを通して定期的に地域住民が集まることで、顔なじみの輪が広がり、災害時には地域住民の安否確認やスムーズな避難につながります。今後は生涯学習の場につなげるなど、地域の独自性を生かした場にしたいと思います」

 ――今後の抱負を。

 「岩江地区は郡山市に隣接し、郡山市より土地価格が安く、転入が多い地域で、子どもの数が増加しています。そこで認定こども園の建設を進め、いよいよ来年度から実施設計が始まります。今後も町の特徴を生かした人口増加策を行っていきたいと思います。また、来年は任期最終年ですので精一杯やっていきたいと思います」

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