【福島県酒造組合】渡部謙一会長インタビュー(2024.7月)

【福島県酒造組合】渡部謙一会長インタビュー(2024.7月)

経歴

わたなべ・けんいち 1965年、南会津町生まれ。東京農業大学農学部卒。開当男山酒造醸造元。福島県酒造組合副会長を経て、2022年5月より現職。

 ――5月17日の任期満了に伴う役員改選で会長に再任されました。まずは率直なご感想を。

 「1期2年が満了し、今回2期目の就任と相成りました。昨年からコロナ感染症が5類に引き下げとなり、平常通りの生活様式に戻る中、本組合としても、組合員の皆さま方のご理解・ご協力のもと、時代や社会の価値観を見極めつつ、どういった事業を展開すべきか議論を深めながら本県酒造業界の振興に向け注力していきます」

 ――2023酒造年度の日本酒の出来栄えを競う全国新酒鑑評会で、本県は金賞受賞数18銘柄を獲得、福島県産の日本酒は依然として高品質であることを示しました。

 「金賞は18銘柄、入賞は31銘柄と、福島県の酒造技術の高さを裏付ける結果になったとあらためて認識しています。今後も組合員と切磋琢磨しながらより良い品質を追求し、来シーズンに向けそれぞれの酒造りに努めていく必要があります。

 同鑑評会の結果を見ても、本県の酒造技術は全国的にトップクラスであることが証明された一方で、今後は晩酌や飲食店などで飲まれる市販酒についてもその技術を生かすことはもちろん、プラスアルファとして各酒蔵の個性やこだわりを反映させることで、付加価値の高い酒造りに努めながら本県酒造業界のさらなる発展を目指していきたいと考えます」

 ――昨年度の出荷状況について。

 「依然としてコロナ禍前の水準には回復していません。コロナ騒動の3、4年で生活様式や消費動向が大きく変化した影響によって、お酒を飲むスタイルやシーンが減少したことが原因と言っても過言ではありません。この点を踏まえ、今後の消費動向や価値観の変化を見通しながら本県産日本酒を手に取っていただけるための新たな戦略を構築していく必要があると考えます」

 ――2024年度の重点事業について。

 「従来通り、『福島県清酒アカデミー』において酒造り技術の継承を図りながら、後継者の育成に注力することをはじめ、高品質清酒研究会での活発な議論など、それぞれの蔵による品質向上、技術力向上について組合が的確に支援できるかが重要です。次いで、『夢の香』、『福乃香』の2種類の本県産好適米の安定生産・安定供給に貢献すべく、JA・生産者と蔵元の橋渡し役を担うことも組合の重要な役割なので、しっかり取り組む考えです。また、本県産日本酒の魅力発信にも力を入れたいと考えます。3月2、3日にビッグパレットふくしまで催された『ふくしまの酒味噌醤油まつり』は大いに賑わうなど、品質が高い本県産日本酒をPRできたと思います。東京・新橋駅前で今年も開催される『ふくしまの酒まつり』でも来場されるお客様に感謝しながら、組合の総力を挙げて高品質な本県産日本酒の魅力をお伝えできればと強く思います」

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