政経東北|多様化時代の福島を読み解く

【原発事故から12年】旧避難区域のいま【2023年】写真

 震災・原発事故から丸12年。原発被災地の避難指示が解除された区域はどう変化しているのか。特定復興再生拠点区域を中心にめぐった。

 今年春の避難指示解除に向けて除染・インフラ復旧が行われている富岡町夜の森地区では、立ち入り規制が緩和され、ゲートが撤去されていた。大熊町のJR大野駅前の商店街は建物がすべて解体され、更地になっていた。双葉町の双葉駅西側には公営住宅が整備されていた。

 ハード面の整備が加速する一方で、住民の帰還状況は頭打ちとなりつつあり、県はさまざまな補助制度を設けて移住促進に力を入れている。福島国際研究教育機構が整備される浪江町では、駅前の再開発が行われ、〝研究者のまち〟が整備される見通し。福島第一原発や中間貯蔵施設の行く末が見えない中、住民不在で進められる復興まちづくり。その在り方を考える必要がある。(志賀)

JR双葉駅西側に整備された双葉町駅西住宅。同町に住んでいた人が対象の「災害公営住宅」、転入を希望している人も対象となる「再生賃貸住宅」で構成される。
JR双葉駅西側に整備された双葉町駅西住宅。同町に住んでいた人が対象の「災害公営住宅」、転入を希望している人も対象となる「再生賃貸住宅」で構成される。
公営住宅の近くに開所した双葉町診療所
JR双葉駅東側のバス・タクシー乗り場。奥に見えるのは双葉町役場の新庁舎
更地になったJR大野駅前の商店街(大熊町)。空間線量は1マイクロシーベルト毎時。
大川原地区に整備されている認定こども園・義務教育学校「学び舎(や)ゆめの森」の校舎(大熊町)。事業費約45億円。入園・入学予定者26人(2月17日現在)
特定復興再生拠点区域に整備されている防災拠点(浪江町室原地区)
整備中の福島県復興祈念公園(双葉町・浪江町、見晴らし台からスマートフォンのパノラマ機能で撮影)
除染・復旧工事が進められる夜の森地区・夜の森公園(富岡町)。同地区は特定復興再生拠点区域に指定されており、今春解除される見通し
福島国際研究教育機構の立地予定地(浪江町川添地区)
125億円かけて再開発が行われるJR浪江駅前(浪江町)
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