さとう・とみじろう 1955年5月生まれ。明治学院大卒。㈱河京代表取締役会長。2008年から会津喜多方商工会議所副会頭を務め、2019年11月から現職。
――地元で育てた小麦で喜多方ラーメンを作る地産地消の取り組みとして、新品種「夏黄金(なつこがね)」の栽培が進められています。現時点での普及などの見通しはいかがでしょうか。
「夏黄金はパン用の硬質小麦ですが、さまざまな試験を重ねた結果、麺にも非常に合うことが分かりました。従来のゆきちからのように途中で伸びてしまうデメリットがなく、喜多方ラーメンブランドプロジェクトをはじめ、関係機関の中でも有望な品種として注目されています。ラーメンだけでなく、うどんやお菓子など、地産地消の流れを広げていく狙いもあります。
昨年、喜多方エリアで30㌔の種をまき、約770㌔を収穫しました。さらに約200㌔を加えた約900㌔の種から、今年6月末には約20倍となる18〜20㌧の収穫を見込んでいます。ただし、一等粉に近い製粉の歩留まりが約35%ですので、実質的に使える小麦粉はまだ限られます。ただ、来年以降は収穫量がさらに20倍になる見通しで、地産地消が本格的に実現する可能性が高まっています」
――後継者育成の一環として、旧あべ食堂を活用したチャレンジショップの開設や、店舗修繕に向けたクラウドファンディングが実施されています。こちらの進捗はいかがでしょうか。
「旧あべ食堂の活用は、ラーメンブランドプロジェクトの中で提案があり、市がこれを採用して進めている案件です。昨年はガバメントクラウドファンディングで500万円の目標に対し、約90万円の協賛が集まりました。目標に届かなかったことから、今年度は企業版ガバメントクラウドファンディングも活用して、さらに広く募集を行っているところです。500万円に届かなくとも、集まった資金で必要な修繕個所から早めに着手する可能性もあります。実施時期や具体的な進め方については市の判断になりますが、ラーメン店の開業に挑戦したい方に門戸を開くという方向性は変わりません。いずれ必ず形にしていく事業です」
――今年1月で喜多方市は合併20周年を迎えました。この20年を振り返っていかがでしょうか。
「もう20年になったのかと、時間の早さを実感します。合併によってさまざまなメリット・デメリットが出てきたのだろうと思いますが、合併自体は市の案件ですので、商工会議所が直接関わっているわけではありません。市のほうでも華やかなセレモニーは行わず、映像で20年の歩みを振り返る形を取ったと聞いています。現在、市は財政調整基金の積み上げに注力しており、さまざまな経費を見直している最中です。セレモニーよりも実質的な取り組みを優先する判断は理解できます。商工会議所としても、同様の認識でいます」
――今年度の重点事業についてお聞かせください。
「まず、委員会や部会の活動をさらに活発にしていきたいと考えています。商工会議所にもさまざまな財政的課題がありますが、部会・委員会の予算は前年度並みを確保しました。会員の皆さんが主体的に活動できる環境を維持することが大切です。
2つ目は交流人口の拡大です。4月から大型観光企画『ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)』が始まり、喜多方観光まちづくり委員会を中心に『駅から始まる喜多方物語』をテーマに、さまざまな企画を展開しています。喜多方駅には大型のラーメン丼のフォトスポットを設置し、蛇口をひねるとラーメンスープが出てくる装置も4月4日のふくしまDCオープニングイベントでお披露目したところ大変好評で、手応えを感じているところです。また、JRの観光列車SATONOの運行に加え、DCをきっかけに郡山からの直通列車も増便されました。
もう1つは、商工会館の建設問題があります。現在の会館は建設から60年以上が経過して老朽化が進んでおり、立地も入り組んだ場所で分かりづらいため、私の任期中に移転・新築のめどをつけたいと考えており、商工会館運営検討委員会を立ち上げて検討を進めています。まちの中心地にふさわしい場所への移転を、必ず実現したいと思っています」





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