【柳津町】小林功町長インタビュー

【柳津町】小林功町長インタビュー

 1963年2月生まれ。国士舘大学卒。2008年4月から柳津町議を務め、副議長などを歴任。2019年6月の町長選挙で初当選。現在1期目。

 ――新型コロナウイルス感染拡大における町内の現状と地域経済への影響について。

 「新型コロナの影響により、観光入り込み客数は令和元年の約88万人と比べ、令和2年約55万5000人(令和元年比63%)、令和3年約66万人(同年比75%)と大きく落ち込んでいます。社会的にもウィズコロナを念頭に置いた取り組みが浸透しつつあり、回復傾向にはありますが、観光業が基幹産業である本町では未だその影響は大きいです。これまで複数の事業者が廃業に追い込まれるなど依然として厳しい現状です」

 ――町独自の新型コロナ関連支援策についてうかがいます。

 「本年度の事業としては、新型コロナウイルス感染症および物価高騰などの影響により売り上げが落ち込んでいる町内事業所や企業の支援をはじめ、町民の消費喚起を刺激すべく、プレミアム率30%の『やないづ福満商品券』を販売し好評をいただいています。また、新型コロナウイルスの影響で苦戦している旅館・事業所を支援すべく、町内の宿泊施設を利用した宿泊者に商品券を贈呈する『宿泊助成事業』も実施しています。コロナ禍での原油高騰・物価高騰対策として町内の水稲農家の事業継続を支援するため、『水稲経営安定化事業』も展開しています」

 ――10月1日、JR只見線が全線再開通の運びとなりました。

 「待望の全線再開通ですが、今後いかに地域振興につなげていくかが大きな課題と認識しています。同路線は、上下分離方式により、県ならびに沿線自治体に負担がかかるため、地域住民が納得する取り組みと成果が求められます。一方、只見線と奥会津の景色が織りなす絶景は国内外を問わず多くの方々を魅了しています。特にタイ、台湾で非常に高い人気を誇っています。地域振興にインバウンド誘客は大変有効な手段ですので、県や沿線自治体との連携強化を図りながら積極的なPRをはじめ、受け入れ態勢の整備に努めていきたいと考えています。

 現在、JR会津柳津駅駅舎の町有化に向けJR東日本と協議を進めており、令和5年度には改修工事に着手する予定です。本町が発祥地とされる赤べこの張子工房やカフェを設置し、駅と赤べこの魅力を融合させ、新たな観光の目玉にしたいと考えています」

 ――その他の重点事業について。

 「斎藤清美術館大コレクション展開催事業による観光交流人口の創出をはじめ、本町の歴史・文化の維持・発展を狙いとする歴史的風致維持向上計画の策定に向け鋭意取り組んでいきます」

柳津町ホームページ

政経東北【2022年11月号】

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